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自動車学校と教育訓練給付金の受給条件、ハローワークでの支給申請手続き _ pr
資格・講座

自動車学校と教育訓練給付金の受給条件、ハローワークでの支給申請手続き

教育訓練給付金は雇用保険給付としてハローワークから支給される給付金であり、自動車学校が返金するお金ではありません。受給資格の条件を満たした人だけがハローワークで給付金の支給申請手続きをすることができます。

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1.自動車免許の取得で教育訓練給付金をもらうこと

教育訓練給付と運転免許

自動車運転免許は、自動車学校に入校して卒業した後、運転免許試験場で学科試験に合格することで取得することができます。

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自動車免許の取得で支給可能な教育訓練給付金は一般教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金です。ただし、すべての自動車免許が教育訓練給付の対象となっているのではなく、職業に直接つながる免許に限られます。

自動車学校の窓口もそんなに詳しくない

自動車学校の窓口のスタッフはもちろん自動車免許のプロではありますが、教育訓練給付金制度のプロではないので、事前の窓口での説明やパンフレットの内容が正確でない場合が有ります。また、自動車学校の公式サイト上の記述も正確でなく、最近の法令改正に対応していない記述が散見されます。

公式サイトやパンフレットに「教育訓練給付制度の詳細はハローワークにお問い合わせください。」などと記載されているのも、雇用保険法やハローワークでの取り扱いを正しく説明できるスタッフがいないからです。

また、すべての自動車学校で給付金が支給されるのではなく、厚生労働大臣の指定を受けた講座のみが対象となります。指定を受けるには各自動車学校が厚生労働省に対して申請をしなければなりませんが、すべての講座がその申請を行っているとは限りません。そのため、希望する教習(コース)が厚生労働大臣指定の教育訓練に指定されているかを入校する前に確認しておく必要があります。

注:申し込みの時に「教育訓練給付対象講座」であることを確認しましょう。

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2.教育訓練給付金の受給条件

一般教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金では、受給資格(受給する条件)は同じです。

教育訓練給付金は雇用保険給付なので、雇用保険に一定期間加入していた被保険者または離職者だけが受給することができます。まったく働いたことが無く雇用保険に加入したことが無ければ対象外です。

教育訓練給付対象者

教育訓練給付対象者とは、受講開始日の時点で、職場で勤務していて雇用保険に加入している人(在職者)または会社を1年以内に離職した離職者のことをいいます(雇用保険法第60条の2第1項)。離職後、1年超経過している場合は対象外です。

教育訓練給付対象者

  • 在職者:雇用保険に加入している一般被保険者または高年齢被保険者
  • 離職者:一般被保険者または高年齢被保険者でなくなってから1年以内

この場合の「在職」「離職」は、雇用契約の有無ではなく、雇用保険の加入で判断します。アルバイト、パート、契約社員等であっても雇用保険の被保険者であれば受給することができます。逆に、正社員であっても雇用保険に加入していなければ対象外です。なお、離職後1年以内の「1年」は延長することができます(適用対象期間の延長)。

支給要件期間と受給制限

前述の教育訓練給付対象者が支給要件期間1年以上を満たしたときに教育訓練給付金が支給されます。この「支給要件期間」とは受講開始日までに雇用保険に加入していた期間のことです。要するに雇用保険に1年間加入していればよいです。転職した場合は転職前の期間も通算することができます。

なお、過去に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は、その教育訓練の受講開始日以降の支給要件期間が3年以上で、かつ支給決定日から3年経過している必要があります。なお、雇用保険の基本手当や傷病手当の支給を受けていても無関係です。

受講開始日は入校日

教育訓練給付対象者と支給要件期間の基準日はいずれも「受講開始日」です。

受講開始日は入校日であり、適性検査、技能教習、学科教習のうち一番早く実施された日です。通常は適性検査を受けた日です。合宿免許の場合も入校日です。

注:受講開始日は受講申し込み日や入金日ではなく、入校日(入校式の日または適性検査実施日)です。

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3.教育訓練給付金の受給条件の注意点

自動車学校には分からない

教育訓練給付対象者で支給要件期間を満たしている人でなければ、教育訓練を申し込んではいけません。

ところで、雇用保険の加入手続きは事業主がハローワークで行うため、雇用保険の加入実績はハローワークしか把握していません。自動車学校側では入校の申し込みをしようとしている人が本当に受給資格者かどうかを判断することができません。また、受給資格の有無は個人情報であるため、自動車学校からハローワークに問い合わせすることもできません。

そのため、実際には、受給資格が無いにもかかわらず、教育訓練給付対象コースを申し込むことは可能です。しかし、それを受講しても教育訓練給付金の支給を受けることができません。この場合、教習料金は全額自己負担になります。

注:教育訓練の受講申し込みができたとしても、自動車学校が教育訓練給付の受給を保証したことにはなりません(保証するのは不可能)。

このように教育訓練給付対象コースを申し込んだのに、1円も給付されないトラブルが多発しているようです。

65歳未満の年齢制限は誤りです

運転免許の取得年齢の下限はありますが、上限はありません。しかし、2016年(平成28年)までに教育訓練給付対象講座を開始している自動車学校の公式サイトのなかには、「65歳に達した者は高年齢継続被保険者となるため支給対象外である」といった誤った情報を掲載しているサイトがあります。極めて遺憾です。

確かに、2016年(平成28年)12月31日までは高年齢継続被保険者制度があり、65歳以上は教育訓練給付金の対象外でしたが、2017年(平成29年)1月1日に雇用保険法が改正され、高年齢継続被保険者制度は廃止されました(継続制度の廃止)。現在では、65歳以上の労働者はすべて「高年齢被保険者」となり、教育訓練給付の対象者です。

65歳以上の人が新規で運転免許を取得することの是非については賛否両論あると思われますが、教育訓練給付制度上は65歳以上の人も対象です。

注:65歳未満の年齢制限は2016年(平成28年)以前の古い情報であり、誤りです。

修了する必要があること

教育訓練給付対象者と支給要件期間の基準日は、「受講開始日」ですが、これは受講を開始するだけで教育訓練給付金が支給されるという意味ではなく、教育訓練を修了するとともに教育訓練施設である自動車学校が修了証明書を発行した場合に、給付金の支給を申請することができます。

通常は、教習の最後に行われる卒業検定の合格をもって「修了」となります。その後、免許を取得するには運転免許試験場の学科試験に合格する必要がありますが、教育訓練給付金については卒業検定に合格すれば「修了」と認められ、支給申請をすることができます(後述)。

4.教習料金と給付の対象となる料金

一般教育訓練給付金は給付対象である教習費用の20%で、支給額の上限は10万円までです。特定一般教育訓練給付金の場合は40%で、上限20万円までとなります。

ただし、教育訓練給付金として算定された額が4,000円を超えない場合は支給されません(通常は4,000円を超えます)。

教習費用

教習費用とは、自動車学校に支払う標準的な費用のことで、延長をすることなく教習を終えた場合の総費用です。具体的には、入学金、教材費、写真代、教習料、検査料、検定料、事務手数料などです。

このほかに、別途必要な費用として、修得が遅い場合など受講生の個別の事情により、補習費用、追加教習料金、夜間料金がかかる場合があります。

教育訓練経費と対象外の料金

教育訓練給付金の給付の対象となる「教育訓練経費」は、教育訓練施設である自動車学校へ直接支払った費用のうち、入校時に支払う入学金と授業料にあたる教習料金のみであり、全額ではありません。受講料には基本の教材費(学科教本、運転教本、学科問題集と呼ばれる書籍)も含まれます。

教育訓練経費:入学金、必要教材費、適性検査料、技能教習料金、学科教習料金

これらに含まれない費用は対象外です。自動車学校の受講生が全員支払うものであっても対象外です。特に追加の教習費用は受講生に技量によって異なるため対象外です(真面目に習得し、延長が無かった人との間で不公平となるから)。

教育訓練給付の対象外の費用

  • 技能検定料(修了検定、卒業検定)、効果測定料、卒業証明書発行手数料
  • 仮免申請料、仮免交付手数料、免許申請料
  • 欠席料、キャンセル料
  • 写真代
  • 夜間料金
  • 自由教習料
  • 補助教材費
  • 教習所までの往復交通費
  • 宿泊費、交通費、生活費、食事代
  • 検定試験に合格できなかった場合の追加教習料金、再受験料
  • 所定の時間を超えて受講した支払った教習料、技能検定料、補習料金
  • 講習期間中の保証料金、保険料
  • クレジットの分割払いの場合はクレジット会社に対する分割手数料
  • ローンの場合はローン会社に対する金利手数料
  • 銀行振り込みの振込み手数料
  • 運転免許試験場で支払う手数料

クーポン、キャンペーンなどにより割引が適用された場合は割引き後の金額が教育訓練経費となります。また、教習費用の全部または一部を本人以外が負担した場合(会社が負担した場合など)は対象外となります。事業主宛ての領収書で給付金の支給申請はできません。

教育訓練給付金の対象となる教育訓練経費の範囲について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

教習費用と教育訓練経費の違い

前述のとおり、教習費用には教育訓練給付金の対象外の費用がかかるため、入校時に一括で支払う標準的な教習費用と教育訓練経費の金額が異なります。

例えば、入学金66,000円、受講料285,450円のコースの場合、教育訓練給付金の対象となる教育訓練経費は351,450円です。しかし、自動車学校の場合は、仮免関係手数料2,850円のほか検定料、写真代などの「別途諸費用」がかかります。「別途諸費用」は教育訓練給付金の対象外です。

別途諸費用が24,850円である場合、入校するときには別途諸費用を含めて376,300円を支払う必要がありますが、給付予定額は対象となる351,450円の20%にあたる70,290円となります。さらに、追加の料金が発生した場合は全額自己負担となります。

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5.入校から給付金申請までの流れ

自動車学校の指定講座を探す

厚生労働大臣の指定を受けた教習(コース)を検索するには、厚生労働省の指定教育訓練講座検索システムを使います。支給申請には各講座の「指定番号」が必要です。

支給要件照会

教育訓練給付金が支給されるかどうかはハローワークにしか分からないのですから、入校する前に、念のためハローワークに行ってその確認(支給要件照会)をしておきましょう。

ハローワークに「教育訓練給付金支給要件照会票」を提出すると、すぐに調べて回答してくれます。このとき、受講する予定のコースが厚生労働大臣の有効な指定を受けた講座かどうかも調べてくれますから、検索システムでそのコースの「指定番号」も調べておくとよいでしょう。

支給要件照会で回答してくれること

  • 自分が受講開始日の時点で受給資格者かどうか
  • 申し込み予定の教習が厚生労働大臣指定講座かどうか
  • その教育訓練が「一般」か「特定一般」か

なお、支給要件照会をした日から入校日までの期間が長すぎる場合、その間に受給資格が無くなることがあるため(後述)、できるだけ入校日に近い日に支給要件照会をしたほうが良いです。

入校申し込み

支給要件照会をするとハローワークから「教育訓練給付金支給要件回答書」が交付されます。一般教育訓練の場合、この「教育訓練給付金支給要件回答書」を添えて入校申し込みをします。

なお、特定一般教育訓練の場合は、受講開始1か月前までに訓練前コンサルティングと受給資格確認手続きなどの事前手続きが必要です。事前手続きにより「教育訓練給付金(特定一般教育訓練)受給資格確認通知書」が交付されますからこれを提出します。

教習費用の支払い

入校時には教習費用を全額(100%)支払います。

教育訓練給付金は修了を認定された場合に、ハローワークから支給されるものですから、入校時に給付金相当額を差し引いて申し込んではいけません。

入校申し込みはすべて本人名義で手続きをし、教習費用のうち少なくとも教育訓練経費については全額本人名義で支払いをしなければなりません。本人名義でない入校申し込みや、本人名義でない支払いは不可です。家族や勤務先の名義は不可です。クレジットカード払いの場合は本人名義のカード、銀行振り込みの場合は本人名義の振り込み、ローンを組む場合も本人がローン契約をしなければなりません。

なお、自動車学校が分割払い、クレジットカード、デビットカード、教育ローンなどによる支払いを受け付けない場合がありますが、それはその自動車学校がその支払い方法に対応していないだけです(対応していないのであれば仕方がない)。もちろんクレジット払い等に対応している自動車学校もあり、教育訓練給付制度としては有効な支払方法です。

受講、卒業

入校の手続きを完了し、入校時の適性検査を受けた日が受講開始日となります。

自動車学校の教習は、前半の第1段階と後半の第2段階に分かれています。

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第1段階の学科教習と技能教習を全て受け、学科教習の効果測定と技能教習のみきわめに合格すると、修了検定となります。なお、この「修了検定」は第1段階修了のための検定であって、教育訓練全体の修了ではありません。修了検定に合格すれば仮運転免許学科試験となり、合格すれば仮運転免許証が発行され、路上に出て第2段階の教習を受けることができます。

第2段階の学科教習と技能教習を全て受け、学科教習の効果測定と技能教習のみきわめに合格すると、卒業検定となります。「卒業検定」に合格すれば卒業証明書が交付されます。卒業証明書は運転免許試験場(運転免許センター)に提出し、本免学科試験に合格すれば正式な免許証が交付されます。

さらに、教育訓練給付金対象コースの受講者には「教育訓練修了証明書」「領収書」が交付されます。教育訓練給付制度の場合は、卒業検定の合格が教育訓練の「修了」となります。

  • 卒業証明書:運転免許試験場に提出
  • 修了証明書:ハローワークに提出
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なお、卒業後に「教育訓練給付指定講座修了者アンケート」へ回答します。このアンケートは集計して自動車学校が厚生労働省へ報告することが義務付けられています。

給付金の支給申請

教育訓練給付金の支給申請手続きは、卒業検定合格後1か月以内に本人の住所を管轄するハローワークに「支給申請書」を提出することによって行います。支給申請書には自動車学校が発行した「教育訓練修了証明書」「領収書」を添付します。

なお、自動車学校を卒業していればよく、その後の運転免許試験場の学科試験に合格している必要はありません。

支給申請の際、給付金の振込先口座を届け出ます。支給決定後7日以内に指定口座に振り込まれます。

6.その他の注意点

途中退校した場合

教育訓練給付金は卒業検定に合格した場合に支給されるので、途中退校の場合は支給されません。やむを得ない理由により途中で退校することになっても支給されません。その場合であってもすでに支払った教習費用は返還されず、全額自己負担となります。

キャンペーンを利用する場合

自動車学校のなかには「教育訓練給付金対象講座を選択するとキャンペーン等の割引や特典を受けられない」との説明をしている場合がありますが、正確には教育訓練給付金対象講座と独自の割引制度を併用することは可能です。その自動車学校が併用を認めないだけであって、併用を可能とすることは可能です。

なお、キャンペーン等の特典を利用して割引を受けた場合は割引後の価格が教育訓練経費となります。

コースの変更

途中でコースを変更した場合は、「修了」とは言えないので教育訓練給付金の支給対象外です。

原則として、教育訓練給付金対象講座を申し込んだ場合はそのコースを修了する必要があり、受講中にコース変更をしてはいけません。また、教育訓練給付金対象講座ではない一般の教習を申し込んだ後で、教習の途中から教育訓練給付金対象講座に変更することもできません。

訓練期間と時間数の表示について

厚生労働省では教育訓練の訓練期間を月単位で扱うため、1か月未満の訓練期間は「1か月」と表示されます。

また、自動車学校では「1時限=50分」とする時限数で計算しますが、厚生労働省では「1時間=60分」とする通常の時間に直して表示しています。また、入校時の適性検査も訓練時間に含まれ(適性検査料も給付の対象となるため)、その合計で60分未満の端数が出た場合は繰り上げます。

例えば、大型免許31時限+適性検査50分の場合、50分×31時限+50分=26時間40分で、繰り上げて「訓練時間=27時間」となります。

仕事の紹介はない

教育訓練給付金はハローワークの制度ですが、仕事の紹介や就職のあっせん等はありません。また、在職者も受給できるため求職申し込みも不要です。単に給付金の支給を受けるだけです。

7.補足説明

フォークリフトについて

フォークリフトの免許もあわせて申し込みをするにはこちらの記事もご覧ください。

支給要件回答書は参考資料にすぎない

前述のとおり、一般教育訓練の場合、入校申し込みの際に「教育訓練給付金支給要件回答書」の提出を求められることがあります。

しかし、この「支給要件回答書」は、ハローワークが受給資格があることを認めた証明書ではありません。支給要件回答書の提出によって入校申し込みができたとしても、給付が保証されたわけではないのでご注意ください。

支給要件照会は、基準日である受講開始日より前に行うため、支給要件照会をしてから受講を開始するまでの間に、離職等によって被保険者資格に変動があったり、適用対象期間の延長措置に変更があった場合は支給要件回答書のとおりにならない場合があります(支給要件照会票や回答書の裏面にも同様の注意書きがあります)。

注:支給要件回答書はハローワークや自動車学校が受給資格を保証した文書ではありません。

支給要件照会をしなくても支給申請は可能

一般教育訓練の場合、支給要件を満たしていない支給要件回答書では入校できません。しかし、それは自動車学校が申し込みを受け付けないだけであって、法律上は支給要件照会をしなくても自己責任で教育訓練給付対象講座を受講し、給付金の支給を申請することは可能です。つまり、支給要件照会を行う法的義務はありません。

しかし、支給要件照会をせずにいきなり入校しようとする人は、教育訓練給付制度の概要やハローワークでの手続きすら分かっていない可能性があるので、トラブルを避けるため申し込みを断っているのです。