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社労士試験に出題された教育訓練給付制度関連の問題を解説します【社労士過去問】 _ pr
社労士試験対策

社労士試験に出題された教育訓練給付制度関連の問題を解説します【社労士過去問】

社会保険労務士試験で過去に出題された問題のうち、教育訓練給付制度に関連する問題、失業等給付に共通する問題だけをピックアップして詳しく解説していきます。

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1.社労士試験について

社労士試験の概要

社会保険労務士試験(社労士試験)は、厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会主催の国家試験です。社労士試験に合格して社会保険労務士名簿に登録することで社会保険労務士として活動することができます。

  • 受験申込 4月中旬から5月31日23時59分59秒まで
  • 試験日 8月の第4日曜日
  • 合格発表 10月
参考リンク

社労士試験オフィシャルサイト(全国社会保険労務士会連合会試験センター)
https://www.sharosi-siken.or.jp/

参考法令
社会保険労務士法 第10条  社会保険労務士試験は、毎年一回以上、厚生労働大臣が行なう。 2 厚生労働大臣は、社会保険労務士試験をつかさどらせるため、労働及び社会保険に関し学識経験を有する者のうちから社会保険労務士試験委員を任命するものとする。ただし、次条第一項の規定により全国社会保険労務士会連合会に同項の試験事務を行わせることとした場合は、この限りでない。

雇用保険法の出題

社会保険労務士試験は、択一式試験(70問70点満点)と選択式試験(8問40点満点)に分かれています。

このうち、雇用保険法は択一式試験10問10点分、選択式試験1問5点分の出題となっています。教育訓練給付に関する問題は雇用保険法の問題として出題されます。

社労士試験に出題された教育訓練給付制度関連の問題を解説します【社労士過去問】 _ 2047-2
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2.教育訓練給付の問題の出題傾向

択一式試験

社労士試験では、教育訓練給付関連の問題は択一式試験でおおむね2年に1回(1問)の割合で出題されています。また、不正受給処分や未支給給付金など失業等給付に共通する問題をあわせるとほぼ毎年出題されています。このことから教育訓練給付は頻出分野と言えます。

選択式試験

選択式試験では過去に2回出題されています。

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3.過去問分野別解説

教育訓練給付金、未支給給付金

  1. 失業等給付の定義、通則(平成23年問7-C、平成22年問7-B、平成16年問7-A、平成14年問1-A、平成11年問1-E)
  2. 教育訓練給付金の概要、支給日、支給方法(令和3年問6-B、平成25年問4-オ)
  3. 専門実践教育訓練給付金の追加給付(平成28年問6-D)
  4. 教育訓練支援給付金(令和3年問6-D、平成28年問6-E、平成27年問4-イ、平成27年選択式B)
  5. 教育訓練給付金指定講座の指定基準(平成19年問5-B、平成11年問4-C)
  6. 教育訓練給付対象者と適用対象期間(令和3年問6-E、平成21年問6-D、平成16年問6-E、平成13年問6-A)
  7. 支給要件期間の要件と初回の場合の支給要件期間(平成29年問5-C、平成21年問6-A)
  8. 支給要件期間の計算(平成27年問4-オ、平成21年問6-C、平成16年問6-A,D、平成13年問6-B)
  9. 【事例式】一般教育訓練給付金の支給要件期間(令和4年選択式D)
  10. 3年間の給付制限(平成28年問6-B)
  11. 教育訓練給付金の受給資格確認手続き(令和3年問6-A、平成28年問6-A)
  12. 支給申請手続き書類、修了証明(平成25年問4-イ、平成19年問5-A、平成13年問6-D、平成11年問4-D)
  13. 教育訓練給付金の支給申請期限(平成27年問4-ア、平成25年問4-ウ、平成19年問5-E、平成11年問4-B)
  14. 教育訓練給付金の支給額(令和4年選択式E、平成25年問4-エ、平成21年問6-B、平成19年問5-C,D、平成16年問6-C、平成13年問6-E)
  15. 教育訓練経費(平成27年問4-エ、平成25年問4-ア、平成21年問6-E、平成16年問6-B、平成13年問6-C)
  16. 教育訓練給付の不正受給処分(令和3年問6-C、平成29年問1-C、平成27年問4-ウ、平成20年問7-C、平成19年問7-D)
  17. 未支給の失業等給付の請求手続き(令和3年問2-B,C,D,E)
  18. 未支給失業等給付の遺族の順位(令和3年問2-A、平成29年問1-D、平成27年選択式C、平成23年問7-A、平成16年問7-E)
  19. 消滅時効(令和4年問7-B、令和2年問6-C、平成28年問7-オ、平成25年問7-E、平成20年問7-D、平成11年問1-B)
  20. 不服申し立て(令和2年問6-D,E、令和元年問3-E、平成30年問7-エ、平成24年問7-C,D、平成21年問7-B)
  21. 国庫負担、雑則(令和元年問7-E、平成24年問7-B,E、平成23年問7-E、平成22年問7-A)
  22. 行政庁の命令と罰則(平成22年問7-E)
  23. 教育訓練給付金と未支給失業等給付に関する事務の管轄(令和元年問4-C,E)
  24. 訓練受講者のための融資事業(平成28年問6-C)
  25. 短期訓練受講費(令和元年問5-E)

雇用保険の被保険者

  1. 雇用保険の被保険者の範囲と労働者性
  2. 外国会社、在日外国人、在外邦人
  3. 会社役員、団体役員の労働者性
  4. 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者
  5. 適用除外の学生・船員
  6. 短時間労働者、短期間労働者の適用除外、所定労働時間
  7. 短期雇用特例被保険者の定義
  8. 高年齢被保険者の定義
  9. 被保険者資格の得喪の確認、確認の請求

4.教育訓練給付関連の問題に共通する問題文について

択一式で共通の問題文

社労士試験(雇用保険法)の択一式試験で教育訓練給付関連の問題が出題されるときには、必ず次のような注意書きがあります。

なお、本問において、「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練のことをいう。

雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練」とは、教育訓練給付金の支給対象となる厚生労働大臣指定教育訓練のことです。

具体的には、雇用保険法施行規則第101条の2の7に規定する一般教育訓練特定一般教育訓練専門実践教育訓練の3種類の教育訓練のことです。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項  教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。 一 当該教育訓練を開始した日(以下この条において「基準日」という。)に一般被保険者(被保険者のうち、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者以外の者をいう。次号において同じ。)又は高年齢被保険者である者 二 前号に掲げる者以外の者であつて、基準日が当該基準日の直前の一般被保険者又は高年齢被保険者でなくなつた日から厚生労働省令で定める期間内にあるもの

なお、雇用保険法には、第59条第1項の短期訓練受講費(求職活動支援費)も「教育訓練の受講」と定めていますが、短期訓練受講費の支給対象となる教育訓練は必ずしも厚生労働大臣指定の教育訓練である必要はありません。

したがって、上記注意書きがある場合、短期訓練受講費の「教育訓練」は対象外となります。

参考法令
雇用保険法 第59条第1項  求職活動支援費は、受給資格者等が求職活動に伴い次の各号のいずれかに該当する行為をする場合において、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従つて必要があると認めたときに、支給する。 一 公共職業安定所の紹介による広範囲の地域にわたる求職活動 二 公共職業安定所の職業指導に従つて行う職業に関する教育訓練の受講その他の活動 三 求職活動を容易にするための役務の利用

平成21年の問題文

平成21年(2009年、第41回試験)の択一式試験では次のような問題文でした。

なお、この問において「教育訓練」とは雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練とし、「教育訓練の受講のために支払った費用」とは雇用保険法第60条の2第4項に規定する厚生労働省令で定める範囲内のものとする。

雇用保険法第60条の2第4項に規定する厚生労働省令で定める範囲内のもの」とは、具体的には、雇用保険法施行規則第101条の2の6に規定する入学料及び受講料(短期訓練受講費の支給を受けているものを除く。)と、一般教育訓練の場合に受講開始前1年以内に任意で受けたキャリアコンサルティングの費用のことです。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の6  法第六十条の二第四項の厚生労働省令で定める費用の範囲は、次の各号に掲げるものとする。 一 入学料及び受講料(短期訓練受講費の支給を受けているものを除く。) 二 次条第一号に規定する一般教育訓練の受講開始日前一年以内にキャリアコンサルタント(職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第三十条の三に規定するキャリアコンサルタントをいう。以下同じ。)が行うキャリアコンサルティング(同法第二条第五項に規定するキャリアコンサルティングをいう。以下同じ。)を受けた場合は、その費用(その額が二万円を超えるときは、二万円)

なお、短期訓練受講費とキャリアコンサルティングの費用は、いずれも2017年(平成29年)に創設された制度であり、2009年(平成21年)の出題当時はありませんでした。

平成19年の問題文

平成19年(2007年、第39回試験)の択一式試験では次のような問題文でした。

なお、本問において「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練とし、「教育訓練の受講のために支払った費用」とは、雇用保険法第60条の2第4項に規定する厚生労働省令で定める範囲内のものし、教育訓練の開始日は平成15年5月1日以降とする。

これは出題当時、支給要件期間5年以上の教育訓練給付対象者が2003年(平成15年)5月1日以降、2007年(平成19年)9月30日までに教育訓練(現在の一般教育訓練)の受講を開始した場合には、教育訓練経費の40%が支給されていました(上限20万円)。現在では廃止されています。

5.試験問題の基準となる法令

4月15日時点の法令

社労士試験は、試験実施に関する官報公告の日(通常は4月15日)に施行されている法令等を基準として作成されています。それ以降に施行された法改正は対象外です。

ただし、「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成23年法律第40号)」をはじめとする東日本大震災等に関連して制定、発出された特例措置及び新型コロナウイルス感染症に関連して制定、発出された特例措置は含まれません。

法令の改正に注意

2014年(平成26年)10月1日に専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金が創設されるまでは、教育訓練給付金は1種類しかありませんでした(現在の一般教育訓練給付金)。

また、教育訓練給付の給付率は何度か改定されているため、古い問題集を解く場合など、改正前の過去問を解くときは注意が必要です。