社労士試験対策

【社労士過去問】教育訓練支援給付金(令和3年問6-D、平成28年問6-E、平成27年問4-イ、平成27年選択式B)

社会保険労務士試験・雇用保険法の過去問の解説です。テーマは「教育訓練支援給付金」です。この分野からは過去に令和3年択一問6選択肢D、平成28年択一問6選択肢E、平成27年択一問4選択肢イ、平成27年選択式Bで出題されています。

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1.社労士過去問分析

「教育訓練支援給付金」の論点

「教育訓練支援給付金」については、次の論点を押さえておくとよいでしょう。

  • 教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練給付金の受給資格がある者が失業の認定を受けた日について、専門実践教育訓練の受講中の生活支援として支給される。2か月ごとに基本手当日額の8割が支給される。
  • 一度、教育訓練給付金や教育訓練支援給付金を受給すると、二度と教育訓練支援給付金は支給されなくなる。
  • 45歳未満(45回目の誕生日の前々日まで)の失業者で、一般被保険者でなくなった日から1年以内(適用対象期間の延長が認められた場合は最大4年以内)に受講を開始する。
  • 雇用保険の基本手当が支給される日は教育訓練支援給付金は支給されない。待機期間のように基本手当が支給されないこととされている日も、教育訓練支援給付金は支給されない。教育訓練支援給付金が支給されない日についても失業認定を受けなければならない。

社労士試験では過去に次のような問題が出題されています。なお、教育訓練支援給付金は平成26年10月1日からスタートした制度です。

  • 令和3年択一問6選択肢D
    教育訓練支援給付金の45歳未満の年齢制限
  • 平成28年択一問6選択肢E
    教育訓練支援給付金の待期期間
  • 平成27年択一問4選択肢イ
    教育訓練支援給付金が支給される条件
  • 平成27年選択式B
    教育訓練支援給付金の計算方法

当サイト解説記事

社労士試験について

社会保険労務士試験について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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2.令和3年択一問6選択肢D

令和3年(2021年実施、第53回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問6の選択肢Dです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Dのみ抜粋)

〔問 6〕教育訓練給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問において、「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練のことをいう。

 専門実践教育訓練を開始した日における年齢が45歳以上の者は、教育訓練支援給付金を受けることができない。

正解

選択肢Dの記述は正しいです。

解説

教育訓練支援給付金

教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練給付金の受給資格者が失業中である場合に、専門実践教育訓練の受講を支援するために2か月ごとに基本手当日額の80%が支給される給付金です。

教育訓練支援給付金を受給できるのは専門実践教育訓練を受講している人(専門実践教育訓練給付金の受給資格のある人)に限られます。

45歳以上、45歳未満

教育訓練支援給付金は、若年離職者の再就職や、若年非正規雇用労働者のキャリアチェンジ(正規雇用への転換)を促進するための給付金であるため、45歳未満(45回目の誕生日の前々日まで)の年齢制限があります。

専門実践教育訓練の受講開始日に45歳未満の場合に支給されますから、受講開始日に45歳以上(満45歳を含む)の場合は支給されません。

基準は受講開始日

年齢は受講開始日を基準とするので、受講開始日において45歳未満であればよく、受講を開始した後に45歳以上になっても構いません。この場合、45歳になった日以降も教育訓練支援給付金は支給されます。

正解と法的根拠

以上のことは、雇用保険法附則第11条の2第1項に規定されています。したがって、専門実践教育訓練を開始した日における年齢が45歳以上の者は、教育訓練支援給付金を受けることができませんので、選択肢Dの記述は正しいと言えます。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第1項前段

教育訓練支援給付金は、教育訓練給付対象者(前条に規定する者のうち、第六十条の二第一項第二号に該当する者であつて、厚生労働省令で定めるものに限る。)であつて、厚生労働省令で定めるところにより、令和七年三月三十一日以前に同項に規定する教育訓練であつて厚生労働省令で定めるものを開始したもの(当該教育訓練を開始した日における年齢が四十五歳未満であるものに限る。)が、当該教育訓練を受けている日(当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされた日に限る。)のうち失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給する。
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3.平成28年択一問6選択肢E

平成28年(2016年実施、第48回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問6の選択肢Eです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Eのみ抜粋)

〔問 6〕専門実践教育訓練に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 受給資格者が基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日が通算して7日に満たない間であっても、他の要件を満たす限り、専門実践教育に係る教育訓練支援給付金が支給される。

正解

選択肢Eの記述は誤りです。

解説

基本手当の待期

雇用保険法で単に「受給資格者」というときは、基本手当の受給資格を有する者のことです(雇用保険法第15条)。基本手当は、離職後ハローワークに出頭し、求職申し込みをしたうえで失業していることについての認定を受けた日について支給されます。

参考法令
雇用保険法 第15条第1項

基本手当は、受給資格を有する者(次節から第四節までを除き、以下「受給資格者」という。)が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。以下この款において同じ。)について支給する。

しかし、基本手当の受給資格者が離職後最初にハローワークに出頭して求職申し込みをした日以降において、失業の認定を受けた日が通算して7日に満たない場合は、基本手当が支給されません。この通算7日間の失業日のことを待期(たいき)と言います。

参考法令
雇用保険法 第21条

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

基本手当の待期と教育訓練支援給付金

教育訓練支援給付金は、教育訓練を受講している日のうち失業していることについての認定を受けた日について支給されます。しかし、基本手当が支給される期間のほか、基本手当の待期など基本手当を支給しないこととされている期間については、教育訓練支援給付金は支給されません。

正解と法的根拠

以上のことは雇用保険法附則第11条の2第4項、雇用保険法第21条に規定されています。したがって、選択肢Eの「失業している日が通算して7日に満たない間であっても、他の要件を満たす限り、専門実践教育に係る教育訓練支援給付金が支給される」という記述は誤りです。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第4項

基本手当が支給される期間及び第二十一条、第二十九条第一項(附則第五条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第三十二条第一項若しくは第二項又は第三十三条第一項の規定により基本手当を支給しないこととされる期間については、教育訓練支援給付金は、支給しない。

4.平成27年択一問4選択肢イ

平成27年(2015年実施、第47回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問4の選択肢イです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢イのみ抜粋)

〔問 4〕教育訓練給付に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
なお、本問において、「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練のことをいう。

 教育訓練支援給付金は、教育訓練給付の支給に係る教育訓練を修了してもなお失業している日について支給する。

正解

選択肢イの記述は誤りです。

解説

受講している日のうち失業している日

教育訓練支援給付金は受講中の生活を支援するための給付金であり、専門実践教育訓練を受けている日のうち失業している日について支給されます。

正確には、教育訓練支援給付金の受給資格者が、当該専門実践教育訓練を出席率80%以上で受講している期間(指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされた日)のうち、失業していることについての認定を受けた日について支給されます。

終了の場合の支給単位期間

教育訓練支援給付金は、受講開始日から「支給単位期間」である2か月間ごとに区切って金額を計算して支給されます。そして、専門実践教育訓練を終了する場合はその日までが支給単位期間となります。そのため、最後の支給単位期間は2か月より短くなることがあります。

最後の支給単位期間は専門実践教育訓練の終了日までで教育訓練を受講している日かつ失業している日について教育訓練支援給付金が支給されます。専門実践教育訓練を修了した後に支給されることはありません。

参考法令
雇用保険法施行規則 附則第27条第4項

この条及び附則第三十条において「支給単位期間」とは、専門実践教育訓練を受けている期間を、当該専門実践教育訓練を開始した日(提出期限日後に一般被保険者でなくなつた教育訓練支援給付金を受ける資格を有する者にあつては、前項により教育訓練支援給付金に係る受給資格を決定した日)から起算して二箇月を経過した日又は当該専門実践教育訓練を受講している期間において二箇月ごとにその日に応当し、かつ、当該専門実践教育訓練を受けている期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下この項において「訓練開始応当日」という。)からそれぞれ二箇月後の訓練開始応当日の前日(当該専門実践教育訓練を終了した日の属する月にあつては、当該専門実践教育訓練を終了した日)までの各期間に区分した場合における当該区分による一の期間をいう。

正解と法的根拠

以上のことは雇用保険法附則第11条の2第1項に規定されており、教育訓練支援給付金は専門実践教育訓練が終了した時点で支給されなくなります。したがって、「教育訓練を修了しても」支給されるとする選択肢イの記述は誤りです。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第1項前段

教育訓練支援給付金は、教育訓練給付対象者(前条に規定する者のうち、第六十条の二第一項第二号に該当する者であつて、厚生労働省令で定めるものに限る。)であつて、厚生労働省令で定めるところにより、令和七年三月三十一日以前に同項に規定する教育訓練であつて厚生労働省令で定めるものを開始したもの(当該教育訓練を開始した日における年齢が四十五歳未満であるものに限る。)が、当該教育訓練を受けている日(当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされた日に限る。)のうち失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給する。

5.平成27年選択式B

平成27年(2015年実施、第47回)社労士試験、選択式試験・雇用保険法Bです。

問題

問題文中の条文の文言は平成27年当時のものです。

選択式試験・雇用保険法(Bのみ抜粋)
次の文中の[   ]の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

雇用保険法附則第11条の2第3項は、「教育訓練支援給付金の額は、第17条に規定する賃金日額(以下この項において単に「賃金日額」という。)に100分の50(2,320円以上4,640円未満の賃金日額(その額が第18条の規定により変更されたときは、その変更された額)については100分の80、4,640円以上11,740円以下の賃金日額(その額が第18条の規定により変更されたときは、その変更された額)については100分の80から100分の50までの範囲で、賃金日額の逓増に応じ、逓減するように厚生労働省令で定める率)を乗じて得た金額に [ B ] を乗じて得た額とする。」と規定している。

空欄 [ ] の選択肢(平成27年当時のものです)

(1) 100分の30
(2) 100分の40
(3) 100分の50
(4) 100分の60

正解

出題当時「100分の50」が正解でしたが、現在は雇用保険法が改正されて「100分の80」が正解となります。

解説

空欄[ B ]は、教育訓練支援給付金の計算方法を定めた雇用保険法附則第11条の2第3項の条文の穴埋めです。出題当時の2015年(平成27年)と現在では、平均給与額が異なるので条文の金額も改正されていますが、教育訓練支援給付金の計算の仕方は変わっていません。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第3項(現在のもの)

教育訓練支援給付金の額は、第十七条に規定する賃金日額(以下この項において単に「賃金日額」という。)に百分の五十(二千四百六十円以上四千九百二十円未満の賃金日額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額)については百分の八十、四千九百二十円以上一万二千九十円以下の賃金日額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額)については百分の八十から百分の五十までの範囲で、賃金日額の逓増に応じ、逓減するように厚生労働省令で定める率)を乗じて得た金額に百分の八十を乗じて得た額とする。

教育訓練支援給付金は基本手当日額の80%です。そして、基本手当日額は賃金日額に50%~80%をかけて求めます。したがって、空欄Bは「100分の80」が正解です。

  • 教育訓練支援給付金=基本手当日額×80%
  • 基本手当日額=賃金日額×(50%~80%)

6.補足説明

教育訓練支援給付金への準用

基本手当と教育訓練支援給付金はいずれもハローワークで失業していることについての認定を受けた日について支給されます。基本手当の受給権が無い教育訓練支援給付金受給資格者もハローワークで失業認定を受けなければなりません。

雇用保険法第21条の規定は教育訓練支援給付金について準用されています。つまり、基本手当の受給権がなくても教育訓練支援給付金の受給資格者として、通算7日間の失業日も教育訓練支援給付金は支給されません。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第5項

第二十一条、第三十一条第一項及び第七十八条の規定は、教育訓練支援給付金について準用する。この場合において、第二十一条及び同項中「受給資格者」とあるのは「教育訓練支援給付金の支給を受けることができる者」と、同項中「死亡したため失業の認定」とあるのは「死亡したため附則第十一条の二第一項の失業していることについての認定」と、「について失業の認定」とあるのは「について同項の失業していることについての認定」と、第七十八条中「第十五条第四項第一号の規定により同条第二項に規定する失業の認定」とあるのは「附則第十一条の二第一項の失業していることについての認定」と読み替えるものとする。

支給されなくても認定は必要

教育訓練支援給付金は支給単位期間である2か月ごとに失業認定を受ける必要があります。

通算7日間とは、離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日から7日間経過すればいいということではありません。求職申し込み後、最初の失業認定日にハローワークに出頭し、2か月間の失業認定を受け、失業認定を受けた日のうち最初の7日分は教育訓練支援給付金が支給されないという意味です。

通算7日間の失業日は支給されませんが、失業していることについての認定を受けなければ「支給されない7日間」が確定しないので、失業の認定を受ける必要はあります。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)58552

58552(2)待期日数(抜粋)
安定所における教育訓練支援給付金の失業(傷病のため職業に就くことができない場合を含む。)の認定があって初めて失業の日又は疾病若しくは負傷のため職業に就くことができない日として認められるものであるから、教育訓練支援給付金の失業(傷病のため職業に就くことができない場合を含む。)の認定は待期の7日についても行われなければならない。
したがって、教育訓練支援給付金の受給資格の決定をした際に、受給資格者に待期の満了後あらためて出頭するよう指示するのは誤りであり、教育訓練支援給付金の受給資格の決定後、2か月に1回の教育訓練支援給付金の失業の認定日を定めて支援給付金受給資格者に知らせなければならない。
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