社労士試験対策

【社労士過去問】3年間の給付制限(平成28年問6-B)

社会保険労務士試験・雇用保険法の過去問の解説です。テーマは「3年間の給付制限」です。この分野からは過去に平成28年択一問6選択肢Bで出題されています。

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1.社労士過去問分析

「3年間の給付制限」の論点

「3年間の給付制限」については、次の論点を押さえておくとよいでしょう。

  • 支給要件期間にかかわらず、教育訓練給付金の額として算定された額が4,000円を超えない(4,000円以下)とき、または教育訓練給付対象者が今回の教育訓練の受講開始日より前の3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、教育訓練給付金は支給されない。
  • 「教育訓練給付金の支給を受けたことがある」とは、前回の給付金の支給決定日のことであり、前回の受講開始日ではない(今回の教育訓練のほうは受講開始日です)。専門実践教育訓練給付金の場合は最終回の支給単位期間についての支給決定日のことであり、さらに追加給付の支給を受けた場合はその追加給付の支給決定日のことである。
  • 前回の支給された日から完全に3年間あけて受講開始しなければならない。さらに、支給要件期間3年以上も満たさなければならない。

当サイト解説記事

支給要件期間の計算の過去問

支給要件期間の計算についてはこちらの記事をご覧ください。

社労士試験について

社会保険労務士試験について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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2.平成28年択一問6選択肢B

平成28年(2016年実施、第48回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問6の選択肢Bです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Bのみ抜粋)

〔問 6〕専門実践教育訓練に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 専門実践教育訓練の受講開始日前までに、前回の教育訓練給付金の受給(平成26年10月1日よりも前のものを除く。)から10年以上経過していない場合、教育訓練給付金は支給しない。

注:出題当時(平成28年4月15日現在施行の法令)の選択肢です。

正解

出題当時(平成28年4月15日現在施行の法令)では選択肢Bは正しい記述でしたが、現在では誤りです。

解説

給付制限

選択肢Bは給付制限の問題であって、支給要件期間の問題ではありません(後述)。

教育訓練給付金(一般、特定一般、専門実践)は支給要件期間の規定にかかわらず、今回の教育訓練の受講開始日の前日を起算点として3年以内に教育訓練給付金(一般、特定一般、専門実践の種類を問わない)の支給を受けたことがあるときは支給を受けることができません。

なお、選択肢Bの「(平成26年10月1日よりも前のものを除く。)」とは、専門実践教育訓練給付金は2014年(平成26年)10月1日にスタートした制度なので、同年9月30日までに教育訓練給付金を受給した場合はこの制限は除外されるという意味です。出題当時(平成28年)ではこの除外は有効でしたが、現在ではすでに3年以上が経過していますので関係ありません。

平成30年に改正された

出題当時(平成28年)は10年だったので選択肢Bは正しい記述でしたが、2018年(平成30年)1月1日に雇用保険法施行規則が改正され3年に短縮されました。

参考法令
雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令
(平成29年6月30日厚生労働省令第66号)平成30年1月1日施行(抜粋)

第1条 雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)の一部を次のように改正する。
第百一条の二の十第二号中「十年」を「三年」に改める。

正解と法的根拠

以上のことは、雇用保険法第60条の2第5項、雇用保険法施行規則第101条の2の10に規定されています。

したがって、「専門実践教育訓練の受講開始日前までに、前回の教育訓練給付金の受給から3年以上経過していない場合、教育訓練給付金は支給しない。」が正しいので、選択肢Bの記述は誤りです。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第5項

第一項及び前項の規定にかかわらず、同項の規定により教育訓練給付金の額として算定された額が厚生労働省令で定める額を超えないとき、又は教育訓練給付対象者が基準日前厚生労働省令で定める期間内に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、教育訓練給付金は、支給しない。
雇用保険法施行規則 第101条の2の10

法第六十条の二第五項の厚生労働省令で定める期間は、三年とする。
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3.補足説明

支給要件期間の3年とは違います

支給要件期間は、当該教育訓練の受講開始日までに被保険者として雇用された期間のことです。

当該教育訓練の受講開始日までに教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、その受講開始日より前の期間は支給要件期間に含まれません。「受講開始日前の期間」なので、前回の受講開始日以降の被保険者の期間は(受講中であっても)含まれます。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第2項

前項の支給要件期間は、教育訓練給付対象者が基準日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当する全ての期間を除いて算定した期間とする。
一 当該雇用された期間又は当該被保険者であつた期間に係る被保険者となつた日の直前の被保険者でなくなつた日が当該被保険者となつた日前一年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなつた日前の被保険者であつた期間
二 当該基準日前に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、当該給付金に係る基準日前の被保険者であつた期間

これに対して、選択肢Bで問題となっている「前回の教育訓練給付金の受給から3年を経過していないときは、専門実践教育訓練給付金を支給しない」は、受講開始日ではなく支給決定日で判断するので、前回の支給決定日から3年を経過していないことを意味しています。

前回の受講開始日から今回の受講開始日までの間に支給要件期間3年以上を満たしていたとしても、前回の支給決定日から3年超が経過していなければ支給されませんので注意が必要です。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)58212ホ

58212 (2) 支給要件期間
ホ イにかかわらず、専門実践教育訓練給付金の対象者が、今回の受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、専門実践教育訓練給付金は支給しない(法60条の2第5項)。支給を受けたことがあるかは支給決定日(専門実践教育訓練給付金の場合は前回受講時の最後の支給決定日。資格取得等をしたことにより給付を受けた場合は、その支給決定日。)で判断する(雇用保険法第60条の3第3項の規定により教育訓練給付金の支給があったものと見なされる者を除く)。

支給要件期間も同時に改正

上記の2018年(平成30年)1月1日の改正では、給付制限だけでなく、専門実践教育訓練給付金の支給要件期間も10年から3年に改正されました。

参考法令
雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令
(平成29年6月30日厚生労働省令第66号)平成30年1月1日施行(抜粋)

第1条 雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)の一部を次のように改正する。
第百一条の二の七第二号中「十年以上」を「三年以上」に、「百分の四十」を「百分の五十」に改め、同条第三号中「十年以上」を「三年以上」に、「百分の六十」を「百分の七十」に改める。
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教育訓練給付金.JP