社労士試験対策

【社労士過去問】支給申請手続き書類、修了証明(平成25年問4-イ、平成19年問5-A、平成13年問6-D、平成11年問4-D)

社会保険労務士試験・雇用保険法の過去問の解説です。テーマは「支給申請手続き書類、修了証明」です。この分野からは過去に平成25年択一問4選択肢イ、平成19年択一問5選択肢A、平成13年択一問6選択肢D、平成11年択一問4選択肢Dで出題されています。

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1.社労士過去問分析

「支給申請手続き書類、修了証明」の論点

「支給申請手続き書類、修了証明」については、次の論点を押さえておくとよいでしょう。

  • 指定教育訓練実施者が修了を証明した場合に限り、教育訓練給付金を支給する。証明が無ければ支給されない。教育訓練給付金の支給申請書には、指定教育訓練実施者が発行する修了証明書を添付する。ただし、専門実践教育訓練は受講証明書でよい。
  • 教育訓練給付金の支給申請書には、教育訓練の受講のために支払った費用の額の証明書(領収書、クレジット契約書など)を添付する。領収書などは指定教育訓練実施者が発行し、支払いを証明した場合に限る。証明が無ければ支給されない。
  • 一般教育訓練や特定一般教育訓練は途中で受講を終了したら、教育訓練給付金は支給されない。専門実践教育訓練は途中で終了したらその支給単位期間以降、支給停止となる。
  • 適用対象期間の延長が認められた場合は適用対象期間延長通知書、返金があった場合は返還金明細書、代理の場合は委任状を添付する。その他、本人確認書類の提示、教育訓練経費等確認書の提出などが必要。

当サイト解説記事

社労士試験について

社会保険労務士試験について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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2.平成25年択一問4選択肢イ

平成25年(2013年実施、第45回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問4の選択肢イです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢イのみ抜粋)

〔問 4〕教育訓練給付に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
なお、本問において、「教育訓練」とは「雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練」のことである。

 教育訓練給付金の支給を受けるためには、教育訓練を受け、当該教育訓練を修了したことが必要であるが、当該教育訓練を行った指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされていない場合にも、所定の要件を満たすことにより、支給を受けることができる。

正解

選択肢イの記述は誤りです。

解説

教育訓練の修了

教育訓練給付金は厚生労働大臣指定の教育訓練を受け、修了した場合に支給されます。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項本文

教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。

この「教育訓練を修了した場合」には、「厚生労働省令で定める場合」を含むとされています。

具体的には、「専門実践教育訓練を受けている場合であつて、当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるとき」が含まれます。専門実践教育訓練給付金の場合は、支給単位期間である6か月ごとに受講状況を確認して支給します。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の3

法第六十条の二第一項の厚生労働省令で定める場合は、第百一条の二の七第二号に規定する専門実践教育訓練を受けている場合であつて、当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるときとする。

証明が必要である理由

教育訓練給付金の支給を受けるには、受講するだけでなく各教育訓練で設定されている修了条件を満たして修了しなければなりません。修了条件はそれぞれの教育訓練によって異なるため、指定教育訓練実施者(教育訓練を実施している施設)による証明が必要です。証明が無ければ給付金の対象外です。

給付金の支給申請の際には、教育訓練施設が発行した修了証明書を提出しなければなりません。また、専門実践教育訓練給付金の場合は修了証明書または受講証明書が必要です。

このことは、雇用保険法施行規則第101条の2の4に定められています。したがって、選択肢イの「指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされていない場合にも、所定の要件を満たすことにより、支給を受けることができる」とする記述は誤りです。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の4

法第六十条の二第一項の厚生労働省令で定める証明は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める証明とする。
一 第百一条の二の七第一号に規定する一般教育訓練を受け、修了した者 教育訓練給付金の支給に係る当該一般教育訓練を修了したことの証明(当該一般教育訓練に係る指定教育訓練実施者により証明がされたものに限る。以下「一般教育訓練修了証明書」という。)
二 第百一条の二の七第一号の二に規定する特定一般教育訓練を受け、修了した者 教育訓練給付金の支給に係る当該特定一般教育訓練を修了したことの証明(当該特定一般教育訓練に係る指定教育訓練実施者により証明がされたものに限る。以下「特定一般教育訓練修了証明書」という。)
三 第百一条の二の七第二号に規定する専門実践教育訓練を受け、修了した者(当該専門実践教育訓練を受けている者を含む。) 教育訓練給付金の支給に係る当該専門実践教育訓練を修了したことの証明(当該専門実践教育訓練に係る指定教育訓練実施者により証明がされたものに限る。以下「専門実践教育訓練修了証明書」という。)(教育訓練給付金の支給に係る当該専門実践教育訓練を受けている者にあつては、第百一条の二の十二第四項に規定する支給単位期間ごとに当該専門実践教育訓練の修了に必要な実績及び目標を達成していることの証明(当該専門実践教育訓練に係る指定教育訓練実施者により証明がされたものに限る。以下「受講証明書」という。))

教育訓練施設が証明をしなかったら指定取消

教育訓練施設は、受講前にあらかじめ修了認定基準を受講者に明示する義務があります。そして、その基準にしたがって修了を認定したときは教育訓練修了証明書を発行しなければなりません。修了証明書は、受講修了後速やかに発行し、1週間程度以内に受講修了者本人に届くことを目途に、送付または手交しなければなりません。

教育訓練施設が修了証明書や受講証明書を発行しない場合や、偽りの証明書を発行した場合は、厚生労働大臣の指定が取り消されます。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)58081抜粋

58081(1)教育訓練給付制度の適正実施に係る協力等の必要性に係る指導
指定教育訓練実施者が、指定基準を満たさなくなったとき、受講者の支給申請に当たって必要な証明をせず又は偽りの証明をしたとき、その他教育訓練給付金制度に関して不正な行為を行ったときは、指定が取り消されることとなる。
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)58084ロ

58084(4)教育訓練修了証明書の発行
ロ 指定教育訓練実施者は、受講修了後速やかに(1週間程度以内に受講者に届くことを目途に)、教育訓練修了証明書を発行し、受講修了者本人あてに送付または手交しなければならない。
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3.平成19年択一問5選択肢A

平成19年(2007年実施、第39回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問5の選択肢Aです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Aのみ抜粋)

〔問 5〕教育訓練給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問において「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練とし、「教育訓練の受講のために支払った費用」とは、雇用保険法第60条の2第4項に規定する厚生労働省令で定める範囲内のものし、教育訓練の開始日は平成15年5月1日以降とする。

 教育訓練給付金は、教育訓練を修了した場合に支給されるものであり、途中で受講を中止して当該教育訓練を修了しなかった場合には受給することができない。

正解

選択肢Aの記述は正しいです。

解説

教育訓練を修了した場合

教育訓練給付金は原則として教育訓練を修了した場合において、支給要件期間が3年以上であるときに支給されます。

特に、一般教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金については教育訓練施設の発行する修了証明書を提出して支給申請をしなければなりません。したがって、途中で受講を中止して当該教育訓練を修了しなかった場合には受給することができません。このことは雇用保険法第60条の2第1項に規定されています。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第1項本文

教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。

専門実践教育訓練給付金の場合

専門実践教育訓練給付金の場合は、教育訓練を修了した場合のほか、支給単位期間である6か月ごとに、専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるときにも支給されます。その場合であっても「教育訓練の修了」が前提となります。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の3

法第六十条の二第一項の厚生労働省令で定める場合は、第百一条の二の七第二号に規定する専門実践教育訓練を受けている場合であつて、当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるときとする。

雇用保険法施行規則第101条の2の3の「受講状況が適切である」とは、修了の見込みをもって受講した場合のことです。このことは、雇用保険に関する業務取扱要領58211に規定されています。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)58211(抜粋)

専門実践教育訓練給付金は、次に該当する一般被保険者等又は一般被保険者等であった者が、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練のうち中長期的なキャリア形成に資する専門的かつ実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定した教育訓練(以下「専門実践教育訓練」という。)を修了の見込みをもって受講した場合及び当該専門実践教育訓練を修了した場合(以下「支給対象者」という。)について支給する。

教育訓練実施者は、受講開始前にあらかじめ受講を認定する際の基準となる受講認定基準を明示したうえで、支給単位期間である6か月ごとにその基準に従って受講確認を行わなければなりません(出席率の集計や、期末試験、レポート提出のことです)。

そして、「修了の見込みがある」と認定された場合に限って「受講証明書」を発行します。修了の見込みがない場合は受講証明書は発行されません。専門実践教育訓練給付金の支給を申請するには受講証明書または修了証明書を提出しなければなりません。

修了の見込みがないと判断された場合はそれ以降、専門実践教育訓練給付金を受給することができません。また、途中で受講を中止して当該教育訓練を修了しなかった場合も受給することができません。したがって、選択肢Aの記述は正しいと言えます。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)58314イ

58314 (4) 専門実践教育訓練修了証明書等の発行
イ 指定教育訓練実施者は、受講者の受講(又は修了)を認定する際の基準となる受講認定基準(又は修了認定基準)を学則や教育規程等に明記し、これに基づいて修了の事実を適正に判断したうえで受講(又は修了)確認を行わなければならず、認定された者に限って受講証明書(又は及び専門実践教育訓練修了証明書)を発行しなければならない。

4.平成13年択一問6選択肢D

平成13年(2001年実施、第33回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問6の選択肢Dです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Dのみ抜粋)

〔問 6〕教育訓練給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 教育訓練給付金を受給するために、管轄公共職業安定所長に教育訓練給付金支給申請書を提出する場合、添付すべき書類は、雇用保険被保険者証又は雇用保険受給資格者証と、当該教育訓練の受講のために支払った費用の額の証明書のみである。

解説

雇用保険法施行規則第101条の2の11に定められているとおり、少なくとも教育訓練を修了したことを証する修了証明書の提出が必要です。したがって、選択肢Dの記述は誤りです。

参考法令
雇用保険法施行規則 第101条の2の11

法第六十条の二第一項各号に規定する教育訓練給付対象者(以下「教育訓練給付対象者」という。)は、一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするときは、当該教育訓練給付金の支給に係る一般教育訓練を修了した日の翌日から起算して一箇月以内に、教育訓練給付金支給申請書(様式第三十三号の二)に次の各号に掲げる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
一 一般教育訓練修了証明書
二 当該教育訓練給付金の支給に係る一般教育訓練の受講のために支払つた費用(第百一条の二の六第一号に掲げる費用に限る。)の額を証明することができる書類
三 第百一条の二の六第二号に掲げる費用の額を証明することができる書類及び当該一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者の就業に関する目標その他職業能力の開発及び向上に関する事項について、キャリアコンサルティングを踏まえて記載した職務経歴等記録書(職業能力開発促進法第十五条の四第一項に規定する職務経歴等記録書をいう。以下同じ。)
四 その他職業安定局長が定める書類
2 教育訓練給付対象者は、前項の規定にかかわらず、職業安定局長が定めるところにより、同項第四号に掲げる書類のうち職業安定局長が定めるものを添えないことができる。

5.平成11年択一問4選択肢D

平成11年(1999年実施、第31回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問4の選択肢Dです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Dのみ抜粋)

〔問 4〕教育訓練給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、指定された教育訓練の受講開始後、速やかに、教育訓練受講届を管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。

解説

教育訓練の受講や修了は、教育訓練施設が証明するものであり、本人が届け出るのは無意味です。公共職業訓練は受講届を提出しますが、教育訓練は不要です。また、欠席する場合も受講している教育訓練施設に届け出ます。

したがって、選択肢Dの記述は誤りです。

6.補足説明

教育訓練経費も証明が必要

教育訓練給付金の額は、教育訓練の受講のために支払った費用(教育訓練経費)に給付率をかけた額です。この教育訓練経費も指定教育訓練実施者による証明が必要であり、実際には領収書またはクレジット契約証明書(または必要事項が付記されたクレジット伝票)が発行されます。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第4項

教育訓練給付金の額は、教育訓練給付対象者が第一項に規定する教育訓練の受講のために支払つた費用(厚生労働省令で定める範囲内のものに限る。)の額(当該教育訓練の受講のために支払つた費用の額であることについて当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により証明がされたものに限る。)に百分の二十以上百分の七十以下の範囲内において厚生労働省令で定める率を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を超えるときは、その定める額)とする。

修了見込みがないとは

専門実践教育訓練給付金で、講座を修了する見込みがないとは当該教育訓練であらかじめ定められている期間内に修了できないという意味です。成績不十分である場合のほか、休学等のため受講開始当初に予定された受講期間内に修了できない場合も含まれます。

受講証明書が発行されない場合や、受講証明書において修了する見込みがないとの記載がある場合、当該支給単位期間について専門実践教育訓練給付金は支給されません。また、それ以降の全期間が不支給となります。

なお、それまでに支給された給付金は返還しなくても良いです。

参考法令
雇用保険に関する業務取扱要領(行政手引)58242ロ(抜粋)

受講証明書において講座を修了する見込みがないとされている場合、当該支給単位期間以降の全期間を不支給とする。
講座を修了する見込みがないとは、当初講座を修了することが予定されていた期間内に修了できないことを指し、成績不十分である場合のほか、休学等のため受講開始当初に予定された受講期間内に修了できない場合を含む。

追加給付

専門実践教育訓練給付金の追加給付(70%)についても修了することが条件となっているので、途中で受講を中止して当該教育訓練を修了しなかった場合には受給することができません。

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