給付金額の計算方法

教育訓練経費の範囲と基準、「教育訓練経費」に含まれない費用の例

教育訓練経費とは教育訓練を受講する際に支払った入学金と授業料のことで、一般、特定一般、専門実践教育訓練給付金の算定の基礎となります。教育訓練経費以外の費用を含めて計算してはいけません。

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1.教育訓練給付金と教育訓練経費

教育訓練給付金の金額は、教育訓練経費に給付率をかけた金額です。小数点以下は切り捨てです。

教育訓練経費とは、訓練修了日までに教育訓練施設に対して支払義務が確定した費用のうち、受講者が自らの名において教育訓練施設に直接支払った入学料と受講料の合計です。いずれも消費税込みです。

教育訓練経費=入学料+受講料

教育訓練経費の金額は教育訓練実施者の証明(領収書等)が必要です。

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2.入学料と受講料

入学料

入学料とは、今回の教育訓練の受講開始に際して教育訓練実施者に納付する入学金および登録料のことです。

なお、受講者が、今回の教育訓練の受講にあたって入学料が免除される場合、免除された入学料を教育訓練経費に含めてはいけません。例えば、過去に同一の教育訓練施設の実施する講座を受講した際に入学料を納付したことがあるために今回免除される場合、過去に支払った入学料を今回の教育訓練経費に含めてはいけません。

受講料

受講料とは、受講に際して支払った受講費や必須の実習費その他受講に必要な費用のことです。

教科書代・教材費

受講料には、教育訓練の受講に必要な教科書代・教材費も含まれます。「テキスト代」「教科書代」など名称を問いません。

教科書・教材の費用については、それが真に受講に必須の教材(それがなければ受講が不可能)であって、かつ教育訓練施設が組織的に提供する必要があるものの費用が教育訓練経費に該当します。受講するに当たって全ての受講者が購入するものであり、希望者のみまたは一部の受講者のみ購入するものについては含まれません。

ただし、教育訓練施設が受講者に直接販売をして、教育訓練施設が領収書を発行できるもの(証明ができるもの)に限られます。全ての受講者が購入する必須の教科書や教材であっても、受講者が書店等で直接購入する場合や、書店等を介して教材の購入をする場合は、教育訓練施設が領収書を発行することができないので受講料には含まれません。

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3.教育訓練経費に含まれない費用

受講者が教育訓練施設に支払った費用であっても、次のような、入学料・受講料以外の費用は教育訓練経費ではありません。

教育訓練経費に含まれない費用の例

  • 検定試験の受験料
  • 受講にあたって必ずしも必要とされない補助教材費
  • 教育訓練施設が実施する各種行事の参加にかかる費用
  • 受講のための交通費、宿泊費、食事代、保険料等
  • 学校等に係る施設維持費
  • 学債等将来受講者に対して現金還付が予定されている費用
  • パソコン、タブレット端末、包丁、ハサミ等の講習修了後も利用価値や資産性のある器材費

教育訓練に必須でないもの

受講にあたって必ずしも必要とされない補助教材費は含まれません。一般的に教育訓練施設が推奨する辞典・六法全書のようなものは教育訓練施設を通じて販売した場合であっても、補助教材であり、教育訓練経費に含まれません。

また、学校指定制服やカバン等、教育訓練で掲げる資格の取得等に必須でないものも含まれません。

器材のレンタル料

パソコン等器材のレンタル料等は教育訓練経費に含まれません。

教育訓練施設が管理する器材を期間を定めて無料で貸し出しを行うこと(無料レンタル)は可能ですが、訓練修了時には返却されていなければなりません。訓練修了後に、貸し出したパソコン等の器材を受講者に無償で提供したり、市場流通価格に比して著しく安価で販売することは、実質的に受講料に器材費が含まれていることとなります。この場合は器材費を教育訓練経費から差し引いて申請しなければなりません。

未納の入学料・受講料

教育訓練給付金の支給を受けようとする支給申請者が、支給申請の時点で、教育訓練施設に対して未納としている入学料または受講料は教育訓練経費ではありません。

このため、クレジット会社を介して支払う契約が成立している場合を除き、未納である額を教育訓練経費に含めてはいけません。なお、支給申請が行われるまでの間に追納された額については、その事情を明記した上で領収書を発行します。

補講費などの追加費用

教育訓練期間内に行われた補講・追試等であっても、これに要する追加的な経費(補講費・追試験受験料等)は教育訓練経費に含まれません。

無関係な講義の費用

資格取得に直接つながらない講義(時間)の受講料は教育訓練経費に含まれません。

養成課程のなかで資格取得に直接つながらない講義(時間)が含まれる場合は、当該部分相当の授業料・実習費用等を学則等で定める授業料等から控除しなければなりません。

本人が負担していない費用

教育訓練経費は、支給対象者が自らの名において直接教育訓練実施者に支払った費用をいい、本人が負担していない金額は含まれません

入学料や受講料の全部または一部を事業主等が本人の代わりに支払った場合、その額は教育訓練経費とはなりません。事業主等が申請者に対して教育訓練の受講に伴い手当等を支給する場合であっても、その手当等のうち明らかに入学料または受講料以外に充てられる額を除き、教育訓練経費から差し引いて申請しなければなりません。

4.実質的な返還とみなされる場合

事前事後を問わず、受講者に対して何らかの利益を与えることにより、教育訓練経費について実質的な還元等を行った場合、還元等に係る費用は教育訓練経費に含まれません。この場合、教育訓練施設は当該還元等に係る額について「返還金明細書」を発行する義務があり(後述)、受講者はその額を差し引いて支給申請をしなければなりません。

還付

教育訓練施設、販売代理店または事業所等が、受講者に対して名目のいかんを問わず受講料の一定額を還付する措置を講じた場合は、実質的には受講料の値引きと同じです。この場合の教育訓練経費は、還付措置後の受講者自身が実際に負担した経費となります。

ただし、本人が事前に教育訓練施設に申し出ることにより還付措置や特典の付与を辞退した場合で、教育訓練施設が辞退を認めた場合を除きます。

教育訓練施設から物品等を受けた場合

書籍、物品、パソコン等の無償提供、廉価な販売など、教育訓練施設から物品または粗品等を受けた場合は、教育訓練経費から差し引いて申請しなければなりません。

ただし、教育訓練施設が本人に対し、クリアファイル等の安価な物品等を特典として付与する場合、物品または粗品等の合計が1,000円未満であれば教育訓練経費から差し引く必要はありません。

割引制度

地方公共団体の実施する公的な割引制度またはその他の割引制度が適用される場合、当該割引後の額が教育訓練経費となります。返金があった場合は、返金額を教育訓練経費から差し引いて申請しなければなりません。

セット販売による割引

セット販売に含まれる各講座の割引額が明らかとなっている場合は支給申請に係る指定教育訓練の割引額を教育訓練経費から差し引いて申請しなければなりません。

各講座の割引額が不明確であり、セット価格全体の割引額のみが表示されている場合は、セット価格全体の割引率をかけた額(控除額)を差し引いて教育訓練経費とします。控除額が小数の場合は小数第3位を四捨五入し小数第2位まで求め、教育訓練経費が小数の場合は小数点以下を切り捨てて整数とします。

控除額=当該教育訓練の通常価格 ×(セット価格全体の割引額/セットとなっている講座の通常価格の合計)
※控除額に1円未満の端数が生じる場合は、小数第3位を四捨五入し小数第2位まで求める。なお、この端数が生じる場合の取扱いについては、2012年(平成24年)10月1日以降に受講修了した者に適用する。

別講座受講時の割引

別の講座を受講したことによる特典として、今回の教育訓練が割引価格となった場合は、その割り引かれた金額を教育訓練経費から差し引いて申請しなければなりません。ただし、今回の教育訓練の受講による特典として、模擬試験等の別講座を割引価格にて受講した場合は、その割り引いた金額を教育訓練経費から差し引く必要はありません。

教育訓練施設が独自に発行したポイントを、次回別講座を申し込んだときの受講料にのみ使用できる場合も、割引と同様に考えます。

ポイント制度による還元

教育訓練施設が独自に発行したポイントが、次回別講座の受講料以外に補助教材、その他教育訓練施設内で販売されている商品の購入に利用できる場合は、教育訓練施設が独自に発行した金券を渡したのと実質的に同じです。この場合は、1ポイントあたりの価値を確認の上、教育訓練経費から差し引きます。

なお、教育訓練施設以外の会社が発行したポイント(教育訓練施設の費用負担のないもの)が付与される場合は差し引く必要はありません。また、教育訓練施設以外の会社が発行したポイント、電子マネー、商品券、有価証券等を教育訓練経費の支払いに用いる場合も、単なる支払いの手段にすぎないので差し引く必要はありません。

受講生紹介制度による還元

他人から紹介を受けたことにより、今回の教育訓練について本人に対して現金、金券または商品等の贈与、受講料の割引があった場合は、教育訓練経費から差し引きます。

今回の教育訓練の受講に係る受講生紹介制度により、紹介者に対して現金、金券または商品等の謝礼があった場合については、その謝礼が指定教育訓練の受講者に限定されずに一般受講者も対象となるときは原則として、教育訓練経費から差し引く必要はありません。

5.奨学金との併用について

教育訓練施設とその関係団体が行う奨学金制度で、名称の如何を問わず、受講者本人が負担すべき教育訓練経費(入学料及び受講料)に充てるべき性質を有する制度の場合は、返済義務があるかどうかで判断します。また、事業所その他の団体の奨学金制度を利用する場合も返済義務があるかどうかで判断します。

今回受講する教育訓練とは関係なく、もっぱら受講者の生活を支援する性質の奨学金の場合は、教育訓練経費から差し引く必要はありません。

返済義務のない奨学金が給付された場合

返還義務がない場合は実質的に割引または還元と同じであり、受講者が自らの名で支払った費用とは認められないことから、教育訓練経費から差し引く必要があります。

返済義務のある奨学金の場合

教育訓練施設とその関係団体が行う、返済義務のある貸与型の奨学金制度の場合は支払いが猶予されているのと実質的に同じであり、当該奨学金が支給申請までに返済された場合に教育訓練経費とすることができます。上記のとおり、未納の費用は教育訓練経費に含めることはできないので、返済されていない金額は差し引く必要があります。

なお、日本学生支援機構やあしなが育英会などの、教育訓練施設と無関係の団体が設けている返済義務のある奨学金については、教育訓練経費から差し引く必要はありません。

6.分割払い、クレジットの場合

教育訓練施設に対する分割払いの場合は割増しになった費用を教育訓練経費とすることはできますが、クレジット会社に対する分割払いの場合は分割手数料を教育訓練経費に含めてはいけません。

分割払い

受講者が入学料または受講料を分割払いで支払った場合でも、支給申請時までに支払った合計額が教育訓練経費となります。

一括払いで支払うよりも分割払いの総額が多くなる場合(分割払いの手数料を教育訓練施設に直接支払う場合)、分割払いによって割増しとなった額を教育訓練経費としても差し支えありません。ただし、その金額を教育訓練施設が証明した場合に限ります。

また、分割払いによって領収書が複数枚になってもかまいませんが、支給申請の際にはすべて提出しなければなりません。

クレジットカード払い

クレジットカードの利用等、クレジット会社を介して支払う契約を行う場合はクレジット契約が成立(カード決済)していればよく、クレジット会社への支払いが受講修了の後になってもかまいません。

ただし、クレジット会社に対する分割払い手数料(金利)は教育訓練施設に対して支払うものではないので教育訓練経費に該当しません

クレジットと奨学金の違い

クレジット払いの場合は、本人が実際にクレジット会社に対して返済したか否かに関わらず、教育訓練経費とすることが可能となっています。

これに対して、教育訓練施設とその関係団体の奨学金制度の場合はその旨を申告する義務があり、返済した金額のみ教育訓練経費となります。それは、教育訓練施設とその関係団体から直接給付を受ける場合、その奨学金の流れが不透明になるおそれがあるからです。

7.返還金明細書

領収書またはクレジット契約証明書の発行後に受講料の値引き等により一部還付があった場合であっても、領収書の金額を訂正することができません。

そのため、領収書またはクレジット契約証明書の発行後、受講料の値引き等により、教育訓練経費の一部が一般教育訓練実施者から本人に還付された(される)場合は、教育訓練施設が当該還付額とその理由等を明記した「返還金明細書」を受講者に対して発行し、支給申請の際に領収書等とともに提出しなければなりません。

8.不正受給

教育訓練経費とならない金額を含めて申請し、教育訓練給付金の支給を受けた場合は不正受給となります。還付額を差し引いて教育訓練経費を申告しなければ、不正受給となります。

教育訓練施設が、入学料または受講料を実質的に還付していた場合(モニター契約等の名目で他社とタイアップした形での販売方法も含む。)は、指定の取消し等が行われることになり、受給した金額の返還とさらにそれに加えて返還額の2倍の金額の納付を連帯して命ぜられる場合があります。

9.補足説明

異なる取り扱いの禁止

教育訓練給付対象者とそれ以外の受講者において、同一の講座で異なる教育訓練経費を設定することは許されません。教育訓練指定基準に違反しており指定取り消しとなります。

変更承認があった場合

厚生労働大臣により教育訓練経費の変更承認があった場合は、変更有効日以降の支給申請において変更後の金額が適用されます。

教育訓練支援給付金の場合

教育訓練支援給付金は教育訓練経費ではなく、賃金日額を基礎として計算します。

社労士過去問

教育訓練経費に関する社労士試験の過去問について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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教育訓練給付金.JP