専門実践教育訓練給付金教育訓練給付金の概要

【専門実践教育訓練給付金】専門実践教育訓練給付制度をわかりやすく解説します

専門実践教育訓練給付金は、4年以内の長期の専門実践教育訓練を受講し、修了するとハローワークから教育訓練経費の50%が支給される制度です。さらに条件を満たした場合は支給率が70%となります。

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1.専門実践教育訓練給付金の概要

専門実践教育訓練給付金は雇用保険の教育訓練給付の一つであり、2014年(平成26年)10月1日に創設された制度です。原則として1年以上4年以内の長期の教育訓練を想定した制度で、学校に通いながら半年ごとに支給を受けるものです。

まず、厚生労働大臣が指定した専門実践教育訓練を申し込み、最初に入学料と半年分の受講料を支払います。その後、6か月ごとにハローワークに出頭して支給申請をすると、6か月分の専門実践教育訓練給付金(6か月間に支払った費用の50%)が支給されます。

また、専門実践教育訓練を修了してから1年以内に資格を取得し、一般被保険者として雇用された場合、さらに20%に相当する額が追加して支給されます(あわせて70%)。これを追加給付ということがあります。

専門実践教育訓練給付金は、国(ハローワーク)が雇用保険の失業等給付として実施する教育訓練給付です。正式名称は「専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金」です(雇用保険法施行規則第101条の2の12)。

ハローワークの教育訓練給付について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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2.専門実践教育訓練給付金の手続きの流れ

講座を申し込んだだけでは支給されません。専門実践教育訓練給付金を申請するには受講証明書または修了証明書の提出が必要となります。

専門実践教育訓練給付金の手続き
  • Step
    受給資格確認(必須)

    ・ジョブ・カードを事前に作成しておく
    ・訓練前キャリアコンサルティングを受ける(受講開始前の1年以内)
    ・ジョブ・カードを、キャリアコンサルタントのチェックを受けて完成させる
    ・受講開始の1か月前までにハローワークで受給資格の確認を受ける

  • Step
    専門実践教育訓練の申し込み

    ・専門実践教育訓練の申込をする(入学金等をいったん全額支払う)。

  • Step
    専門実践教育訓練の受講と給付金の申請

    ・6か月ごとに、ハローワークで支給申請を行う。
    ・支給決定後7日以内に口座振り込み(50%給付)

  • Step
    追加給付(条件を満たした場合)

    ・教育訓練の修了、資格の取得、一般被保険者としての就職をしたら、ハローワークで追加給付の支給申請を行う。
    ・支給決定後7日以内に口座振り込み(20%給付)

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3.専門実践教育訓練とは

専門実践教育訓練とは、民間事業者の行う講座のうち、難関の資格取得を目標とする講座、専門学校の職業実践専門課程、専門職大学院など、中長期的なキャリア形成を支援する専門的・実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定したものをいいます。

専門実践教育訓練指定講座についてはハローワークで閲覧できるほか、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で探すこともできます。

4.教育訓練支援給付金について

教育訓練支援給付金との併用について

専門実践教育訓練給付金の受給資格者のうち、受講開始時の年齢が45歳未満の失業者の場合、失業中の生活を支援するため、基本手当日額の80%を支給する教育訓練支援給付金の制度があります。専門実践教育訓練給付金を6か月ごとに受給するのと同時に、2か月ごとに教育訓練支援給付金を受給することができます。

教育訓練支援給付金について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

年齢制限、回数制限など

専門実践教育訓練給付金のみの受給の場合、年齢制限、回数制限はありません(給付金額の上限はあります)。ただし、2回目以降の受給の場合は、前回の受給から3年以上経過している必要があります。

教育訓練支援給付金を受給する場合は受講開始時の年齢が45歳未満の制限があり、人生で1回限りです。

5.50%の給付金が支給されるための条件

専門実践教育訓練給付金(50%)の支給を受けるためには、雇用保険に加入し、過去3年間給付を受けていないことが条件となります。

専門実践教育訓練給付金(50%)の支給条件

  • 雇用保険に原則として3年以上加入している(初回の場合は2年以上)
  • 在職者または1年以内の離職者
  • 3年以内に給付を受けていないこと
  • 専門実践教育訓練を、修了の見込みをもって受講していること(または修了したこと)

雇用保険に原則として3年以上加入している

教育訓練の受講開始日までの間に雇用保険に加入していた期間を「支給要件期間」といいますが、支給要件期間が3年以上であることが条件となっています。ただし、2014年(平成26年)10月1日以降に教育訓練給付金を受給したことがなく、初めて専門実践教育訓練給付金を受給する場合、支給要件期間は3年ではなく、2年でよいです。

この支給要件期間は、同一の事業主である必要はなく、転職しても通算されます。しかし、雇用保険の被保険者になっていた期間が全て通算されるのではなく、1年以上雇用保険に加入していない未加入期間があると、それ以前の期間は通算されません。

在職者または1年以内の離職者

専門一般教育訓練の受講開始日に、雇用保険の被保険者である人(在職者)または被保険者であった人(離職者)に限られます。離職者だけでなく、現在在職している人も対象となります。受講開始日までに雇用保険に加入したことが無い人は対象とはなりません。

なお、離職者については、離職の翌日から1年以内(最大20年以内)に限ります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

3年以内に給付を受けていないこと

2014年(平成26年)10月1日以降、教育訓練給付金を受給したことがある場合は、前回の教育訓練給付金の支給決定日から今回受講開始日前までに3年以上経過していることが必要です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

修了の見込みをもって受講していること(または修了したこと)

専門実践教育訓練が始まる前に教育訓練施設に対して受講申し込みをしますが、このとき、教育訓練施設に対して入学料と初回の受講料をいったん支払います。講座を申し込んだだけでは支給されません。

専門実践教育訓練給付金を受給できるのは、修了の見込みをもって受講している人と、修了した人のみです。専門実践教育訓練給付金を申請するには、6か月ごとに、各講座で定められた受講認定基準または修了認定基準(出席率、確認テスト、レポート、修了試験など)をクリアし、教育訓練施設に「修了の見込みがあること」または「修了したこと」を認定してもらわなければなりません。

6か月間の授業の後、ハローワークで支給申請をすると6か月分が支給されます。

専門実践教育訓練給付金の支給申請には、教育訓練施設が発行する「教育訓練給付受講証明書」または「専門実践教育訓練修了証明書」の提出が必要となります。途中で教育訓練をやめてしまったり、成績不良などで修了の見込みがなくなった場合、それ以降は支給を受けることができなくなります。

6.専門実践教育訓練を受講する前の手続き(必須)

専門実践教育訓練の受講申し込みする前に、住居所を管轄するハローワークに行って、訓練前キャリアコンサルティング、ジョブ・カード作成、受給資格確認の手続きをする必要があります。この手続きは必須です。

これらの事前手続きを終えたことを証明する「教育訓練給付金受給資格者証」がなければ、専門実践教育訓練給付金の支給を受けることができません。

訓練前キャリアコンサルティング

専門実践教育訓練給付金の支給を受けたい人はあらかじめジョブ・カード(キャリアプラン、職務経歴、職業能力証明を記入する書類)を作成します。

そして、専門実践教育訓練の受講を前提として「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける必要があります。このとき、事前に作成したジョブ・カードの添削を受けながら、受講予定の専門実践教育訓練についてコンサルティングを受けます。ジョブ・カード作成の相談をすることも可能です。

訓練前キャリアコンサルティングは受講申し込みをする前に行います。訓練前キャリアコンサルティングと受給資格確認が終わるまで受講申し込みをしてはいけません。

受給資格確認、受給資格決定

専門実践教育訓練の受講開始1か月前までにハローワークに「受給資格確認票」を提出して、受給資格確認の手続きをしなければなりません。受給資格確認の手続きには、訓練前キャリアコンサルティングの時の担当コンサルタントが、受講予定の専門実践教育訓練についてのコメントを記載したジョブ・カードを提出します。

ハローワークで受給資格決定を受けると教育訓練給付金受給資格者証が交付されます。専門実践教育訓練給付金の支給申請には、教育訓練給付金受給資格者証を添付しなければなりません。

7.専門実践教育訓練給付金の計算方法

教育訓練経費の50%の場合

専門実践教育訓練給付金の支給額は、教育訓練経費の50%となります(追加給付の条件を満たして給付率が70%となる場合については後述)。

6か月ごとに計算して支給されます。ただし、支給額の上限は、40万円×年数(3年間の講座なら120万円)とし、4,000円を超えない場合は支給されません。また、支給限度期間(10年)の上限があります。

なお、専門実践教育訓練給付金の計算の基礎となる「教育訓練経費」は、本人が教育訓練施設に対して支払ったすべての経費ではありません。教育訓練経費の対象とならない経費を含めて給付金の支給申請をしてはいけません。

注:教育訓練経費の対象外の経費を含めて支給申請をすると不正受給となります。

長期専門実践教育訓練の場合

専門実践教育訓練給付⾦は原則として3年間支給されますが、4年課程の教育訓練(長期専門実践教育訓練)を受講する場合、4年目も支給されます。ただし、「4年目」の支給には条件があります。

8.専門実践教育訓練給付金の申請手続き

支給要件照会、受給資格確認

受給資格があるかどうかをハローワークで調べてもらうことができますので、あらかじめ確認しておいたほうが良いです。さらに、受講を希望する教育訓練講座が厚生労働大臣の指定を受けているかどうかについても、ハローワークに照会することができます。

専門実践教育訓練給付金の支給を受けたい人は、訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。そして、受講開始日の1か月前までに住所地を管轄するハローワークに行って、「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」を提出して、受給資格の確認を受けます。

専門実践教育訓練の申し込み

専門実践教育訓練の申込の際には、教育訓練施設に、「専門実践教育訓練給付金の受給資格がある」ことを必ず伝えてください。

専門実践教育訓練給付金の支給申請(50%)

専門実践教育訓練給付金の支給申請は、原則として受講開始の6か月ごとの期間(支給単位期間)の終了から1か月以内に、住居所を管轄するハローワークに行って「教育訓練給付金支給申請書」を提出します。このとき教育訓練施設が発行する「受講証明書」を添付します。

やむを得ない理由によりハローワークへの出頭が困難な場合は、代理人または郵送により手続きを行うことができます。

いつもらえるのか

ハローワークで支給が決定されたら、決定から7日以内に支給されます。専門実践教育訓練給付金は、支給決定を受けた本人の普通預(貯)金口座への口座振込みによって支給します。

9.追加給付の条件を満たした場合(70%)

専門実践教育訓練を修了し、あらかじめ定められた資格の取得等をし、受講修了日の翌日から起算して1年以内に雇用された場合または雇用されている場合、教育訓練経費の70%をあらためて計算します。

詳しくはこちらをご覧ください。

受講期間中にすでに50%に相当する額が支給されているので、その差額分(20%分)が一括で支給されます。ただし、70%に相当する額の上限は、56万円×年数(3年間の講座なら168万円)とし、4,000円を超えない場合は支給されません。

10.補足説明

他の教育訓練給付金との違い

他の給付金との違いについて、詳しくはこちらをご覧ください。

未支給の専門実践教育訓練給付金の請求

専門実践教育訓練給付金の支給を受けることができる者が支給されることなく死亡した場合、その遺族が専門実践教育訓練給付金の支給を請求することができます。

未支給の専門実践教育訓練給付金の請求について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

不正受給処分

偽りその他不正の行為により専門実践教育訓練給付金の支給を受けた場合、不正受給処分(返還命令、納付命令等)を受けます。不正受給処分について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

受給権の保護と非課税

専門実践教育訓練給付金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、差し押さえることができません。

また、専門実践教育訓練給付金は課税されません。つまり、専門実践教育訓練給付金の支給を受けたとしても、所得税、相続税、住民税等の税金は非課税となりますから、確定申告をする必要はありません。また、税法上の、扶養に入る際の配偶者控除や扶養控除の「所得金額」に含まれません。

ただし、社会保険(健康保険)の扶養については、専門実践教育訓練給付金は6か月ごとに支給されるものであり、恒常的、継続的に得られる収入に該当するため、非課税であっても原則として被扶養者の「年間収入」には含まれます。

注:税法上の「所得」には含まれませんが、専門実践教育訓練給付金は社会保険制度の「収入」には含まれます。

デメリットと注意点

教育訓練給付制度のデメリットと教育訓練を受ける前の注意点について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

法令の改正

支給要件期間

2017年(平成29年)までは、専門実践訓練給付金における支給要件期間は「10年以上」でしたが、2018年(平成30年)1月1日から「3年以上」になりました。

給付率の変更

2017年(平成29年)12月31日以前に受講開始した場合の、専門実践教育訓練給付金の支給額は、教育訓練経費の40%(年間上限32万円)となります。追加給付は、教育訓練経費の60%(年間上限48万円)です。

社労士過去問

教育訓練給付金の概要、支給日、支給方法に関する社労士試験の過去問について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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