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【社労士過去問】会社役員、団体役員、同居の親族の労働者性 _ pr
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【社労士過去問】会社役員、団体役員、同居の親族の労働者性

社会保険労務士試験・雇用保険法(択一式試験)の過去問の解説です。テーマは「会社役員、団体役員、同居の親族の労働者性」です。

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1.重要論点チェックテスト

会社役員、団体役員、同居の親族の労働者性」については、次の論点を押さえておくとよいでしょう。それぞれの質問をクリック(タップ)すると回答を見ることができます。

Q
会社の代表取締役は雇用保険の被保険者になりますか?
A

いいえ。会社の代表取締役のほか代表権を持つ者は雇用保険の被保険者とはなりません。

Q
法人の代表者と同居している親族は雇用保険の被保険者になる場合がありますか?
A

はい。個人事業の事業主や法人の代表者と同居している親族は、原則として被保険者となりませんが、実態により判断して雇用関係が明確である場合は被保険者となります。

Q
株式会社の代表ではない取締役が被保険者となる場合がありますか?
A

はい。代表ではない取締役も原則として雇用保険の被保険者となりませんが、取締役と同時に、当該会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有し、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強く、雇用関係があると認められる者は被保険者となります。

Q
監査役が被保険者となる場合がありますか?
A

はい。監査役も原則として雇用保険の被保険者となりませんが、名目的な監査役で、常態的に従業員として事業主との間に明確な雇用関係があると認められる場合は被保険者となります。

Q
合名会社、合資会社又は合同会社の社員が被保険者となる場合がありますか?
A

はい。合名会社、合資会社又は合同会社の社員は、株式会社の取締役(代表ではない取締役)と同様、労働者性が強く雇用関係があると認められるものは被保険者となります。

Q
NPO法人の役員は、必ず雇用保険の被保険者となりますか?
A

いいえ。農業協同組合、漁業協同組合、NPO法人その他の法人の役員は、雇用関係が明らかでない限り、雇用保険の被保険者となりません。

Q
法人格のない社団の役員は、必ず雇用保険の被保険者となりますか?
A

いいえ。法人格のない社団や財団の役員は、雇用関係が明らかでない限り、雇用保険の被保険者となりません。

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2.関連記事

当サイト解説記事

社労士試験について

社会保険労務士試験について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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3.過去問解説

令和5年択一問1選択肢A

令和5年(2023年実施、第55回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問1の選択肢Aです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Aのみ抜粋)  〔問 1〕雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。   名目的に就任している監査役であって、常態的に従業員として事業主との間に明確な雇用関係があると認められる場合は、被保険者となる。

解答

選択肢Aの記述は正しいです。

解説

雇用保険法の被保険者は、適用事業に雇用される労働者であって、第6条各号に掲げる者以外のものをいいます。このため、雇用される労働者に該当しない場合は被保険者となりません。

監査役は、会社法第335条第2項の規定により当該会社の使用人(従業員)を兼ねることができない(つまり事業主と雇用関係となることができない)とされているので、原則として雇用保険の被保険者とはなりません。しかし、名目的に監査役に就任しているに過ぎず、常態的に従業員として事業主との間に明確な雇用関係があると認められる場合は、被保険者となります。

このことは、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Aの記述は正しいです。

参考法令
雇用保険法 第4条第1項  この法律において「被保険者」とは、適用事業に雇用される労働者であつて、第六条各号に掲げる者以外のものをいう。
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351イ(抜粋)  イ 取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員 (ハ) 監査役については、会社法上従業員との兼職禁止規定(会社法第335条第2項)があるので、被保険者とならない。ただし、名目的に監査役に就任しているに過ぎず、常態的に従業員として事業主との間に明確な雇用関係があると認められる場合はこの限りでない。

令和5年択一問1選択肢C

令和5年(2023年実施、第55回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問1の選択肢Cです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Cのみ抜粋)  〔問 1〕雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。   個人事業の事業主と同居している親族は、当該事業主の業務上の指揮命令を受け、就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われ、取締役等に該当しない場合には、被保険者となる。

解答

選択肢Cの記述は正しいです。

解説

個人事業主や法人の代表者と同居している親族は原則として被保険者とはなりませんが、事業主の業務上の指揮命令を受け、就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われ、事業主と利益を一にする地位(取締役等)に該当しない場合には被保険者となります。

このことは、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Cの記述は正しいです。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351リ(抜粋)  リ 同居の親族 なお、同居の親族であっても、次の(イ)~(ハ)の条件を満たすものについては、被保険者として取り扱う。 (イ) 業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。 (ロ) 就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。特に、  a 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等  b 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期等 について、就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること。 (ハ) 事業主と利益を一にする地位(取締役等)にないこと(20351のイ参照)。

平成30年択一問2選択肢C

平成30年(2018年実施、第50回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問2の選択肢Cです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Cのみ抜粋)  〔問 2〕被保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。   株式会社の取締役であって、同時に会社の部長としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められる場合、他の要件を満たす限り被保険者となる。

解答

選択肢Cの記述は正しいです。

解説

雇用保険法の被保険者は、適用事業に雇用される労働者であって、第6条各号に掲げる者以外のものをいいます。

このため、雇用される労働者に該当しない場合は被保険者となりません。株式会社の取締役は、原則として会社と委任の関係にあり、労働者(従業員)として雇用されているとは言えないので、被保険者とはなりません。

しかし、株式会社の取締役であって同時に当該会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となります。

このことは、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Cの記述は正しいです。

参考法令
雇用保険法 第4条第1項  この法律において「被保険者」とは、適用事業に雇用される労働者であつて、第六条各号に掲げる者以外のものをいう。
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351イ(抜粋)  イ 取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員 (イ) 株式会社の取締役は、原則として、被保険者としない。取締役であって同時に会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となる。なお、この場合において、これらの者が失業した場合における失業給付の算定の基礎となる賃金には、取締役としての地位に基づいて受ける役員報酬が含まれないことは当然であるので、これらの者について離職証明書が提出されたときには、この点に留意する。

平成30年択一問2選択肢D

平成30年(2018年実施、第50回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問2の選択肢Dです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Dのみ抜粋)  〔問 2〕被保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。   特定非営利活動法人(NPO 法人)の役員は、雇用関係が明らかな場合であっても被保険者となることはない。

解答

選択肢Dの記述は誤りです。

解説

特定非営利活動法人(NPO法人)その他の法人の役員は、雇用関係が明らかでない限り被保険者となりません。しかし、従業員として法人(事業主)との間に明確な雇用関係があると認められる場合は被保険者となる場合があります。

このことは、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Dの「雇用関係が明らかな場合であっても被保険者となることはない」とする記述は誤りです。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351イ(抜粋)  イ 取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員 (へ) 農業協同組合、漁業協同組合等の役員は、雇用関係が明らかでない限り被保険者とならない。その他の法人又は法人格のない社団若しくは財団(例えば、特定非営利活動法人(NPO法人))の役員は、雇用関係が明らかでない限り被保険者とならない。

平成27年択一問1選択肢A

平成27年(2015年実施、第47回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問1の選択肢Aです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Aのみ抜粋)  〔問 1〕雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。   農業協同組合、漁業協同組合の役員は、雇用関係が明らかでない限り雇用保険の被保険者とならない。

解答

選択肢Aの記述は正しいです。

解説

農業協同組合、漁業協同組合等の役員は、雇用関係が明らかでない限り被保険者となりません。しかし、従業員として協同組合(事業主)との間に明確な雇用関係があると認められる場合は被保険者となる場合があります。

このことは、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Aの記述は正しいです。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351イ(抜粋)  イ 取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員 (へ) 農業協同組合、漁業協同組合等の役員は、雇用関係が明らかでない限り被保険者とならない。その他の法人又は法人格のない社団若しくは財団(例えば、特定非営利活動法人(NPO法人))の役員は、雇用関係が明らかでない限り被保険者とならない。

平成24年択一問1選択肢B

平成24年(2012年実施、第44回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問1の選択肢Bです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Bのみ抜粋)  〔問 1〕雇用保険の適用事業及び被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。   株式会社の代表取締役が被保険者になることはない。

解答

選択肢Bの記述は正しいです。

解説

株式会社の代表取締役は、会社を代表して従業員と雇用契約を結ぶ権限を持つため、被保険者となりません。このことは、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Aの記述は正しいです。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351イ(抜粋)  イ 取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員 (ロ) 代表取締役は被保険者とならない

平成21年択一問1選択肢A

平成21年(2009年実施、第41回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問1の選択肢Aです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Aのみ抜粋)  〔問 1〕雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。   同居の親族のみを使用する事業は原則として適用事業から除外されるが、事業主が当該事業に使用される親族の2分の1以上の同意に基づき都道府県労働局長に任意加入の申請を行って認可を受けた場合には、それらの全員が被保険者となる。

解答

選択肢Aの記述は誤りです。

解説

労働基準法第106条第2項には「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。」と規定されています。しかし、雇用保険法には「同居の親族のみを使用する事業は原則として適用事業から除外される」といった規定はありません。

雇用保険法施行規則第6条第5項には、同居の親族その他特に確認を要する者に係る資格取得届を提出する場合には雇用実態証明書を添付すると規定されています。

個人事業主や法人の代表者と同居している親族は原則として被保険者とはなりませんが、その服務の態様、就業の実態、賃金の支払方法、地位等により、事業主が雇用の実態を証明できる場合は被保険者となります。

このことは、雇用保険法施行規則第6条第5項、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Aの記述は誤りです。

参考法令
雇用保険法施行規則 第6条第5項  事業主は、その同居の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上その者と婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他特に確認を要する者として職業安定局長が定める者に係る資格取得届を提出する場合には、第一項の規定により提出する資格取得届に、労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳、登記事項証明書その他の当該適用事業に係る被保険者となつたことの事実及びその事実のあつた年月日を証明することができる書類並びに職業安定局長が定める書類を添えなければならない。
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351リ(抜粋)  リ 同居の親族 なお、同居の親族であっても、次の(イ)~(ハ)の条件を満たすものについては、被保険者として取り扱う。 (イ) 業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。 (ロ) 就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。特に、  a 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等  b 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期等 について、就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること。 (ハ) 事業主と利益を一にする地位(取締役等)にないこと(20351のイ参照)。

平成17年択一問1選択肢A

平成17年(2005年実施、第37回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問1の選択肢Aです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Aのみ抜粋)  〔問 1〕雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。   株式会社の取締役は、同時に会社の従業員としての身分を有している場合であっても、役員報酬を支払われている限り委任関係とみなされ、被保険者となることはない。

解答

選択肢Aの記述は誤りです。

解説

株式会社と取締役の関係は雇用関係ではなく、委任関係であるため原則として被保険者とはなりません。

しかし、株式会社の取締役であって同時に当該会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となります。

取締役としての地位に基づいて役員報酬が支払われていても、同時に従業員としての賃金が支払われ、明確な雇用関係があれば被保険者となる場合があります。

このことは、雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351に記載されており、選択肢Aの「被保険者となることはない」とする記述は誤りです。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)20351イ(抜粋)  イ 取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員 (イ) 株式会社の取締役は、原則として、被保険者としない。取締役であって同時に会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となる。なお、この場合において、これらの者が失業した場合における失業給付の算定の基礎となる賃金には、取締役としての地位に基づいて受ける役員報酬が含まれないことは当然であるので、これらの者について離職証明書が提出されたときには、この点に留意する。