教育訓練給付金の手続き(受給資格確認、支給申請)は原則として本人がハローワークに出頭して行いますが、やむを得ない理由がある場合はその理由を記載した書類を添付して、郵便、電子申請、代理で行うこともできます。
1.本人出頭の原則
特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金については教育訓練の受講を開始する日の1か月前までにハローワークに「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」を提出します。また、教育訓練給付金の支給を受けるにはハローワークに「教育訓練給付金支給申請書」を提出します。
教育訓練給付金関連の手続はお金にかかわる重要な事項なので、面倒であっても申請者本人がハローワークに出頭するのが原則です。手続きについて不明な点があれば職員に聞きながら記入することができ、書類の誤りがあればその場で修正することもできます。
2.郵便、電子申請、代理
教育訓練給付金の場合
教育訓練給付金(一般、特定一般、専門実践)の手続は、誰でも、代理人、郵送または電子申請によって行うことができます(令和6年2月1日改正)。
- 代理人による申請(提出代行を行う社会保険労務士を含む)
- 管轄ハローワークへ郵送
- 電子申請
教育訓練支援給付金の場合
教育訓練支援給付金の場合は代理人、郵送または電子申請が認められていません。それは、ハローワークに出頭することによって、失業状態=就労する能力がある状態であることの確認を受ける必要があるからです。
本人が出頭できなければ失業とは認められません。
3.郵送の場合
郵送にて提出を行う場合、本人の住居所管轄のハローワーク宛てに郵送します(「〇〇公共職業安定所 御中」で良い)。受給資格確認票や支給申請書の原本と、添付書類のコピーを添付します。
受給資格確認票や支給申請書には個人番号(マイナンバー)が含まれ、その添付書類にも個人情報が含まれるため、このような書類を普通郵便で送付するのは適切ではありません。郵便事故があってもハローワークは一切関知しません。申請書を誤って普通郵便で郵送しても受理してくれますが、郵送により申請を行う場合には事故防止のため、追跡可能な簡易書留等により提出します。
申請書にマイナンバーの記載があるにも関わらず、マイナンバー及び身元(実在)の確認を行うことのできる書類が添付していなかった場合は、郵送された書類はハローワークが一時的に預かり、マイナンバー及び身元(実在)確認書類を追加で提出することになります。マイナンバーの記載がない申請書を郵送した場合、既に雇用保険被保険者番号とマイナンバーの紐付けがなされている場合を除いて不受理となり返送されます。
4.代理人の場合
委任状
代理人を通じて個人番号(マイナンバー)を記載した申請書を提出する場合、申請者本人の個人番号等の確認書類のほか、本人と代理人の間柄、代理人の所属、代理申請の理由を明記した委任状と、代理人の身元(実在)を確認することのできる書類の写しが必要です。
なお、委任は申請者本人が代理人に対して提出代行を委託する意思表示(申請者本人と代理人の間の契約)であり、その委任状をハローワークに提出するからといって「〇〇公共職業安定所長 殿」などと記載してはいけません。
委任状の文例
委任状
令和XX年XX月XX日
私は(代理申請の理由)のため下記の者を代理人に定めて、(本人住居所管轄安定所)に教育訓練給付金支給申請書及び確認書類を提出することを委任します。
(本人住居所・氏名・印)
記
(代理人氏名)
(代理人住所)
(本人と代理人の間柄)
(代理人の所属)
ただし、社会保険労務士が提出代行を行う場合に、次の事項がすべて確認できれば、委任状の添付を省略してもかまいません。
委任状の添付を省略できる条件
- 社会保険労務士が提出代行をすること
- 申請書の備考欄又は欄外に、手書きの署名または昭和62年3月24日労徴発第18号に規定する定型印の押印があること
- 「個人番号の提供について代理人に委任する」旨の記載があること
- 申請者本人の署名、住所の記載及び押印があること
代理人になれない者
指定教育訓練実施者及び教育訓練施設、その販売代理店等(契約関係の有無及びいかなる名称によるかを問わず、販売代理店、販売取次店、販売代理員その他、支給申請に係る対象教育訓練を販売するすべての者)に所属する者及び訓練前キャリアコンサルティングを行った訓練対応キャリアコンサルタントを代理人とすることはできません。
5.電子申請の場合
電子申請は365日、24時間いつでも申請できるうえ、時間やコストの節減になります。
電子申請は、総務省オンライン総合窓口「e-Gov」で行います。e-Govで雇用保険関係手続きの電子申請を行うには電子署名が必要です。この電子署名を行うためには、あらかじめ厚生労働省が指定する認証局が発行する「電子証明書」を入手する必要があります。マイナンバーカード(個人番号カード)の発行の際に署名用電子証明書も発行されている場合はそれを利用することもできます。
ただし、ICカードの読み取りやスキャナのほか、パソコンのスキルが無いと難しいと思われます。電子申請より郵送するか、ハローワークに出頭したほうが早いと思います。電子申請について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
6.補足説明
支給要件照会の場合
支給要件照会も本人出頭のほか、代理人、郵送、電子申請によっても行うことができます。