社労士試験対策

【社労士過去問】教育訓練給付対象講座の指定基準(平成19年問5-B、平成11年問4-C)

社会保険労務士試験・雇用保険法の過去問の解説です。テーマは「教育訓練給付対象講座の指定基準」です。この分野からは過去に平成19年択一問5選択肢B、平成11年択一問4選択肢Cで出題されています。

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1.社労士過去問分析

「教育訓練給付対象講座の指定基準」の論点

「教育訓練給付対象講座の指定基準」については、次の論点を押さえておくとよいでしょう。

  • 教育訓練給付金の対象となる講座は厚生労働大臣が指定する。指定の基準は厚生労働省が定める。
  • 教育訓練を実施する者は、当該教育訓練の運営における不適正な行為等により指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過していなければ指定を受けることができない。教育訓練を実施する法人または団体の役員に、取消しの日から5年を経過していない者が含まれてはならない。
  • 趣味的又は教養的な教育訓練、入門的又は基礎的な水準の教育訓練は、指定の対象とならない。
  • 指定される教育訓練は受講に関し、広く労働者一般を対象としたものであり、受講者の年齢、性別等に係る不合理な制限を設けているものではなく、かつ、教育訓練給付金の対象となる者とそれ以外の者を区別するものであってはならない。また、受講費用について、教育訓練給付金の支給の対象となる者とそれ以外の者との間で異なる取扱いをしてはいけない。
  • 教育訓練の訓練目標が明確であり、訓練効果の客観的な測定が可能なものであること(資格取得等の過程で面接や性格検査のような主観的な判断が入らないこと)が必要である。公務員試験対策講座や教員採用試験対策講座など採用試験を目標とする教育訓練は、訓練効果が明確に測定できないため、指定の対象とならない。

当サイト解説記事

社労士試験について

社会保険労務士試験について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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2.平成19年択一問5選択肢B

問題

平成19年(2007年実施、第39回)の社労士試験では、択一式試験・雇用保険法問5で、教育訓練給付に関連する問題が出題されました。そのうち、選択肢Bは次のような記述でした。

択一式試験・雇用保険法(選択肢Bのみ抜粋)

〔問 5〕教育訓練給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問において「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練とし、「教育訓練の受講のために支払った費用」とは、雇用保険法第60条の2第4項に規定する厚生労働省令で定める範囲内のものし、教育訓練の開始日は平成15年5月1日以降とする。

 教育訓練の指定基準によれば、趣味的・教養的な教育訓練や、入門的・基礎的な水準の教育訓練は、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練とは認められず、教育訓練給付金の支給対象とならない。

正解

選択肢Bの記述は正しいです。

解説

教育訓練給付の対象となる教育訓練

教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練は、「雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練」です(雇用保険法第60条の2第1項)。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項本文

教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。

教育訓練の指定基準

厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準は、平成26年5月16日厚生労働省告示第237号「雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準」により定められています。

参考リンク

雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準
(平成26年5月16日厚生労働省告示第237号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00009100&dataType=0&pageNo=1

この厚生労働省告示には、指定される教育訓練を実施する施設と、教育訓練の内容等の基準が定められています。

共通する基準

厚生労働省告示によると、一般教育訓練の内容として、「(i)趣味的又は教養的な教育訓練」「(ii)入門的又は基礎的な水準の教育訓練」のいずれにも該当するものでないことと定められています。この2つは特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の条件にも含まれています。

低レベルな水準の教育訓練を受講するだけでは職業に直結するとは言えず、「雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練」に該当しないからです。指定基準を満たさない講座を受講しても教育訓練給付金の支給対象とならないので、選択肢Bの記述は正しいと言えます。

参考法令
雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定
(平成26年5月16日厚生労働省告示第237号)(抜粋)

イ 雇用保険法施行規則第百一条の二の七第一号に規定する一般教育訓練(以下「一般教育訓練」という。)については、次のいずれにも該当するものであること。
(1) 次のいずれにも該当するものでないこと。
(i) 趣味的又は教養的な教育訓練
(ii) 入門的又は基礎的な水準の教育訓練
(iii) 職業に関する免許資格に係る試験又は検定の準備のための教育訓練のうち、当該教育訓練に係る免許資格又は検定が、職業能力を評価するものとして社会一般に認知されていないもの

ロ 特定一般教育訓練については、次のいずれにも該当するものであること。
(1) イ(1)(i)及び(ii)に該当するものでないこと。

ハ 専門実践教育訓練については、次のいずれにも該当するものであること。
(1) イ(1)(i)及び(ii)に該当するものでないこと。
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3.平成11年択一問4選択肢C

平成11年(1999年実施、第31回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問4の選択肢Cです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Cのみ抜粋)

〔問 4〕教育訓練給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 教育訓練給付金は、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な教育訓練として労働大臣が定める基準に従い、管轄公共職業安定所長が適当と認める教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合に支給される。

正解

選択肢Cの記述は誤りです。

解説

教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練は、厚生労働省告示により定められた指定基準により、厚生労働大臣が指定します。管轄公共職業安定所長は給付の事務を行うのみですから、選択肢Cの記述は誤りです。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項本文

教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。

4.補足説明

入門的又は基礎的な水準とは

「入門的又は基礎的水準の教育訓練」とは、具体的には、高等学校の課程で修得できる水準や一般ビジネス社会において通常の事務処理として行われている程度の講座です。

指定基準の名称について

出題当時(平成19年)、教育訓練の指定基準は「教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準」という名称でしたが、2014年(平成26年)10月に、専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金の制度がスタートするのに伴い、全面的に改定され、厚生労働省告示「雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準」が制定されました。

この厚生労働省告示は、平成26年5月16日公布、平成26年10月1日施行です。

参考リンク

雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準
(平成26年5月16日厚生労働省告示第237号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00009100&dataType=0&pageNo=1

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教育訓練給付金.JP