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【社労士過去問】専門実践教育訓練給付金の追加給付(平成28年問6-D) _ pr
社労士試験対策

【社労士過去問】専門実践教育訓練給付金の追加給付(平成28年問6-D)

社会保険労務士試験・雇用保険法の過去問の解説です。テーマは「専門実践教育訓練給付金の追加給付」です。この分野からは過去に平成28年択一問6選択肢Dで出題されています。

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1.社労士過去問分析

当サイト内の解説記事

重要論点チェックテスト

専門実践教育訓練給付金の追加給付」については、次の論点を押さえておくとよいでしょう。それぞれの質問をクリック(タップ)すると回答を見ることができます。

Q
専門実践教育訓練給付金が教育訓練経費の70%となるのはどのような場合ですか?
A

専門実践教育訓練を受け、修了した日の翌日から起算して1年以内に、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等をし、かつ、一般被保険者又は高年齢被保険者(特例高年齢被保険者を除く)として雇用された者または雇用されている者は、教育訓練経費の70%が支給されます。

Q
専門実践教育訓練給付金の追加給付の申請期限はいつまでですか?
A

専門実践教育訓練の修了、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等、被保険者として雇用されること、の3つの条件をすべて満たした日の翌日から起算して1か月以内に申請します。

Q
専門実践教育訓練給付金の追加給付の額の計算方法は?
A

追加給付の要件を満たしたときに改めて教育訓練給付の70%を計算しなおしたうえで、すでに支給している額(50%)との差額を支給します。

Q
追加給付は、教育訓練経費の20%を計算して支給するのですか?
A

いいえ。50%の申請時点で授業料未納であれば申請できませんが、追加給付申請時までに追納すればその追納金額の70%の支給を受けられるので、差額が20%相当額より多くなることがあります。50%のときに不支給決定を受けた場合や申請をしなかった場合なども同様です。

Q
追加給付がある場合の専門実践教育訓練給付金の額の上限は?
A

連続した2支給単位期間ごと(12か月ごと)の上限は56万円。支給限度期間10年間の上限は168万円、4年目受講相当分の上乗せがある場合は224万円。

教育訓練給付金の概要の過去問

教育訓練給付金の概要の過去問はこちらの記事をご覧ください。

社労士試験について

社会保険労務士試験について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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2.平成28年択一問6選択肢D

平成28年(2016年実施、第48回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問6の選択肢Dです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Dのみ抜粋)  〔問 6〕専門実践教育訓練に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。   雇用保険法第60条の2第1項に規定する支給要件期間が10年以上である者であって、専門実践教育訓練を受け、修了し、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等をし、かつ当該専門実践教育を修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者として雇用された者に支給される教育訓練給付金の額は、当該教育訓練の受講のために支払った費用の額の100分の60を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を超えるときは、その定める額。)である。

注:出題当時(平成28年4月15日現在施行の法令)の選択肢です。現在は改正されています。

正解

出題当時は正しい記述でしたが、現在では誤りです。

解説

専門実践教育訓練給付金の追加給付

専門実践教育訓練給付金とは、支給要件期間3年以上の教育訓練給付対象者が、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講したときに6か月ごとに教育訓練経費の50%を支給するものです。

さらに、専門実践教育訓練を受け、修了し、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等をし、かつ当該専門実践教育を修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者または高年齢被保険者(特例高年齢被保険者を除く)として雇用された場合、教育訓練経費の70%が支給されます。

ただし、専門実践教育訓練の受講中、6か月ごとに教育訓練経費の50%がすでに支給されていますので、修了後に条件を満たしてから差額の20%分を再度計算しなおして追加で支給されます。これを追加給付ということがあります。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の7第3号  法第六十条の二第四項の厚生労働省令で定める率は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める率とする。  三 支給要件期間が三年以上である者であつて、専門実践教育訓練を受け、修了し、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等をし、かつ、一般被保険者又は高年齢被保険者(特例高年齢被保険者を除く。以下この号及び第百一条の二の十二第六項において同じ。)として雇用された者(当該専門実践教育訓練を受け、修了した日の翌日から起算して一年以内に雇用された者(当該専門実践教育訓練を受け、修了した日の翌日から起算して一年以内に雇用されることが困難な者として職業安定局長の定める者を含む。)に限る。)又は雇用されている者(当該専門実践教育訓練を受け、修了した日において一般被保険者又は高年齢被保険者として雇用されている者であつて、当該修了した日の翌日から起算して一年以内に資格の取得等をしたものに限る。) 百分の七十

2018年(平成30年)改正

出題当時(平成28年)は「支給要件期間が10年以上」でしたが、2018年(平成30年)1月1日に雇用保険法施行規則の改正があり、支給要件期間は10年以上から3年以上に改正されました。

また、出題当時は教育訓練経費の60%でしたが、支給率が70%に引き上げられました。

参考法令
雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令 (平成29年6月30日厚生労働省令第66号)平成30年1月1日施行(抜粋)  第1条 雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)の一部を次のように改正する。 第百一条の二の七第二号中「十年以上」を「三年以上」に、「百分の四十」を「百分の五十」に改め、同条第三号中「十年以上」を「三年以上」に、「百分の六十」を「百分の七十」に改める。

したがって、選択肢Dは出題当時は正しい記述でしたが、現在では次のとおりであるため、誤りです。

雇用保険法第60条の2第1項に規定する支給要件期間が3年以上である者であって、専門実践教育訓練を受け、修了し、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等をし、かつ当該専門実践教育を修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者または高年齢被保険者として雇用された者に支給される教育訓練給付金の額は、当該教育訓練の受講のために支払った費用の額の100分の70を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を超えるときは、その定める額。)である。
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3.補足説明

上限168万円

専門実践教育訓練給付金の追加給付は年間56万円(連続した2支給単位期間)を上限とし、3年間で168万円が上限です。また、支給限度期間(10年)ごとの上限は168万円です。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の8第1項第3号  法第六十条の二第四項の厚生労働省令で定める額は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。  三 前条第三号に掲げる者 百六十八万円(連続した二支給単位期間(当該専門実践教育訓練を修了した日が属する場合であつて、支給単位期間が連続して二ないときは一支給単位期間)ごとに支給する額は、五十六万円を限度とし、一の支給限度期間ごとに支給する額は、百六十八万円を限度とする。)
雇用保険法施行規則 第101条の2の8第2項  前項の支給限度期間とは、法第六十条の二第一項第一号に規定する基準日(専門実践教育訓練に係るものに限る。以下この項及び次項において「基準日」という。)から十年を経過する日までの一の期間をいう。ただし、当該基準日に係る一の支給限度期間内に他の基準日(以下この項において「二回目以降基準日」という。)がある場合における当該二回目以降基準日から十年を経過する日までの一の期間を除く。

4年目の上乗せ

4年課程の場合は4年目の分が上乗せされ、さらに上限224万円まで増額されることがあります。その場合は支給限度期間(10年)の上限も224万円となります。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の8第3項本文  専門実践教育訓練のうち栄養士法(昭和二十二年法律第二百四十五号)第五条の三第四号に規定する管理栄養士養成施設により行われる教育訓練その他の法令の規定により四年の修業年限が規定されている教育訓練(以下この条において「長期専門実践教育訓練」という。)を受講している者であつて、次の各号のいずれにも該当するものについての第一項第二号及び第三号の規定の適用については、同項第二号中「百二十万円」とあるのは「百六十万円」と、同号及び同項第三号中「百六十八万円」とあるのは「二百二十四万円」とする。