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留年、休学、途中で退学したら支給停止になります【修了証明書、受講証明書】 _ pr
申請手続き

留年、休学、途中で退学したら支給停止になります【修了証明書、受講証明書】

教育訓練給付は、厚生労働大臣指定の教育訓練を修了したかまたは修了の見込みをもって受講している場合に支給されます。修了または修了見込みの基準は教育訓練施設がそれぞれの講座ごとに決めています。

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1.教育訓練給付が支給される「修了」とは

教育訓練給付は、単に申し込みをするだけで支給されるのではなく、教育訓練の内容を習得したことに対して支給されます。受講者が教育訓練の内容を身に付けることによってキャリアアップにつながることから、国が職業安定施策として支給していることを理解しなければなりません。

一般教育訓練、特定一般教育訓練の場合

一般教育訓練と特定一般教育訓練は、当該訓練を修了した場合に給付されます。

終了」ではなく「修了」です。教育訓練の修了とは、文字通り学業を修めることであり、受講者が教育訓練の内容をすべて習得して終わることを意味しています。

受講する前に学則や教育規程等によって、受講の修了を認定する際の基準となる「修了認定基準」を明示し、その基準に基づいて、出席率や修了試験等の合否などの客観的な材料に基づき、修了の事実を適正に判断します。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項本文  教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。

専門実践教育訓練の場合

専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金は、当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるときに支給されます。この「受講状況が適切である」とは、教育訓練の修了の見込みがあることを意味しており、この場合も「終了」ではなく「修了」です。

受講する前に学則や教育規程等によって、修了が見込まれることを証明する際の基準となる「受講認定基準」と修了認定基準を明示し、その基準に基づいて、教育訓練給付金等の支給の期間(支給単位期間である6か月)ごとに訓練の受講状況や到達状況を確認し、教育訓練の修了に向けて適切に受講していることを確認します。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の3  法第六十条の二第一項の厚生労働省令で定める場合は、第百一条の二の七第二号に規定する専門実践教育訓練を受けている場合であつて、当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるときとする。
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2.修了証明書と受講証明書

一般教育訓練と特定一般教育訓練は最後に修了証明書が発行されます。専門実践教育訓練は6か月ごとに受講証明書、最後に修了証明書が発行されます。

修了証明書

修了証明書は、あらかじめ定められた受講期間内に、教育訓練施設があらかじめ定められた修了認定基準に照らすことによって、受講者の受講実績や修了試験等の合否などの客観的な材料に基づき、修了した事実を認定した場合に発行されます。

一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練においては、修了証明書が無ければ修了にかかる給付金は支給されません。また、資格試験等の合格が講座の目的である場合は、その資格試験等の受験をしなければなりません(受験予定でもよい)。

修了証明書に記載される受講修了日は、教育訓練施設が「修了」したことを確認し、受講修了日として証明する日です。

受講証明書

専門実践教育訓練は訓練期間が長期となるため、つねに受講状況を把握するとともに、支給単位期間である6か月ごとに、出席日数や定期テストによる得点、実習等における評価等について出席簿、成績簿等により確認し、修了の見込みを適正に判断します。そして、受講認定基準に照らして、修了の見込みがあると認定された場合に限り、受講証明書が発行されます。

修了の見込みがない場合、途中で終了した場合は発行されません。専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金は、受講証明書が無ければ支給されません。

証明書が絶対に必要です

認定の基準となる修了認定基準や受講認定基準は、教育訓練施設がそれぞれの講座ごとに設定しています。教育訓練施設があらかじめ定めた受講認定基準と修了認定基準を適用して、受講者ごとに受講状況を的確に把握した上で、修了が見込まれるか否か、または受講修了の認定の可否を判断し、認定された者に限って受講証明書や修了証明書が発行されます。

ハローワークは、受講者の受講状況や習熟度を把握することができないので、教育訓練給付金の支給申請には教育訓練施設が発行した証明書の提出が必要です。証明書なくして支給されることは絶対にありません。

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3.出席するだけではダメです

教育訓練給付金(一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金)の場合、受講認定基準または修了認定基準を満たして終了しなければなりません。

この「受講認定」または「修了認定」とは、出席率だけではありません

各科目の出席回数(例えば、授業回数15回のうち10回以上出席)のほか、授業中に担当の講師が実施する確認テストや単位認定試験の点数、レポート提出、発表の態度や受講の態度を総合的に評価して、一定以上の評価点(例えば、評点60点以上、優・良・可など)を得なければなりません。出席率が良くても成績が悪ければ不可です。

なお、出席率80%以上である必要もありません。通常は3分の2程度で良いです。ただし、教育訓練支援給付金を受給する場合を除きます(後述)。

4.留年、休学、退学の場合は「修了」ではない

途中で受講を中止した場合や当初予定されたとおりに適切に受講していない場合は原則として給付の対象とはなりません。それは、教育訓練の内容のすべてを適切かつ確実に習得した場合にはじめて、教育訓練の受講による職業能力開発の効果が確実なものとなり、雇用の安定及び就職の促進に結び付くのであり、不十分な状態でやめた場合に給付の対象とすることが不適切だからです。

退学の場合

出席率が悪すぎる場合、成績不十分のために修了認定基準をクリアできない場合や、途中で教育訓練の受講をやめた場合(退学した場合)、「修了」とは言えないので修了証明書は発行されません。教育訓練給付金は支給されません。

予定通りに修了できない場合(休学や留年等)

教育訓練はそれぞれ訓練期間が決まっています。各講座ごとに修了予定日が設定されており、当初予定されている修了予定日までに修了認定基準をクリアしなければ「修了」とはなりません。

休学や留年等のため受講開始当初に予定された受講期間内に修了できない場合は「修了」ではありません。予定通りに修了する見込みがなくなった時点で受講証明書は発行されなくなるので、給付金の支給が差し止めとなります(後述)。

仮に、復学や延長するなどして受講開始当初に予定された受講期間を超えて修了認定基準をクリアできたとしても修了証明書は発行されません。教育訓練給付金は支給されません。

5.認定されなかった場合

修了または修了の見込みが認定されなかった場合は、その事実と理由を文書により必ず通知することになっています。

修了が認定されない場合

教育訓練の「修了」が認定されなかった場合は教育訓練給付金は支給されません。もちろん受講料も返ってきません。

修了見込みが認定されない場合

専門実践教育訓練給付金の場合は修了の見込みがなくなった時点で支給されなくなるため、修了の見込みがなくなった支給単位期間以降、専門実践教育訓練給付金は支給されなくなります。また、途中でやめてしまったり、傷病等のため休学することとなった場合も以降の支給を受けることができません。

前述のとおり、補講(受講期間の延長)によって修了認定基準を満たしたとしても不支給です。

例えば、訓練期間が2年間の専門実践教育訓練で、成績不良のため1年目の期末に、「2年以内に修了することができない」ことが確定した場合、2つ目の支給単位期間終了時に修了の見込みがないため、受講証明書が発行されません。そのため、修了の見込みがなくなった2つ目の支給単位期間とそれ以降すべて不支給となります。

補講を受講して2年半で修了したとしても、支給されることはありません。

留年、休学、途中で退学したら支給停止になります【修了証明書、受講証明書】 _ 3312-2

返還しなくても良い

修了または修了見込みがないのに支給申請を行った場合は不正受給となり、返還する義務があります。

しかし、途中まで修了の見込みをもって受講している支給単位期間については専門実践教育訓練給付金の支給を受ける権利がありますので、すでに支給された給付金(修了の見込みがあると認定されて支給された給付金)については返還しなくてもよいです。その後の支給単位期間で修了または修了見込みが認定されなかったとしても不正受給には該当しません。

ただし、一度でも教育訓練給付金の支給を受けるとその後に退学等をした場合であっても、その支給決定日から3年間は教育訓練給付金が支給されなくなります。

6.不正受験の場合

修了試験や中間試験等について、教育訓練施設や販売代理店等から解答の提供を受けて受験した場合その他不正に受験した場合は、具体的な到達状況の確認ができません。習得状況を確認できないような不正な手段によって修了または修了見込みを認定してはいけません。

このような場合は、実質的に「修了」していないことから、受講証明書や修了証明書が交付されても教育訓練給付の支給申請を行うことはできません。

不正な手段によって修了または修了見込みを認定し、虚偽の受講証明書及び修了証明書を発行し、支給申請を行った場合には不正受給となり、教育訓練施設も連帯して責任を負います。

7.教育訓練支援給付金の場合

教育訓練支援給付金の場合は、2か月ごとに教育訓練支援給付金受講証明書が必要です。

教育訓練支援給付金を受給する場合は80%以上の出席率が必要です。欠席等が多く、一度でもある支給単位期間(2か月間)の出席率が80%未満になった場合、その支給単位期間以降の教育訓練支援給付金は支給されなくなります。

専門実践教育訓練を途中で休学することとなった場合等、休学により修了予定日に当該教育訓練を修了することが見込まれなくなった場合は、休学の初日を含む支給単位期間以降全期間が不支給となります。途中で終了した場合も、終了した日を含む支給単位期間以降不支給となります。

また、専門実践教育訓練を休まず受講している場合であっても、修了の見込みがないと判定された場合はその支給単位期間以降、教育訓練支援給付金が支給されなくなります。教育訓練支援給付金受講証明書の特記事項欄により修了の見込みがないとされた場合、その支給単位期間以降全期間が不支給となります。

8.補足説明

発行手数料は無料

教育訓練施設は、受講認定または修了認定したときは、受講証明書または修了証明書を無料で発行する義務があり、事務手数料を徴収してはいけないこととされています。

指定取り消しの場合

教育訓練の受講を開始した後に、その講座が厚生労働大臣の指定を取り消された場合であっても、当初の指定内容に沿った教育訓練が実施され、それを修了する見込みがある場合または修了した場合には、教育訓練を修了する見込みがあるまたは修了したものとみなされます。

転校または統合があった場合

対象教育訓練を同一内容の他の講座と統合する場合(届出が必要)や、異なる教育訓練施設の同一内容の対象教育訓練の間で受講者が転校する場合、転校・統合後の教育訓練施設の長が次の認定をした場合に、転校・統合後の対象教育訓練に係る対象教育訓練を修了したものとして修了証明書を発行することができます。

  • 転校・統合前後の対象教育訓練の内容や、対象教育訓練の課程の進行状況に基づいて、転校・統合前後の対象教育訓練の同一性・連続性があること(なお、一般的に、通信制と通学制の講座の間では同一性を認定できない。)
  • 転校・統合後の対象教育訓練の課程を修了した時点における受講者の達成状況が、転校・統合後の対象教育訓練を当初から受講して修了したものと同等であること
  • 転校・統合前の対象教育訓練の受講開始日現在で、転校・統合後の教育訓練が指定を受けていること(指定を受けていない講座に転校・統合しても教育訓練給付金は支給されない。)