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授業を欠席した場合の失業認定の基準、やむを得ない長期欠席の場合【教育訓練支援給付金】 _ pr
失業認定教育訓練支援給付金

授業を欠席した場合の失業認定の基準、やむを得ない長期欠席の場合【教育訓練支援給付金】

教育訓練を欠席した日は教育訓練支援給付金が支給されません。ただし、やむを得ない理由によって欠席した場合は失業が認定され、教育訓練支援給付金が支給されることがあります。

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1.失業の条件

労働の意思及び能力

教育訓練支援給付金の支給を受けるには、受給資格者本人が支給単位期間(約2か月)ごとに住居所管轄ハローワークに出頭し、失業の認定を受けなければなりません。失業が認定されなかった日については教育訓練支援給付金が支給されません。

失業とは、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいいます(雇用保険法第4条第3項)。労働の意思及び能力が無ければ失業不認定です。

出席率が8割以上

「労働の意思及び能力」があると確認されるためには、単にハローワークに出頭しているだけではなく、真に就職への意欲をもち、かつ、精神的、肉体的、環境的に労働の能力を有していることが必要です。

教育訓練支援給付金の受給資格者は、専門実践教育訓練を修了する意思をもって受講していれば「就職への意欲をもっている」と判断されます。原則として、専門実践教育訓練を受講した日が開講日数の8割以上(当該支給単位期間の出席率が8割以上)の場合に「労働の意思及び能力」があるものと推定されます。

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2.専門実践教育訓練を欠席した日

専門実践教育訓練を欠席した日については原則として失業の状態にない(労働の意思または能力がない)ものであり、失業不認定となります。

ただし、次の場合は労働の意思及び能力があるものとして失業認定されます。

失業認定される例

  • 大規模な災害が起こった等により訓練実施施設への通所が困難となっている場合
  • 裁判員等に選任された場合等
  • 教育訓練支援給付金の受給資格者本人が基本手当の認定日、教育訓練給付金の支給申請または教育訓練支援給付金の失業の認定日にハローワークに出頭する必要がある場合
  • 受給資格者がハローワーク指導により求職活動を行う場合若しくは紹介に応じて求人者に面接する場合または職業紹介事業者である教育訓練施設の指導により求職活動を行う場合若しくは紹介に応じて求人者に面接する場合

なお、1/2出席したと取り扱われた日は、失業の認定を受けた日数としては1日とします。

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3.出席できない状態が継続する場合

教育訓練に出席できない状態が継続する場合、その理由によって「労働の意思及び能力」を判断します。

就職の場合

就職により教育訓練に出席できない場合、失業しているとは言えないので、就職している日について失業不認定となります。ただし、一時的な就職に該当する場合は除きます。

出席率を満たさなくなった場合は、その支給単位期間以降不支給となります。

避けることができない事故の場合

病気その他の自己の都合による場合を除いて、天災その他避けることができない事故のために教育訓練に出席できない場合、出席する意思及び能力があるのに出席できないのですから、「労働の意思及び能力」があるものと推定されます。

したがって、その期間のすべての日について失業認定を行うことができます。

避けることができない事故:水害、火災、地震、暴風雨雪、暴動、交通事故等

14日以下の短期間の傷病の場合

疾病または負傷のために欠席した日は、その疾病または負傷のために労働をすることもできないということなので「労働の意思及び能力」が無いといえます。疾病または負傷のために教育訓練に出席できない期間が継続して14日以下であるときは、教育訓練に出席できなかった日について失業不認定とします。

出席できなかった日だけが失業不認定となるのであって、出席する義務が無い日(授業の無い休日など)については失業認定を行うことができます。

感染症等の場合は出席率の計算上「出席すべき日数」から除外することは可能ですが、出席率を満たさなくなった場合は、その支給単位期間以降不支給となります。

15日以上継続する場合

避けることができない事故以外の理由により、教育訓練に出席できない場合で、その期間が継続して15日以上であるときは、その期間のすべての日について、労働の能力がないものと判断されます。したがって、出席の義務があるか否かにかかわらず、その期間のすべての日について失業不認定となります。

疾病、負傷などのほか、感染症に感染して14日以内に治癒しなかった場合も不認定です。

感染症等の場合は出席率の計算上「出席すべき日数」から除外することは可能ですが、出席率を満たさなくなった場合は、その支給単位期間以降、教育訓練給付金は不支給となります。感染症の場合の失業認定日数の計算例はこちらの記事をご覧ください。

4.就職も教育訓練も困難な場合

疾病、負傷または産前産後のように、本人に固有の精神的、肉体的諸原因により通常のいかなる職業にも就くことができず(適職なし)、しかも、教育訓練施設に通うことができない状態の場合は「労働の能力」がないものと推定されます。

専門実践教育訓練の受講中に次のような事情があったときは失業不認定となります。なお、判定の困難な場合は、当該労働市場または近隣の労働市場において、雇用されることの可能性の有無を考慮して、雇用の可能性がないと認められる場合は、労働の能力がないものと推定します。

労働の能力が無いと推定される例

  • 高度または悪質伝染性の疾病、負傷
  • 高度の身体障害により常に介護を要する、労務に服することができない、または特殊の技能がなければ、就職も教育訓練も困難な状態である
  • 産前6週間以内の女子、産後8週間以内の女子
    • 産前6週間に至らない妊娠女子であっても、本人の身体の状況、当該労働市場または近隣の労働市場の通常の求人状況その他の事情を総合的に判断して、雇用の可能性がないと認められる場合は、労働の能力がないものと推定する
    • 産後の場合は、医師の証明のあるときは6週間以内

5.休業補償給付、傷病手当金などの支給を受けている場合

労働者災害補償保険法(労災保険)の規定による休業(補償)給付や、健康保険の傷病手当金等その他これに相当する給付の支給を受けている場合は、一般に労働の能力がないものと判断されます。

しかし、一日のうち一部の時間労働不能であることにより、労働基準法第76条の規定による休業補償、労働者災害補償保険法の規定による休業補償給付または休業給付の支給を受けている場合であって、医師の証明等により雇用保険の被保険者となりうる条件での労働の能力のあることが立証できるのであれば、これに該当しないことが推定されます。

なお、療養の状態が継続した期間が14日以内の場合には、出席率を満たせば失業認定を行うことができます。

6.基本手当の受給期間の延長事由が生じた場合

基本手当の受給資格者であって、妊娠、出産、育児等の理由により、基本手当の受給期間の延長を行った場合、以後基本手当は支給されません。そして、教育訓練支援給付金においても失業の認定を行うことができません。

続けて専門実践教育訓練を受講している場合であっても、その場合は労働の能力があるものと考えられ、基本手当を受給することができるので、教育訓練支援給付金は支給されません。

基本手当の受給期間の延長終了後の期間については、当該事由のため休学等し、当該専門実践教育訓練開始当初の修了予定日に修了することが見込まれなくなった場合、その見込まれなくなった日以降不支給となります。