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専門実践教育訓練給付金教育訓練支援給付金教育訓練給付金の概要

教育訓練支援給付金と専門実践教育訓練給付金の違い、併用に関する注意点【比較】

専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金はいずれも専門実践教育訓練を受講した場合に支給される教育訓練給付ですが、給付目的が異なるため、制度も大きく異なります。

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1.専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金

概要

専門実践教育訓練給付金は、厚生労働大臣指定の専門実践教育訓練を修了の見込みをもって受講すると、6か月ごとに支払う教育訓練経費の50%(追加給付の条件を満たした場合は70%)が支給される制度です。

教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練給付金の受給資格者のうち、受講開始時の年齢が45歳未満の失業者の場合、失業中の生活を支援するため、基本手当日額の80%を支給する制度です。「教育訓練」支援給付金という名称ですが、対象となるのは「専門実践」教育訓練だけです。

専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金は厚生労働省・ハローワークが実施する雇用保険給付です。いずれも専門実践教育訓練を受講したときの給付金で、2014年(平成26年)10月1日に創設された制度です。

併用について

専門実践教育訓練給付金は学費の一部を支援するものであり、教育訓練支援給付金は毎月の生活費を支援するものです。

給付目的が異なるのでこれら2つの給付金を併用することができます。その場合、専門実践教育訓練給付金を6か月ごとに受給するのと同時に、2か月ごとに教育訓練支援給付金を受給することになります。

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一方の受給資格が無い場合

教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練給付金の受給資格がある失業者に限定して支給されます。

教育訓練支援給付金の受給資格が無い場合、専門実践教育訓練給付金だけ受給することは可能ですが、逆に、専門実践教育訓練給付金の受給資格が無い場合、教育訓練支援給付金の受給資格も無くなりますので、教育訓練支援給付金だけ受給することは不可です。

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2.受給資格に関する違い

年齢制限、受講開始日

教育訓練支援給付金を受給する場合は受講開始時の年齢が45歳未満でなければなりませんが、専門実践教育訓練給付金のみの受給の場合、年齢制限はありません。

また、教育訓練支援給付金は暫定措置であるため、2025年(令和7年)3月31日までに受講を開始しなければなりませんが、専門実践教育訓練給付金のみの受給の場合、受講開始日の制限はありません。

失業状態

専門実践教育訓練給付金は「失業等給付」の一つではありますが、失業者だけでなく在職者でも受給することができます。働きながら追加給付の条件を満たせば追加給付を受けることもできます。

教育訓練支援給付金は若年離職者の再就職を支援するのが目的なので失業者に限られます。

受給資格確認

専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練を受講する前にそれぞれ「受給資格確認」の手続きが必要です。

専門実践教育訓練給付金の受給資格確認は、訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作成したことを確認する手続きで、受講開始の1か月前までに行わなければなりません。

教育訓練支援給付金の受給資格確認は、専門実践教育訓練給付金の受給資格があることと、失業状態であることを確認する手続きで、原則として受講開始の1か月前までに行わなければなりません。

しかし、教育訓練支援給付金の受給は受講開始時点で失業している者に限られますが、受講開始の1か月前までに離職している必要はありません。受講開始直前(受講開始前1か月以内)に離職した場合は、離職した日の翌日から1か月以内に受給資格確認を行えばよいです。その場合、受給資格決定が受講開始後になることもあります。

すでに離職している場合は、専門実践教育訓練給付金の受給資格確認の申請と同時に、教育訓練支援給付金の受給資格確認を行うことができます。また、在職中に専門実践教育訓練給付金の受給資格確認を受けた後で、離職して教育訓練支援給付金の受給資格確認を受けることも可能です。

いずれの場合も、受給資格の決定を受けたら、共通の様式である「教育訓練給付金(第101条の2の7第2号関係)及び教育訓練支援給付金受給資格者証」が交付されます。

なお、専門実践教育訓練給付金の受給資格確認を代理人(提出代行を行う社会保険労務士を含む)によって行うことができますが、教育訓練支援給付金の受給資格確認は代理人によって行うことができません。

適用対象期間の延長

専門実践教育訓練給付金は通常1年間の適用対象期間を最大で20年まで延長することができます。

教育訓練支援給付金は専門実践教育訓練給付金の受給資格があれば受給できるので、適用対象期間の延長によって専門実践教育訓練給付金の支給を受けることができるのであれば、教育訓練支援給付金も支給対象となります。そのため、教育訓練支援給付金には延長の手続きがありません。

ただし、教育訓練支援給付金については、専門実践教育訓練給付金の適用対象期間を延長した場合(最大20年)であっても離職後4年以内に受講開始しないと支給されません。

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3.支給申請手続きに関する違い

支給単位期間

支給単位期間は給付金の計算期間であり、給付金が支給される間隔でもあります。

専門実践教育訓練給付金は6か月ごと(前期・後期)、教育訓練支援給付金は2か月ごとです。支給申請の際には、専門実践教育訓練給付金は6か月ごとに受講状況や訓練の到達状況を証明することが必要です。教育訓練支援給付金は2か月ごとの受講状況の証明をすることが必要です。

教育訓練支援給付金の受給資格者は、6か月ごとの専門実践教育訓練給付金の支給申請の際には、同時に教育訓練支援給付金も申請することになります。この場合、教育訓練支援給付金についてハローワークが2か月ごとに失業認定日を指定するので、できるだけ失業認定日にあわせて専門実践教育訓練給付金の支給申請も行います。

支給申請書の提出

専門実践教育訓練給付金の支給申請は、支給単位期間(6か月間)ごとにハローワークの指定する支給申請期間内(1か月)に「教育訓練給付金(第101条の2の7第2号関係)支給申請書」(様式第33号の2の4)を提出します。

教育訓練支援給付金の場合は失業認定を受けるため、ハローワークの指定する失業認定日に「教育訓練支援給付金受講証明書」(様式第33号の2の7)を提出します。

振込先口座の届出

専門実践教育訓練給付金の受給資格確認をするには、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(様式第33号の2の2)を提出しますが、受給資格確認票には「払渡希望金融機関指定届」の欄があります。専門実践教育訓練給付金を口座払いで受給する場合は、受給資格確認の際に本人の普通預(貯)金口座を「払渡希望金融機関指定届」の欄に記入することによって届け出ます。

その後、教育訓練支援給付金の受給資格確認をする場合、すでに専門実践教育訓練給付金の受給資格確認の際に振込先口座を届け出ていますので、あらためて届け出る必要はありません(空欄で良い)。

専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金を異なる口座にすることは認められませんし、いずれか一方だけ現金により支給することも認められません。

4.受講状況の証明に関する違い

受講証明書

専門実践教育訓練給付金の支給申請をするには、教育訓練給付金支給申請書に、専門実践教育訓練実施者が発行する「教育訓練給付(第101条の2の7第2号関係)受講証明書」または専門実践教育訓練修了証明書を添付します。

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教育訓練支援給付金の支給申請をするには、「教育訓練支援給付金受講証明書」(様式第33号の2の7)を提出します。教育訓練支援給付金受講証明書が支給申請書を兼ねています。

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受講証明書を提出する理由の違い

専門実践教育訓練給付金の受講証明書は、専門実践教育訓練給付金の支給条件である「専門実践教育訓練の受講状況が適切である」ことを証明するために提出します。具体的には修了の見込みをもって受講していることです。

授業に出席をしていても成績が悪ければ修了見込みとは認められません。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の3  法第六十条の二第一項の厚生労働省令で定める場合は、第百一条の二の七第二号に規定する専門実践教育訓練を受けている場合であつて、当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるときとする。

教育訓練支援給付金受講証明書は、教育訓練支援給付金の支給条件である失業状態(労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態)を証明するために提出します。専門実践教育訓練に出席することで「労働の意思及び能力を有する」と認められます。

成績が良くても、出席状況が悪いと「失業」とは認められません。

受講証明書が発行される条件の違い

専門実践教育訓練給付金の受講証明書は、専門実践教育訓練実施者があらかじめ定める受講・修了認定基準(受講状況や訓練の到達状況の要件)をクリアしたときに交付されます。

専門実践教育訓練実施者は、指定講座ごとに適切に設定された受講・修了認定基準に基づいて受講・修了認定を行います。当該基準は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで公開されているだけでなく、各教育訓練施設が作成した「専門実践教育訓練明示書」でも公開されています。また、大学等の場合は履修登録時に、各科目のシラバスによって公開されている場合もあります。

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各授業によって受講・修了認定基準は異なりますが、通常は授業回数の3分の2(66.7%)以上の出席を必須とし、定期試験やレポートによって60点以上の評点を得た場合に単位認定(受講認定基準クリア)とされます。出席率については、実習科目を5分の4(80%)とする場合もあり、このほか10分の7、4分の3、6分の5、全部出席を求める場合もあります。

授業態度が悪ければ欠席扱いと評価される場合もあるほか、レポートの全部提出や発表などを求められることもあります。

このように、専門実践教育訓練給付金は単に出席すれば良いというだけでなく、適切な授業態度で出席し、教育訓練の内容(技能または知識)を習得し、各教員の実施する試験等を受験し、一定の評価点を得なければなりません。

教育訓練支援給付金受講証明書は、失業認定のための書類であり、教育訓練の出席率が8割以上の場合に交付されます。授業の内容に関係なく、必ず「8割以上」です。教育訓練支援給付金は出席率だけが求められます。定期試験やレポートによる評価点は無関係です。

専門実践教育訓練給付金の出席率の基準が3分の2(66.7%)以上、教育訓練支援給付金の出席率の基準が8割以上と、出席率の基準が異なるので、専門実践教育訓練給付金は支給されても、出席率8割未満で教育訓練支援給付金の支給が停止される場合もあります。

逆に、出席率8割以上でも、成績不良で専門実践教育訓練給付金の支給が停止される場合もあります。

出席率の計算

専門実践教育訓練給付金は、授業ごとに習熟度を評価をするので、出席率も授業ごとに計算します。例えば、ある授業について「授業回数15回のうち10回出席」などです。

教育訓練支援給付金は、授業の種類に関係なく1日ごとに出席、欠席を判定して2か月全体の出席率をまとめて計算します。例えば、「開講日数40日のうち36日出席」などです。

遅刻、早退、公欠の扱い

専門実践教育訓練給付金の場合は、各授業によって遅刻や早退の扱いが異なります。

例えば、授業開始時より30分以内に入室した場合は「遅刻」とする、30分を越えて入室した場合は「欠席」とする、「遅刻」は3回で欠席1回とみなす、延着証明書や公欠を出席扱いとする、授業態度が不良の場合に欠席扱いとするなどの例があります。

教育訓練支援給付金の場合は出席と欠席のみで、遅刻や早退は認められません(遅刻や早退の時限は欠席扱い)。公欠という制度もありません。

5.専門実践教育訓練を途中で終了した場合

専門実践教育訓練給付金は、受講状況の証明がされた直近の支給単位期間まで支給対象となります。

教育訓練支援給付金は、訓練を終了した日まで支給対象となります。

6.他の給付金との併用

雇用保険(基本手当)との併用

専門実践教育訓練給付金は基本手当や傷病手当と関係なく受給できますが、教育訓練支援給付金は基本手当と併用できません。基本手当の受給が終わってから、教育訓練支援給付金が支給されます。

基本手当の受給中のため、教育訓練支援給付金の「支給」を受けることができない場合であっても、教育訓練支援給付金の「受給資格決定」を受けることは可能です。

ひとり親家庭給付金との併用

ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金は、受講開始日現在において専門実践教育訓練給付金の支給を受けることができない受給資格者は、教育訓練経費の60%です。ただし、支給額の上限は「20万円×修学年数」と「80万円」のうちの少ないほうとし、12,000円を超えない場合は支給されません。専門実践教育訓練給付金の支給を受けることができる場合はその差額となります。

専門実践教育訓練給付金の支給を受ける場合でも、高等職業訓練促進給付金の支給を受けることができます。教育訓練支援給付金の支給を受けている場合、高等職業訓練促進給付金等事業の支給対象とはなりません。