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教育訓練支援給付金の制度をわかりやすく解説します【専門実践教育訓練】 _ pr
失業認定教育訓練支援給付金教育訓練給付金の概要

教育訓練支援給付金の制度をわかりやすく解説します【専門実践教育訓練】

教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練給付金の受給資格者で45歳未満の失業者の再就職を支援するため、基本手当日額の80%を支給する制度です。2か月ごとの失業認定を受ける必要があります。

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1.教育訓練支援給付金の概要

教育訓練「支援」給付金とは

教育訓練支援給付金は雇用保険の教育訓練給付の一つであり、2014年(平成26年)10月1日に創設された制度です。専門実践教育訓練給付金の受給資格者のうち、受講開始時の年齢が45歳未満で、受講する前から失業状態にある場合、2か月ごとに生活費を支援するための給付金です。

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受給資格確認を受けたうえで、専門実践教育訓練を受講すると2か月ごとに、失業認定を受けた日について基本手当の日額の80%がハローワークから支給されます。

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教育訓練支援給付金は、国(ハローワーク)が雇用保険の失業等給付として実施する教育訓練給付です。正式名称は「教育訓練支援給付金」です(雇用保険法附則第11条の2)。

他の教育訓練給付金との違い

他の教育訓練給付金との違いについて、詳しくはこちらをご覧ください。

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2.教育訓練支援給付金の手続きの流れ

専門実践教育訓練給付金の受給資格確認を受けていないのであれば、まず、専門実践教育訓練給付金の受給資格確認を受けます。

教育訓練支援給付金の手続き
  • Step
    受給資格確認(必須)

    専門実践教育訓練給付金の受給資格確認
    ・受講開始の1か月前までにハローワークで教育訓練支援給付金の受給資格の確認を受ける

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  • Step
    専門実践教育訓練の申し込み

    ・専門実践教育訓練の申込をする。

  • Step
    専門実践教育訓練の受講、失業認定、給付金の申請

    ・専門実践教育訓練を受講する。
    2か月ごとに、ハローワークで失業認定を受ける。
    ・失業認定・支給決定後7日以内に口座振り込み

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3.教育訓練支援給付金の特徴

期間限定の措置

教育訓練支援給付金は、2025年(令和7年)3月31日までに受講を開始した人に限られます。受講を「開始」すればよいので、修了が期限を超えてもかまいません。

対象は専門実践教育訓練だけ

教育訓練支援給付金の対象は専門実践教育訓練だけとなっています。専門実践教育訓練給付金を受給している人が対象で、専門実践教育訓練給付金は6か月ごと、教育訓練支援給付金は2か月ごとに支給されます。

一般教育訓練と特定一般教育訓練は対象外です。

参考法令
雇用保険法施行規則 附則第26条  法附則第十一条の二第一項の厚生労働省令で定める教育訓練は、第百一条の二の七第二号に規定する専門実践教育訓練とする。

専門実践教育訓練給付金について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

年齢制限、回数制限

教育訓練支援給付金は、基本手当が支給終了になったときに生活費を支援するための給付金であり、若年離職者が再就職しやすくする目的で給付されます。そのため、教育訓練支援給付金は受講開始年齢45歳未満の失業者に限られます。また、人生で1回限りです。一度、教育訓練支援給付金を受給すると二度と受給することができません。

専門実践教育訓練給付金を受給するだけの場合は在職中でもかまいませんし、年齢制限、回数制限もありません。45歳以上でも受給できます。

4.教育訓練支援給付金の受給資格

教育訓練支援給付金の受給資格が認められるには、次のような条件が必要となります。

教育訓練支援給付金の受給資格

  • 専門実践教育訓練給付金の受給資格者
  • 受講開始時45歳未満
  • 離職1年以内(適用対象期間の延長があった場合は最大4年以内)
  • 失業していること
  • 教育訓練給付を受けたことがないこと

専門実践教育訓練給付金の受給資格者

教育訓練支援給付金の支給を受けるには、専門実践教育訓練給付金の受給資格者でなければなりません。

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したがって、教育訓練支援給付金の受給資格を得るためには、その前に専門実践教育訓練給付金の受給資格の確認を受ける必要があります。

専門実践教育訓練給付金の受給資格がなくなれば、教育訓練支援給付金の受給資格もなくなります。

受講開始時45歳未満

教育訓練支援給付金は45歳以上は対象外です。なお、受講開始日において45歳未満であれば、受講中または修了後に45歳以上になっても構いません。

離職1年以内

雇用保険の被保険者であった離職者(失業者)で、一般被保険者でなくなった日から1年以内に専門実践教育訓練の受講を開始した人に限られます。受講開始日において一般被保険者(在職者)である場合は、その後離職するかどうかにかかわらず、教育訓練支援給付金を受けることができません。

離職して1年以内に専門実践教育訓練を開始することができない事由がある場合は、専門実践教育訓練給付金については適用対象期間の延長の手続を行えば、離職後最大20年まで延長することができ、教育訓練支援給付金の対象にもなります。

しかし、教育訓練支援給付金については離職後4年以内に受講を開始しなければ支給されません。適用対象期間の延長が最大20年認められたとしても、離職後4年を超える場合、教育訓練支援給付金の受給資格はありません。

失業していること

教育訓練支援給付金は、受給資格を有する者が労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、失業状態(職業に就くことのできない状態)にある日について支給を受けることができます。失業状態であることが条件であるため、雇用保険の一般被保険者のほか、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者、会社などの役員、自治体の長は給付を受けることができません。

失業していること

  • 一般被保険者ではなくなった後、短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者になっていないこと
  • 会社などの役員、自治体の長に就任していないこと
  • 受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制ではないこと

短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者

雇用保険の一般被保険者のほか、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者も教育訓練支援給付金の受給資格がありません。受給資格確認票を提出しても受給資格は否認されます。

教育訓練支援給付金は一般被保険者としての就職を目的とするものであることから、教育訓練支援給付金の受給資格を決定した日から受講開始日までに短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者となっていることが明らかになった場合、受給資格決定が取り消されます。受講開始日までに被保険者資格を喪失していたとしても、教育訓練支援給付金の受給資格が取り消されます(受給資格確認票を提出しなおす)。

会社の役員、地方自治体の長

会社の役員または地方自治体の長は教育訓練支援給付金の受給資格がありません。受給資格確認票を提出しても受給資格は否認されます。

会社の役員とは、株式会社または有限会社の取締役または監査役、合名会社の社員、合資会社の無限責任社員のことです。ただし、非常勤の取締役、監査役等であって、報酬を1日あたり内職収入の控除額(雇用保険法第19条第1項に規定する額)の範囲を超えて受けないことが確実と認められる場合を除きます。

会社の役員または地方自治体の長でなくなってから1か月以内に受給資格確認の手続を行うことは可能です。

通信制または夜間制ではないこと

専門実践教育訓練のなかには、夜間において教育訓練を行う教育訓練講座その他の就業を継続して教育訓練を受けることができるもの(通信制または夜間制)もあります。

専門実践教育訓練が通信制または夜間制の場合、昼間に働きながら受講することができるため、失業状態(職業に就くことのできない状態)とは言えません。そのため、教育訓練支援給付金の支給を受けることはできません(専門実践教育訓練給付金の支給を受けることはできます)。

ハローワークにおいて、専門実践教育訓練講座一覧及び本人への聞き取りから、夜間講座や通信講座等ではないかを確認します。夜間講座や通信講座等の場合、受給資格確認票を提出しても受給資格は否認されます。

教育訓練給付を受けたことがないこと

教育訓練支援給付金を過去に受給したことがある場合、再び教育訓練支援給付金を受給することはできません。

また、2014年(平成26年)10月1日以降で、今回の専門実践教育訓練の受講開始日より前に、一度でも教育訓練給付金(一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金)の支給を受けたことがある場合、教育訓練支援給付金は支給されません(専門実践教育訓練給付金のみ支給される)。

5.教育訓練支援給付金の金額の計算方法

原則として、給付金支給日額(基本手当の日額の80%)に、失業の認定を受けた日数をかけた額を、2か月ごとに計算して支給します。

教育訓練支援給付金=給付金支給日額×失業の認定を受けた日数

6.申請手続き、給付までの流れ

受給資格確認

専門実践教育訓練の受講開始1か月前までに、住居所を管轄するハローワーク「受給資格確認票」を提出して、受給資格確認の手続きをする必要があります。専門実践教育訓練給付金の受給資格があること、失業者であることなどを確認します。この手続きは必須です。

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ハローワークで受給資格決定を受けると教育訓練支援給付金受給資格者証が交付されます。教育訓練支援給付金の支給申請には、教育訓練支援給付金受給資格者証を添付しなければなりません。

なお、受講開始日において一般被保険者でなくなるのであれば受給資格がありますが、「一般被保険者でなくなる予定」というだけでは、本当に一般被保険者の資格を喪失するかどうかが分からないので、その段階で受給資格確認票を提出しても受給資格は否認されます。

受講開始日の直前に離職した場合は、離職した後に受給資格確認票を提出します。この提出は受給資格確認の申請期限(受講開始日の1か月前)を過ぎてもかまいませんし、教育訓練の受講を開始した後でもかまいません。一般被保険者でなくなってから1か月以内に受給資格確認の手続を行えばよいです。

失業認定、支給申請

専門実践教育訓練給付金の受給資格者が教育訓練支援給付金を申請するには、受講を開始してから2か月ごとにハローワークに行って失業認定を受けます。

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失業認定日に出頭すること

専門実践教育訓練を受講しながら、原則として2か月に1回、本人の住居所管轄のハローワークに行って失業認定を受けることによって、教育訓練支援給付金(2か月分)を申請することができます。ハローワークに出頭する日(失業認定日)は毎回、ハローワークから指示があります。指定された日に出頭しなければなりません。

失業認定は、ハローワークが本人に会って労働の意思と能力があることを確認する手続きなので、本人が所定の認定日にハローワークに出頭するのが原則です。代理人は不可です

失業の認定を受けること

ハローワークで、失業が認定された日について2か月分の教育訓練支援給付金が支給されます。失業が認定されなかった日(就業していた日)については支給されません。

「失業」と認められるには、就業していないだけでなく「労働の意思及び能力を有する」状態でなければなりません。

いつもらえるのか

専門実践教育訓練を受講しながら、原則として2か月に1回、本人の住居所管轄のハローワークに行って失業認定を受けることによって、2か月ごとに給付金(2か月分)が支給されます。教育訓練支援給付金の振り込みは、目安として、失業認定日から土・日・休祝日・年末年始を除き金融機関の営業日で4~5日後となります。

7.教育訓練支援給付金の支給停止、支給されない日

待期期間7日

失業認定された日のうち最初の7日間については待期期間として教育訓練支援給付金が支給されません。待期7日間経過後に支給されます。

基本手当が支給される期間

雇用保険の基本手当と教育訓練支援給付金は支給目的が同じであるため、併用することができません。

雇用保険の基本手当が支給される期間は教育訓練支援給付金が支給されません。また、基本手当が支給されないこととされている期間は、教育訓練支援給付金も支給されません。

欠席した日、出席率が8割未満

教育訓練を欠席した日は教育訓練支援給付金が支給されません。ただし、やむを得ない理由によって欠席した場合は失業が認定され、教育訓練支援給付金が支給されることがあります。

また、ハローワークでは原則として、2か月間の出席率が8割以上であれば「適切に受講している」と認められます。

欠席が多く、2か月間の出席率が8割未満になった場合、支給停止となります。その2か月間について教育訓練支援給付金が支給されないだけでなく、それ以降も支給されなくなります。

ハローワークに出頭しなかった場合

指定された失業認定日にハローワークに行かなかった場合、失業認定を受ける予定であった2か月間全部について教育訓練支援給付金は支給されません。ただし、やむを得ない理由により認定日にハローワークに出頭することができない場合は、当該理由がやんだ日の翌日以降7日以内に出頭します。

就職した場合

専門実践教育訓練を受けながら、雇用契約によって就労した場合、就労した日について失業不認定、つまり教育訓練支援給付金は支給されません。失業認定において「就職の申告」をしなければなりません。ただし、一時的な就職や、週の所定労働時間が短い雇用契約での就職は、教育訓練支援給付金の就職として申告する必要はありません。

原則として、週所定労働時間20時間以上のアルバイトは就職しているものとみなされます。週20時間未満であればアルバイトをしてもかまいません。

受給資格を失った場合

講座を辞めてしまったり、成績不良や休学等のため、修了する見込みがなくなった場合は専門実践教育訓練給付金が支給されなくなります。専門実践教育訓練給付金の受給資格を失うと教育訓練支援給付金も支給されなくなります。

教育訓練給付制度のデメリットと教育訓練を受ける前の注意点について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

8.補足説明

未支給の教育訓練支援給付金の請求

教育訓練支援給付金の支給を受けることができる者が支給されることなく死亡した場合、その遺族が教育訓練支援給付金の支給を請求することができます。

未支給の教育訓練支援給付金の請求について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

不正受給処分

偽りその他不正の行為により教育訓練支援給付金の支給を受けた場合、不正受給処分(返還命令、納付命令等)を受けます。不正受給処分について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

受給権の保護と非課税

教育訓練支援給付金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、差し押さえることができません。

また、専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金はいずれも課税されません。つまり、専門実践教育訓練給付金や教育訓練支援給付金の支給を受けたとしても、所得税、相続税、住民税等の税金は非課税となりますから、確定申告をする必要はありません。また、税法上、扶養に入る際の配偶者控除や扶養控除の「所得金額」に含まれません。

ただし、社会保険(健康保険)の扶養については、専門実践教育訓練給付金は6か月ごと、教育訓練支援給付金は2か月ごとに支給されるものであり、いずれも恒常的、継続的に得られる収入に該当するため、非課税であっても原則として被扶養者の「年間収入」には含まれます。

注:税法上の「所得」には含まれませんが、専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金は社会保険制度の「収入」には含まれます。

法令の改正に伴う変更

2017年(平成29年)12月31日以前に受講開始した場合の支給額は、基本手当の日額の50%となります。

社労士過去問

教育訓練支援給付金に関する社労士試験の過去問について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。