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専門実践教育訓練の指定基準と資格一覧【専門実践教育訓練給付金対象講座】 _ pr
専門実践教育訓練給付金教育訓練の指定基準

専門実践教育訓練の指定基準と資格一覧【専門実践教育訓練給付金対象講座】

専門実践教育訓練とは、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練のうち中長期的なキャリア形成に資する専門的かつ実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練です。

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1.専門実践教育訓練給付金制度と指定基準

専門実践教育訓練とは、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練のうち中長期的なキャリア形成に資する専門的かつ実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練です(雇用保険法施行規則第101条の2の7第2号)。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の7第2号  二 支給要件期間が三年以上である者であつて、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練のうち中長期的なキャリア形成に資する専門的かつ実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練(以下「専門実践教育訓練」という。)を受け、修了した者(当該専門実践教育訓練を受けている者を含む。)(次号に掲げる者を除く。) 百分の五十

支給要件を満たす教育訓練給付対象者が、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みをもって適切に受講すれば、専門実践教育訓練給付金の支給を受けることができます。

教育訓練給付金対象講座として指定されるための基準(指定基準)は、厚生労働省告示として定められています。一般的な指定基準は次の通りです。

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2.専門実践教育訓練の目標資格の具体例

専門実践教育訓練には、次のような目標資格を設定している講座や、目標資格を定めず大学や大学院の学位を取得することを目標としている講座があります。

専門実践教育訓練の目標資格

  • シスコ技術者認定などでITSSレベル3以上の資格
  • 第四次産業革命スキル習得講座 (新技術・システム(クラウド、IoT、AI、データサイエンス)
  • 高度技術(ネットワーク、セキュリティ)など)
  • キャリアコンサルタント
  • 看護師、准看護師、助産師、保健師
  • 介護福祉士(実務者養成研修含む)
  • 美容師、理容師、保育士、栄養士
  • 歯科衛生士、歯科技工士、社会福祉士
  • 柔道整復師、精神保健福祉士
  • はり師、あん摩マッサージ指圧師
  • 臨床工学技士、言語聴覚士
  • 理学療法士、作業療法士、視能訓練士
  • 調理師
  • 製菓衛生師
  • 測量士補
  • 職業実践専門課程(商業実務、文化、工業、衛生、動物、情報、デザイン、自動車整備、土木・建築、スポーツ、旅行、服飾・家政、医療、経理・簿記、電気・電子、ビジネス、社会福祉、農業など)
  • 専門職学位課程(ビジネス・MOT、教職大学院、法科大学院など)
  • 職業実践力育成プログラム(保健、社会科学、工学・工業など)
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3.専門実践教育訓練の目標資格、対象講座

専門実践教育訓練の対象となるのは次の7つです。それぞれ、目標資格等に係る受験等の状況及びその結果等の実績からみて、当該教育訓練に十分な効果があると認められる講座である必要があります。

専門実践教育訓練の対象となる講座

  • 業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す養成施設の課程
  • 専門学校の職業実践専門課程、キャリア形成促進プログラム
  • 専門職大学院
  • 職業実践力育成プログラム
  • 情報通信技術に関する資格取得を目標とした課程
  • 第四次産業革命スキル習得講座
  • 専門職大学、専門職短期大学、専門職学科の課程

業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す養成施設の課程

看護師、介護福祉士、保育士、建築士など、業務独占資格または名称独占資格の取得を訓練目標とする養成課程で、教育訓練期間が1年以上3年以内のものが指定の対象となります。

  • 業務独占資格
    資格取得者以外の者に当該資格に係る業務の従事が法令で禁止されている資格https://ja.wikipedia.org/wiki/業務独占資格#業務独占資格の一覧
  • 名称独占資格
    資格取得者以外の者にその資格の名称の使用が法令で禁止されている資格https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:名称独占資格
  • 養成課程
    当該教育訓練の修了により公的職業資格を取得できる課程、公的職業資格試験の受験資格を取得できる課程または公的職業資格試験の一部免除となる課程
  • 公的職業資格
    国、地方公共団体、国から委託を受けた機関が、法令の規定に基づいて実施する資格または試験等

なお、業務独占資格、名称独占資格の取得を目標とする教育訓練であっても、養成課程ではなく、国家試験等の受験対策のみを目的とした教育訓練については、専門実践教育訓練の指定の対象とはなりません(特定一般教育訓練の対象になる)。

ただし、訓練期間が1年未満の養成課程であっても、次の課程で教育訓練の時間が120時間以上のものは対象となります。

1年未満でも専門実践教育訓練の対象となる

  • 社会福祉士短期養成課程:社会福祉士及び介護福祉士法第7条第2号に規定する社会福祉士短期養成施設等において実施する課程(6か月)
  • 精神保健福祉士短期養成課程:精神保健福祉士法第7条第2号に規定する精神保健福祉士短期養成施設等において実施する課程(6か月)
  • キャリアコンサルタント養成講習:職業能力開発促進法施行規則第48条の4第1項に規定する厚生労働大臣の認定を受けた講習(150時間)
  • 海技士短期養成課程:船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則第56条第1号に規定する第一種養成施設において実施する課程(4.5か月)
  • 介護福祉士実務者研修:社会福祉士及び介護福祉士法第40条第2項第5号に規定する養成施設等において実施する課程(介護福祉士国家試験の受験資格を得るための研修で、原則として450時間)

また、管理栄養士養成課程と、法令の規定により当該教育訓練に必要な最短の期間が3年とされている養成課程であって、定時制により当該教育訓練の期間が3年を超え4年以内となる養成課程を含みます。

3年超でも専門実践教育訓練の対象となる

  • 管理栄養士養成課程:栄養士法第5条の3第4号に規定する管理栄養士養成施設において実施する課程
  • 定時制の養成課程:法令の規定により訓練期間が3年と定められている養成課程で、定時制課程により訓練期間が3年を超え4年以内となる養成課程

専門学校の職業実践専門課程、キャリア形成促進プログラム

専門学校の職業実践専門課程は、訓練期間が2年の課程が指定の対象となります。
専門学校のキャリア形成促進プログラムは、専門課程の場合は訓練期間が1年以上2年未満、特別の課程の場合は訓練時間が120時間以上かつ期間が2年未満の課程が指定の対象となります。

  • 職業実践専門課程
    専修学校の専門課程のうち、企業等との密接な連携により、最新の実務の知識等を身に付けられるよう教育訓練を編成したものとして、専修学校の専門課程における職業実践専門課程の認定に関する規程(平成25年文部科学省告示第133号)に基づき文部科学大臣が認定した課程
  • キャリア形成促進プログラム
    専修学校の専門課程または特別の課程のうち、企業等との密接な連携により、最新の実務の知識等を身に付けられるよう教育訓練を編成したものとして、専修学校におけるキャリア形成促進プログラムの認定に関する規程(平成30年文部科学省告示第170号)に基づき文部科学大臣が認定した課程

専門職大学院

高度専門職業人の養成を目的とした、専門職大学院の専門職学位課程であって、当該教育訓練の期間が2年以内の課程が指定の対象となります。
ただし、資格の取得につながる場合は、訓練期間が3年以内でその取得に必要な最短の期間のものを含みます。

職業実践力育成プログラム

職業実践力育成プログラムのうち、特定の職業に関する実践的職業能力習得に資するものまたはキャリア形成上課題を有する労働者層の課題に即した就職促進・キャリア形成に資するものが指定の対象となります。
正規の課程の場合は当該教育訓練の期間が1年以上2年以内、特別の課程の場合は訓練時間が120時間以上かつ訓練期間が2年以内となります。

  • 職業実践力育成プログラム
    大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の正規の課程(専攻科、別科を含む)または特別の課程(履修証明プログラム)のうち、大学等における社会人の学び直しを推進するため、大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムとして、大学等における職業実践力育成プログラムの認定に関する規程(平成27年文部科学省告示第124号)に基づき文部科学大臣が認定した課程

情報通信技術に関する資格取得を目標とした課程

ITスキル標準(ITSS)レベル3相当以上の資格(高度情報通信技術資格)の取得を目標とする課程であり、当該教育訓練の時間が120時間以上かつ期間が2年以内のものが指定の対象となります。
ただし、ITSSレベル4相当以上の課程については、訓練時間が30時間以上かつ訓練期間が2年以内のものが対象になります。

第四次産業革命スキル習得講座

経済産業大臣が認定した第四次産業革命スキル習得講座のうち、ITSSレベル4相当以上で、訓練時間が30時間以上かつ訓練期間が2年以内のものが指定の対象となります。
ただし、平成30年4月1日指定分以降のものに限ります。

  • 第四次産業革命スキル習得講座
    高度IT分野等、将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野に関する社会人向けの専門的・実践的な教育訓練講座として、第四次産業革命スキル習得講座の認定に関する規程(平成29年経済産業省告示第182号)に基づき経済産業大臣が認定した課程のうち次に該当するもの
    ・同規程第2条第一号イ(情報処理の知識及び技術に関するもの)に該当する教育訓練
    ・同規程第2条第一号ロ(情報処理の知識及び技術の他の分野への活用に関するもの)に該当する教育訓練のうち、自動車モデルベース開発、自動運転、又は生産システム設計分野における情報処理の知識及び技術の活用に関するもの

専門職大学、専門職短期大学、専門職学科の課程

専門職大学の正規の課程(専攻科及び別科を除く)または、大学が大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)に基づき設置する専門職学科の課程については、教育訓練の期間が4年以内のものが指定の対象となります。

また、専門職短期大学の正規の課程(専攻科及び別科を除く)または、短期大学が短期大学設置基準(昭和50年文部省令第21号)に基づき設置する専門職学科の課程については、教育訓練の期間が3年以内のものが指定の対象となります。

4.必置資格は専門実践教育訓練の対象外

必置資格とは、業務独占資格及び名称独占資格以外で、法令の規定により当該資格を有する者の業務のために使用される場所等に配置することが義務付けられている資格のことです。

必置資格に関する養成課程は、専門実践教育訓練の対象ではありません。なお、「特定一般」教育訓練の指定基準を満たせば、特定一般教育訓練として指定されることはあります。

5.他の教育訓練との違い