教育訓練支援給付金法令解説・雑記

【法令解説】教育訓練支援給付金の読み替え規定と準用規定によって読み替えられる条文一覧

教育訓練支援給付金は時限措置であるため、教育訓練給付金の規定を準用または読み替えによって定められています。また、失業認定を要する給付金のため、基本手当の失業認定の規定が準用されています。

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1.教育訓練支援給付金について

教育訓練支援給付金は、雇用保険法附則第11条の2で規定されている時限措置です。2025年(令和7年)3月31日までに専門実践教育訓練の受講を開始した場合に支給されます。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第1項前段

教育訓練支援給付金は、教育訓練給付対象者(前条に規定する者のうち、第六十条の二第一項第二号に該当する者であつて、厚生労働省令で定めるものに限る。)であつて、厚生労働省令で定めるところにより、令和七年三月三十一日以前に同項に規定する教育訓練であつて厚生労働省令で定めるものを開始したもの(当該教育訓練を開始した日における年齢が四十五歳未満であるものに限る。)が、当該教育訓練を受けている日(当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされた日に限る。)のうち失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給する。

教育訓練支援給付金については、雇用保険法附則第11条の2第1項後段の読み替え規定のほか、同条第5項と雇用保険法施行規則第32条の準用規定があります。

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2.雇用保険法附則第11条の2第1項後段

雇用保険法附則第11条の2第1項後段は、おもに「教育訓練給付金」を「教育訓練給付金と教育訓練支援給付金」に読み替える規定です。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第1項後段

この場合における第十条第五項、第六十条の三及び第七十二条第一項の規定の適用については、第十条第五項中「教育訓練給付金」とあるのは「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金」と、第六十条の三第一項中「により教育訓練給付金」とあるのは「により教育訓練給付金又は教育訓練支援給付金」と、「、教育訓練給付金」とあるのは「、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金」と、同条第二項中「により教育訓練給付金」とあるのは「により教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金」と、同条第三項中「教育訓練給付金」とあるのは「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金」と、「前条第二項」とあるのは「前条第二項及び附則第十一条の二第一項」と、第七十二条第一項中「若しくは第二十四条の二第一項」とあるのは「、第二十四条の二第一項若しくは附則第十一条の二第一項」とする。

雇用保険法第10条第5項(定義)

教育訓練給付と教育訓練給付と教育訓練支援給付は異なることを表す規定となります。

参考法令
雇用保険法 第10条第5項(附則第11条の2第1項後段読み替え)

教育訓練給付は、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金とする。

雇用保険法第60条の3(不正受給処分)

不正受給処分の規定は教育訓練支援給付金にも適用されます(雇用保険法第60条の3)。

不正受給処分を受け、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金の支給を受けることができなくなった場合であっても、教育訓練給付金(教育訓練支援給付金を除く)については新たに支給要件を満たした場合は支給されます(第2項)。

しかし、第3項の読み替えにより「附則第十一条の二第一項の規定の適用については、当該給付金の支給があつたものとみなす」となり、教育訓練給付金の支給を受けたものとみなされます。教育訓練支援給付金については人生で1回限りなので、不正受給をしたら2度と支給されることはありません。

参考法令
雇用保険法 第60条の3(附則第11条の2第1項後段読み替え)

偽りその他不正の行為により教育訓練給付金又は教育訓練支援給付金の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付金の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金の全部又は一部を支給することができる。
2 前項の規定により教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金の支給を受けることができない者とされたものが、同項に規定する日以後、新たに教育訓練給付金の支給を受けることができる者となつた場合には、同項の規定にかかわらず、教育訓練給付金を支給する。
3 第一項の規定により教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金の支給を受けることができなくなつた場合においても、前条第二項及び附則第十一条の二第一項の規定の適用については、当該給付金の支給があつたものとみなす。

雇用保険法第72条第1項(労働政策審議会への諮問)

「附則第十一条の二第一項の者」とは、教育訓練支援給付金の給付対象者のことで、給付対象者(雇用保険法施行規則附則第25条)を定めるときは、あらかじめ労働政策審議会の意見を聴くことになっています。労働政策審議会は労使の代表、つまり雇用保険料を負担している人の代表です。

参考リンク

労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei_126980.html

参考法令
雇用保険法 第72条第1項(附則第11条の2第1項後段読み替え)

厚生労働大臣は、第二十四条の二第一項第二号、第二十五条第一項又は第二十七条第一項若しくは第二項の基準を政令で定めようとするとき、第十三条第一項、第二十条第一項若しくは第二項、第二十二条第二項、第三十七条の三第一項、第三十九条第一項、第六十一条の四第一項若しくは第六十一条の七第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の理由、第十三条第三項、第二十四条の二第一項若しくは附則第十一条の二第一項の者、第十八条第三項の算定方法、第二十四条の二第一項若しくは第五十六条の三第一項の基準、第二十四条の二第一項第三号の災害、第三十七条の五第一項第三号の時間数、第五十六条の三第一項第二号の就職が困難な者又は第六十一条の七第三項の規定により読み替えて適用する同条第一項の日を厚生労働省令で定めようとするとき、第十条の四第一項、第二十五条第三項、第二十六条第二項、第二十九条第二項、第三十二条第三項(第三十七条の四第六項及び第四十条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条第二項(第三十七条の四第六項及び第四十条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第五十二条第二項(第五十五条第四項において準用する場合を含む。)の基準又は第三十八条第一項第二号の時間数を定めようとするとき、その他この法律の施行に関する重要事項について決定しようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
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3.雇用保険法附則第11条の2第5項

雇用保険法附則第11条の2第5項は、教育訓練支援給付金の失業認定について、基本手当の失業認定の規定を準用するものです。

参考法令
雇用保険法 附則第11条の2第5項

第二十一条、第三十一条第一項及び第七十八条の規定は、教育訓練支援給付金について準用する。この場合において、第二十一条及び同項中「受給資格者」とあるのは「教育訓練支援給付金の支給を受けることができる者」と、同項中「死亡したため失業の認定」とあるのは「死亡したため附則第十一条の二第一項の失業していることについての認定」と、「について失業の認定」とあるのは「について同項の失業していることについての認定」と、第七十八条中「第十五条第四項第一号の規定により同条第二項に規定する失業の認定」とあるのは「附則第十一条の二第一項の失業していることについての認定」と読み替えるものとする。

雇用保険法第21条(待期)

待期期間は、失業認定を受けた日の最初の通算7日間です。

参考法令
雇用保険法 第21条(附則第11条の2第5項後段読み替え)

教育訓練支援給付金は、教育訓練支援給付金の支給を受けることができる者が当該教育訓練支援給付金の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

雇用保険法第31条第1項(未支給教育訓練給付金)

未支給の教育訓練支援給付金を申請する際に失業認定を受けていない場合は、失業認定を受けなければならないという規定です。

参考法令
雇用保険法 第31条第1項(附則第11条の2第5項後段読み替え)

第十条の三第一項の規定により、教育訓練支援給付金の支給を受けることができる者が死亡したため附則第十一条の二第一項の失業していることについての認定を受けることができなかつた期間に係る教育訓練支援給付金の支給を請求する者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該教育訓練支援給付金の支給を受けることができる者について同項の失業していることについての認定を受けなければならない。

雇用保険法第78条(診断)

教育訓練支援給付金の失業認定で必要がある場合、または、妊娠、出産、育児その他の理由により引き続き30日以上職業に就くことができないとの申し出をした場合は、ハローワークは医師の診断を受けるよう指示することができます。

参考法令
雇用保険法 第78条(附則第11条の2第5項後段読み替え)

行政庁は、教育訓練支援給付金の支給を行うため必要があると認めるときは、附則第十一条の二第一項の失業していることについての認定を受け、若しくは受けようとする者、第二十条第一項の規定による申出をした者又は傷病手当の支給を受け、若しくは受けようとする者に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。

4.雇用保険法施行規則附則第32条

雇用保険法施行規則附則第32条も基本手当の手続きを準用する規定です。

参考法令
雇用保険法施行規則 附則第32条

第二十条、第二十五条、第二十六条、第二十八条の四、第四十四条から第四十七条まで、第四十九条、第五十条及び第五十四条の規定は、教育訓練支援給付金の支給について準用する。この場合において、これらの規定中、「受給資格者」とあるのは「教育訓練支援給付金を受けることができる者」と、「法第十五条第四項第一号に該当する受給資格者」とあるのは「法第十五条第四項第一号に該当する教育訓練支援給付金を受けることができる者」と、「受給資格者証」とあるのは「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証」と、「受給資格通知」とあるのは「第百一条の二の十二第二項に規定する教育訓練受給資格通知」と、「法第十五条第四項第二号に該当する受給資格者」とあるのは「法第十五条第四項第二号に該当する教育訓練支援給付金を受けることができる者」と、「口座振込受給資格者」とあるのは「第四十四条第一項に規定する方法によつて教育訓練支援給付金の支給を受ける者」と、「第三十一条第一項」とあるのは「附則第十一条の二第五項において準用する法第三十一条第一項」と読み替えるものとする。

準用の概要

雇用保険法施行規則附則第32条で準用される規定は、次のような内容です。

  • 第20条(受給期間内に再就職した場合の受給手続)
    受給期間内に就職したときは、受給期間内に再び離職し、当該受給資格に基づき教育訓練支援給付金の支給を受ける場合のために、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証を保管すること。
  • 第25条、第26条(証明書による失業の認定)
    ハローワークに出頭できないことの証明書を提出して失業認定を受けようとするときは、その理由がやんだ後における最初の失業の認定日にハローワークに出頭して証明書を提出すること。
  • 第28条の4(年度の平均給与額の算定)
    教育訓練支援給付金の計算の基礎となる、年度の平均給与額は、平均定期給与額の4月分から翌年3月分までの各月分の合計額を12で割った額とすること。
  • 第44条(口座振り込みによる支給手続)
    口座振り込みによる支給、口座の変更のときは払渡希望金融機関指定届を提出すること。
  • 第45条(現金支給)
    やむを得ない理由があるときは現金支給も可能であること。
  • 第46条(代理人)
    やむを得ない理由によりハローワークに出頭することができないときは、委任状があれば、教育訓練支援給付金を代理人に支給することができること。
  • 第47条(未支給)
    未支給教育訓練支援給付金を請求するときの失業認定を受ける場合は、遺族がハローワークに出頭しなければならないが、やむを得ない理由があるときは遺族の代理人でもよいこと。
  • 第49条(氏名、住所若しくは居所又は電話番号の変更)
    氏名、住居所、電話番号を変更したときは失業認定日にハローワークに届け出ること。
  • 第50条(再交付)
    教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証はハローワークに申し出れば再交付できること。
  • 第54条(委嘱)
    管轄ハローワークが必要と認めるときは他のハローワークに事務を委嘱できること。
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