2024年(令和6年)4月1日から、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の受講前に行う受給資格確認手続きの必要書類の提出期限が「受講開始1か月前」から「受講開始14日前」に緩和されました。
1.改正の要点
改正前
これまで、特定一般教育訓練(特定一般教育訓練給付金)、専門実践教育訓練(専門実践教育訓練給付金、教育訓練支援給付金)の受給資格確認については、原則として、訓練前キャリアコンサルティングを受けたうえで、教育訓練の受講開始日の原則1か月前までに必要書類をハローワークに提出する必要がありました。
改正後
2024年(令和6年)4月1日以降、必要書類の提出期限が「受講開始日の原則14日前まで」となりました。
雇用保険法施行規則の新旧対照
雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和6年3月27日厚生労働省令第57号、令和6年4月1日施行)による改正です。
特定一般教育訓練給付金(第101条の2の11の2)
参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の11の2第1項(抜粋)改正前
教育訓練給付対象者であつて、特定一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするもの(以下この条において「特定一般教育訓練受講予定者」という。)は、当該特定一般教育訓練を開始する日の一箇月前までに、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(様式第三十三号の二の二)に次の各号に掲げる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
雇用保険法施行規則 第101条の2の11の2第1項(抜粋)改正後
教育訓練給付対象者であつて、特定一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするもの(以下この条において「特定一般教育訓練受講予定者」という。)は、当該特定一般教育訓練を開始する日の十四日前までに、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(様式第三十三号の二の二)に次の各号に掲げる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
専門実践教育訓練給付金(第101条の2の12)
参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の12第1項(抜粋)改正前
教育訓練給付対象者であつて、専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするもの(以下この条において「専門実践教育訓練受講予定者」という。)は、当該専門実践教育訓練を開始する日の一箇月前までに、次の各号に掲げる書類及び運転免許証その他の専門実践教育訓練受講予定者が本人であることを確認することができる書類を添えて、又は次の各号に掲げる書類の添付に併せて個人番号カードを提示して教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(様式第三十三号の二の二)を管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
雇用保険法施行規則 第101条の2の12第1項(抜粋)改正後
教育訓練給付対象者であつて、専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするもの(以下この条において「専門実践教育訓練受講予定者」という。)は、当該専門実践教育訓練を開始する日の十四日前までに、次の各号に掲げる書類及び運転免許証その他の専門実践教育訓練受講予定者が本人であることを確認することができる書類を添えて、又は次の各号に掲げる書類の添付に併せて個人番号カードを提示して教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(様式第三十三号の二の二)を管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
教育訓練支援給付金(附則第27条)
参考法令
雇用保険法施行規則 附則第27条第1項(抜粋)改正前
教育訓練支援給付金の支給を受けようとする者(以下「教育訓練支援給付金受給予定者」という。)は、専門実践教育訓練を開始する日の一箇月前(以下「提出期限日」という。)まで(提出期限日後に一般被保険者でなくなつた教育訓練支援給付金受給予定者にあつては、一般被保険者でなくなつた日の翌日から一箇月を経過する日まで)に、管轄公共職業安定所に出頭し、次の各号に掲げる書類及び運転免許証その他の教育訓練支援給付金受給予定者本人であることを確認することができる書類を添えて又は次の各号に掲げる書類の添付に併せて個人番号カードを提示して教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票を提出しなければならない。
雇用保険法施行規則 附則第27条第1項(抜粋)改正後
教育訓練支援給付金の支給を受けようとする者(以下「教育訓練支援給付金受給予定者」という。)は、専門実践教育訓練を開始する日の十四日前まで(当該専門実践教育訓練を開始する日の一箇月前の日後に一般被保険者でなくなつた教育訓練支援給付金受給予定者にあつては、一般被保険者でなくなつた日の翌日から一箇月を経過する日まで)に、管轄公共職業安定所に出頭し、次の各号に掲げる書類及び運転免許証その他の教育訓練支援給付金受給予定者本人であることを確認することができる書類を添えて又は次の各号に掲げる書類の添付に併せて個人番号カードを提示して教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票を提出しなければならない。
2.手続きの解説
受給資格確認について
受給資格確認についての詳細はこれらの記事をご覧ください。
受給資格確認の手続きは、2024年(令和6年)2月1日以降、本人自らハローワークに出頭して行うほか、電子申請、郵送または代理人による申請が誰でも可能になりました。
3.手続きの期限まとめ
一般教育訓練給付金は受給資格確認の手続きはありません。
特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、教育訓練支援給付金の受給資格確認は「受講開始日の14日前まで」となります。
給付金の支給申請手続きについては「1か月」のままで変更はありません。
特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受給資格確認の手続きの前に、訓練対応キャリアコンサルタントから、就業に関する目標その他職業能力の開発及び向上に関する事項について訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作成する必要があります。この点も変更はありません。
4.受講開始日前の1か月以内に離職した場合
受講開始日の1か月前の日に被保険者であった人が、受講開始日までに被保険者でなくなった場合、提出期限を過ぎてもかまいませんので、被保険者でなくなった日の翌日(離職日の翌々日)から起算して1か月以内に受給資格確認票を提出すればよいです。
提出期限日は「14日前」に改正されましたが、この点については「1か月」のままで変更ありません。
参考法令
雇用保険法施行規則 附則第27条第1項(抜粋)改正後
教育訓練支援給付金の支給を受けようとする者(以下「教育訓練支援給付金受給予定者」という。)は、専門実践教育訓練を開始する日の十四日前まで(当該専門実践教育訓練を開始する日の一箇月前の日後に一般被保険者でなくなつた教育訓練支援給付金受給予定者にあつては、一般被保険者でなくなつた日の翌日から一箇月を経過する日まで)に、管轄公共職業安定所に出頭し、次の各号に掲げる書類及び運転免許証その他の教育訓練支援給付金受給予定者本人であることを確認することができる書類を添えて又は次の各号に掲げる書類の添付に併せて個人番号カードを提示して教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票を提出しなければならない。