特定一般教育訓練、専門実践教育訓練を受講する1か月前までに、ハローワークに訓練前キャリアコンサルティングの予約をするとともに、ジョブ・カードを作成して受給資格確認を受けなければなりません。
1.訓練前キャリアコンサルティング
特定一般教育訓練給付金または専門実践教育訓練給付金の支給を受けようとする人は、当該教育訓練を受講する前に、受講予定者の就業に関する目標その他職業能力の開発及び向上に関する事項についてキャリアコンサルティングを受けなければなりません。これを「訓練前キャリアコンサルティング」といいます。
訓練前キャリアコンサルティングは、ハローワークの職員ではなく、国家資格の「訓練対応キャリアコンサルタント」が行います。
2.予約とジョブ・カードの作成
訓練前キャリアコンサルティングの予約
訓練前キャリアコンサルティングを受けるにはハローワークの窓口で相談し、委託業者へ予約をします。時季によっては予約が混み合うことがあり、予約が取れないこともあります。申請期限(受講開始の1か月前)に間に合うように早めに予約をしたほうが良いです。
ジョブ・カードの記入
訓練前キャリアコンサルティングの実施日までにあらかじめ職務経歴等記録書(ジョブ・カード)を作成しておきます。ジョブ・カードは次のようなシートに分かれています。分からないところは当日コンサルタントに相談しながら一緒に記入することもできます。
ジョブ・カードの内容
- キャリア・プランシート
- 職務経歴シート
- 職業能力証明(免許・資格)シート
- 職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート
ジョブ・カードの完成
訓練前キャリアコンサルティングはハローワークの相談窓口で行われます。事前に作成した書類と受講を予定している教育訓練の内容を踏まえて、より良いジョブ・カードの作成の仕方をアドバイスしてくれます。コンサルティングは原則1回(約60~90分)で終了しますが、記入が思うように進まない場合は1回で終わらないこともあります。
訓練前キャリアコンサルティングを実施したあと、担当コンサルタントがジョブ・カードの裏面に、就業に関する目標その他職業能力の開発及び向上に関する事項についてのコメントを記載します。ここで、教育訓練を受講してもよい旨のコメントが無ければ、教育訓練給付金の申請をすることができません。
ジョブ・カードは給付金申請の添付書類としてハローワークに提出するので虚偽の記載をしてはいけません。
ジョブ・カードの有効期限
ジョブ・カードは経歴を記載しただけなのでそれ自体に有効期限はありませんが、受給資格の確認を受けるには、受講開始日前1年以内に訓練前キャリアコンサルティングを受けたものである必要があります。訓練対応キャリアコンサルタントが裏面にコメントを記載したジョブ・カードは1年以内であれば有効なので、教育訓練を受けようとしているのであればジョブ・カードを早めに作成し、できるだけ早くコンサルティングを受けたほうがよいです。
訓練前キャリアコンサルティングは受講予定の教育訓練の内容を踏まえて行われ、当該教育訓練の受講の適否を判断するものですから、受講する教育訓練を変更する場合は再度、訓練前キャリアコンサルティングを受けなければなりません。つまりジョブ・カードの作り直しとなります。
3.受給資格確認
特定一般教育訓練給付金または専門実践教育訓練給付金を受けようとする人は、当該教育訓練の受講開始日の1か月前までに、ハローワークに受給資格確認票を提出し、受給資格の確認を受けなければなりません。その際、受給資格確認票には、訓練前キャリアコンサルティングで作成し、コンサルタントのコメントが記載されたジョブ・カードを添付しなければなりません。
受給資格確認票の提出が受講開始日の1か月前までであるため、それより前に、時間的余裕をもって訓練前キャリアコンサルティングを受けなければなりません。
訓練の受講は義務ではない
訓練前キャリアコンサルティングや受給資格確認を受けたとしても、必ず、教育訓練を申し込まなければならないというわけではありません。教育訓練を受講しなくても特にペナルティはありません。
前述のとおり、訓練前キャリアコンサルティングを受けてから1年を超えて教育訓練を受講する場合は、ジョブ・カードの作り直しとなります。
4.補足説明
支給要件照会との関係
特定一般教育訓練給付金または専門実践教育訓練給付金の支給要件照会を行い、支給要件を満たすとの回答があったとしても、それは支給要件期間を満たすことの確認をしただけであり、受給資格確認の認定をしたものではありません。
一般教育訓練給付金の場合
一般教育訓練給付金については、訓練前キャリアコンサルティングは不要ですが、キャリアコンサルティングの費用を教育訓練経費に加えることができます。