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雇用保険の「一般被保険者」とは何か、教育訓練給付との関係について _ pr
雇用保険の被保険者

雇用保険の「一般被保険者」とは何か、教育訓練給付との関係について

雇用保険の一般被保険者は、65歳未満の常用労働者で短期雇用特例または日雇労働被保険者でない労働者です。教育訓練給付の支給対象であり、一般被保険者であった期間は支給要件期間に算入されます。

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1.雇用保険の一般被保険者

一般被保険者

雇用保険法の被保険者は、年齢や就労の実態に応じて4種類に分類されています。

一般被保険者とは、高年齢被保険者、特例被保険者及び日雇労働被保険者以外の被保険者をいい、具体的には、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上継続して雇用される見込みのある65歳未満の労働者です。

適用除外

雇用保険の被保険者のうち、短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者を除いて、65歳未満は一般被保険者、65歳以上は高年齢被保険者となります。

満65歳未満であっても、週の所定労働時間が20時間未満、継続して31日以上雇用されることが見込まれないなど雇用保険法適用除外の場合は一般被保険者にはなりません。

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2.一般被保険者と教育訓練給付

教育訓練給付対象者

雇用保険の一般被保険者は、教育訓練給付金の支給を受けることのできる「教育訓練給付対象者」に含まれます。現在、一般被保険者として雇用保険に加入している在職者と、一般被保険者でなくなってから1年以内の離職者が対象となります。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項  教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。 一 当該教育訓練を開始した日(以下この条において「基準日」という。)に一般被保険者(被保険者のうち、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者以外の者をいう。次号において同じ。)又は高年齢被保険者である者 二 前号に掲げる者以外の者であつて、基準日が当該基準日の直前の一般被保険者又は高年齢被保険者でなくなつた日から厚生労働省令で定める期間内にあるもの

支給要件期間に含まれる

教育訓練給付の支給を受けるための要件である支給要件期間に、一般被保険者であった期間も含まれます。

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3.一般被保険者資格の得喪

被保険者資格の取得

適用事業に雇用される労働者は適用除外でない限り、原則として雇用された日から、本人の意思のいかんにかかわらず法律上当然に被保険者となります。本人が拒否することはできません。

事業主は、65歳未満の労働者を雇用したときは、被保険者資格の取得の事実のあった日(就職した日)の翌月10日までに、「雇用保険被保険者資格取得届」をその事業所の所在地を管轄するハローワークに提出する義務があります。これによって雇用保険料が徴収されます。

資格取得届を受理したハローワークが被保険者資格の取得の事実があったことを認め、被保険者となったことの確認をしたときは、その旨を本人と事業主の両方に通知します。また、本人には雇用保険被保険者証(様式第7号)を交付します。本人に対する通知と被保険者証の交付は、当該事業主を通じて行うことができます。

資格取得届を受理したハローワークが被保険者資格の取得の事実がないと認める場合は、その旨を本人と事業主の両方に通知します。本人に対する通知は当該事業主を通じて行うことができます。

被保険者資格の喪失

被保険者は、離職した日の翌日、死亡した日の翌日から被保険者資格を喪失します。また、被保険者であった者が取締役等となった場合、週の所定労働時間が20時間未満となった場合には、それぞれ当該事実のあった日において被保険者資格を喪失します。

事業主は、被保険者資格の喪失の事実があった日の翌日から起算して10日以内に、「雇用保険被保険者資格喪失届」をその事業所の所在地を管轄するハローワークに提出する義務があります。

資格喪失届を受理したハローワークは、資格取得届を受理した場合に準じて通知その他の事務処理を行うほか、離職票の交付を行います。

遡及確認

厚生労働大臣は、事業主からの被保険者に関する届出や、被保険者または被保険者であった者からの確認の請求のほか、職権で、被保険者資格の取得または喪失の確認を行うことができます。被保険者資格の得喪は、事業主の届出に基づいて確認を行うことを原則としていますが、何らかの理由でこの届出がなかった場合には、被保険者の得喪があった日にさかのぼって確認します(遡及確認)。

雇用保険料が給与から天引きされていることを証明できるときは、その最も過去の日までさかのぼって、被保険者資格の取得があったものとみなします。被保険者となった日を確認することができないときは、雇用関係の存在を確認することができる最も過去の日まで(最大で2年前まで)さかのぼって、被保険者資格の取得があったものとみなします。

4.高年齢被保険者との関係

高年齢被保険者への切り替え

雇用保険の一般被保険者は64歳までです。

64歳まで一般被保険者として雇用されていた者が、引き続いて雇用され65歳に達した場合、65歳に達した日から自動的に高年齢被保険者となります。一般被保険者から高年齢被保険者へ切り替えるための事務手続きは不要です。

また、65歳になる前から雇用されていても一般被保険者の要件を満たしていなかった者が、引き続いて雇用され65歳に達した日以後に被保険者の要件を満たした場合は、その時点で高年齢被保険者となります。

なお、一般被保険者と高年齢被保険者とでは失業した時の給付は異なりますが、教育訓練給付については全く同じ扱いとなります。支給要件期間の計算においても合算されます。

年齢の数え方

雇用保険法の年齢は、誕生日の前日において満年齢に達するものとして計算します。「65歳に達する日」とは、満65歳になる誕生日の「前日」です。誕生日の当日に65歳になるわけではなく、誕生日の前日にすでに65歳になっているのです。一般的な感覚と1日ずれますので注意が必要です。

例えば、昭和27年10月1日に生まれた人は、65年後の平成29年9月30日に65歳に達したことになります。ちなみに2月29日生まれの人は、生まれた年の65年後がうるう年かどうかにかかわらず2月28日です。

したがって、65歳以上とは、生まれた日の65年後の誕生日の前日以降ということです。65歳未満とは、生まれた日の65年後の誕生日の前々日以前ということになります。

5.短期雇用特例被保険者からの切り替え

短期雇用特例被保険者が、雇用契約の変更等により、短期雇用特例被保険者の適用要件を満たさなくなった場合(週所定労働時間が30時間未満となった場合など)には、被保険者資格を喪失する一方、従事する業務の内容や雇用期間の変更等により一般被保険者の要件を満たす場合には、一般被保険者となる場合があります。

短期雇用特例被保険者が、同一の事業主に引き続いて雇用された期間(季節的に雇用される者については受給要件の緩和理由によって賃金の支払を受けることができなかった期間を除く。)が1年以上となるに至ったときは、その1年以上雇用されるに至った日に、一般被保険者(65歳以上の場合は高年齢被保険者)に切り替わります。

また、同一事業所に2回連続して1年未満の雇用期間(短期雇用特例被保険者)で雇用され、離職期間がいずれも30日未満であり、その都度特例一時金を受給しており、かつ、3回目も同一事業所に1年未満の雇用期間で雇用された者については、原則として、3回目以降は一般被保険者(65歳以上の場合は高年齢被保険者)となります。

6.日雇労働被保険者からの切り替え

日雇労働被保険者が、同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合または前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合は、日雇労働被保険者資格継続の認可を受けた場合を除き、一般被保険者、高年齢被保険者または短期雇用特例被保険者となります。