電子申請、郵送、代理人による申請について改正がありました。当サイトの記述は順次改訂していきます。
【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ pr
雇用保険の被保険者

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法

雇用保険では誕生日の「前日」に年齢が増える取り扱いをします。満65歳に達するのは65回目の誕生日の「前日」です。また、4月1日入社の人は、翌年3月31日に出勤した時点で満1年勤務したことになります。

スポンサーリンク

1.年齢計算の原則

明治35年に制定された「年齢計算ニ関スル法律(明治35年法律第50号)」によると、年齢は出生の日を起算日として、民法143条の規定によって計算すると定めています。

民法は原則として起算日に応当する日の前日が満了することをもってちょうど1年とします(民法第143条第2項)。つまり、生まれた日から誕生日の前日までをちょうど1年とし、誕生日の前日の24時に年齢が1つ増えるということです。

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ 285-1

一般的には、誕生日の当日に誕生日のお祝いをしますが、実際には誕生日の前日の24時に年齢が増えています。

参考法令
民法 第143条第2項  週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
年齢計算ニ関スル法律(明治35年法律第50号)  年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス  民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス  明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス
年齢のとなえ方に関する法律(昭和24年5月24日法律第96号)   この法律施行の日以後、国民は、年齢を数え年によつて言い表わす従来のならわしを改めて、年齢計算に関する法律(明治三十五年法律第五十号)の規定により算定した年数(一年に達しないときは、月数)によつてこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない。    この法律施行の日以後、国又は地方公共団体の機関が年齢を言い表わす場合においては、当該機関は、前項に規定する年数又は月数によつてこれを言い表わさなければならない。但し、特にやむを得ない事由により数え年によつて年齢を言い表わす場合においては、特にその旨を明示しなければならない。
スポンサーリンク

2.2月29日生まれの場合

うるう年の2月29日生まれの人は、4年ごとのうるう年であれば誕生日である2月29日(応当日)があるので、その前日である2月28日の24時に年齢が増えます。

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ 285-2

うるう年以外は2月29日(応当日)がありませんが、民法第143条第2項但書によると、応当日が無ければその月の末日に満了することになっています。つまり、2月が28日しかなければ2月28日の24時をもって年齢が増えるということになります。

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ 285-3

したがって、うるう年かどうかにかかわらず2月28日24時をもって年齢が増えるということになります。

参考法令
民法 第143条第2項  週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する
スポンサーリンク

3.雇用保険の場合の年齢計算

雇用保険をはじめ、社会保険・労働保険関係の年齢は誕生日の前日で満年齢を迎える取り扱いをすることになっています。24時になっていなくても前日に満年齢を迎えたものとして扱います。2月29日生まれの場合は2月28日に満年齢を迎えたものとして扱います。

65歳以上

例えば、1960年10月20日生まれの人は65年後の誕生日である2025年10月20日ではなく、その前日の10月19日で満65歳となります。さらにその前日である10月18日までが64歳です。

65歳以上の被保険者は高年齢被保険者となりますが(雇用保険法第37条の2第1項)、65歳以上とは、法律上満65歳になった日以降のことです。

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ 285-6

したがって、65回目の誕生日の前々日までが一般被保険者で、65回目の誕生日の前日から高年齢被保険者となります。

参考法令
雇用保険法 第37条の2第1項  六十五歳以上の被保険者(第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「高年齢被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、高年齢求職者給付金を支給する。

45歳未満

例えば、1980年10月20日生まれの人は45年後の誕生日である2025年10月20日ではなく、その前日の10月19日で満45歳となります。さらにその前日である10月18日までが44歳です。

教育訓練支援給付金は、教育訓練給付対象者が専門実践教育訓練の受講を開始した日における年齢が45歳未満である場合に限り支給されますが(雇用保険法附則第11条の2第1項)、45歳未満とは、法律上満45歳に達する前の日までのことです。

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ 285-7

したがって、45回目の誕生日の前々日までに受講を開始すれば教育訓練支援給付金の支給対象となります。45回目の誕生日の前日以降は支給対象外です。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第1項前段  教育訓練支援給付金は、教育訓練給付対象者(前条に規定する者のうち、第六十条の二第一項第二号に該当する者であつて、厚生労働省令で定めるものに限る。)であつて、厚生労働省令で定めるところにより、令和七年三月三十一日以前に同項に規定する教育訓練であつて厚生労働省令で定めるものを開始したもの(当該教育訓練を開始した日における年齢が四十五歳未満であるものに限る。)が、当該教育訓練を受けている日(当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされた日に限る。)のうち失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給する。

4.雇用保険の場合の期間計算

起算日から1年間とは、起算日の1年後の前日までのことです。2月29日が起算日である場合は翌年2月28日までとなります。

離職から1年以内

教育訓練給付対象者は、一般被保険者または高年齢被保険者の在職者と、「一般被保険者または高年齢被保険者でなくなった日から1年以内」の離職者です。一般的に、退職日まで被保険者資格があり、退職の翌日に被保険者資格を喪失します。

例えば、3月31日に退職した場合は4月1日が「一般被保険者または高年齢被保険者でなくなった日」です。そして、翌年3月31日までが「一般被保険者または高年齢被保険者でなくなった日から1年以内」です。

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ 285-8

退職後までの1年後までに教育訓練を開始すれば支給対象となります。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項第2号  二 前号に掲げる者以外の者であつて、基準日が当該基準日の直前の一般被保険者又は高年齢被保険者でなくなつた日から厚生労働省令で定める期間内にあるもの

1年以上雇用されるに至った日

「1年以上雇用されるに至った日」とは、雇用開始日から起算して1年間雇用された日のことであり、入社日の1年後の前日のことです。

4月1日に入社した場合、翌年3月31日まで働けばちょうど1年となります。3月31日に退職してもちょうど1年間(4月1日~翌年3月31日)働いたことになります。退職日に年次有給休暇などを取得してその日に出勤していなくても会社に在籍していて被保険者としての資格があれば1年間働いたことになります。

【期間計算】雇用保険の年齢は誕生日の前日に増える、満65歳の誕生日、1年間の計算方法 _ 285-5

短期雇用特例被保険者が1年間働いたら短期雇用特例被保険者ではなくなりますが、その1年間とは入社した日の1年後の前日のことです。4月1日に入社した場合、翌年3月30日までが短期雇用特例被保険者であり、3月31日に出勤した時点で一般被保険者に切り替わります。