専門実践教育訓練給付金の追加給付(賃金上昇による80%給付)の支給を受けるには、まず指定講座を修了し、資格取得等の要件を満たしたうえで、賃金が5%以上上昇している必要があります。申請手続きには、支給申請書と賃金上昇を確認できる書類を住所地を管轄するハローワークに提出します。
1.専門実践教育訓練の追加給付(賃金上昇)
専門実践教育訓練給付金(教育訓練経費の50%)の受給資格者が専門実践教育訓練を修了し、当該専門実践教育訓練が定める資格の取得等をし、かつ、当該専門実践教育訓練を受け修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者等として雇用された場合は、専門実践教育訓練給付金の追加給付(70%給付)の支給を受けることができます。
さらに、受講開始前の賃金と比較して5%以上上昇した場合には80%給付となります。ただし、2024年(令和6年)10月以降に受講を開始した場合に限られます。

2.申請の期限
70%給付(訓練修了+資格取得等+雇用)の条件を満たした後の、連続した6か月間の賃金を証明する必要があるため、原則として6か月以上経過しなければ申請できません。
したがって、70%給付(訓練修了+資格取得等+雇用)の条件を満たした日の翌日から起算して6か月経過したら申請することが可能となります。そして、その6か月経過した日から起算して6か月以内、つまり、あわせて「1年以内」が申請の期限となります。

3.提出する書類
専門実践教育訓練給付金の追加給付(賃金上昇による80%給付)の支給を申請するには、70%給付(資格取得等+雇用)の条件を満たした日の翌日から起算して1年以内に、住居所管轄のハローワークに次の書類を提出します。
- 教育訓練給付金支給申請書(追加給付用、記入して提出)
- 受講開始前の賃金を確認するための書類
- 雇用後または資格取得後の賃金を確認するための書類
- 教育訓練給付金受給資格者証(原本)またはマイナンバーカードの提示
- 専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告
教育訓練給付金(第101条の2の7第6号関係)支給申請書(専門実践(追加給付分(賃金上昇))申請用)
https://hoken.hellowork.mhlw.go.jp/static/kyoikukunrenshikyu_5.html

受講開始前の賃金を確認するための書類
受講開始前(受講開始日の前日または離職日から遡って賃金支払基礎日数が原則11日以上ある6か月間)の賃金を確認するための書類2点を提出します。なお、離職票の写しの提示等により、ハローワークで受講開始前の賃金が把握できる場合は、事業主の証明及び添付書類の提出は不要です。
- 賃金台帳または給与明細(写し)
- 出勤簿またはタイムカード(写し)
雇用後または資格取得後の賃金を確認するための書類
雇用後または資格取得後(1年を経過するまでの間における連続する6か月間)の賃金を確認するための書類2点を提出します。なお、離職票の写しの提示等により、ハローワークで資格取得後の賃金が把握できる場合は、事業主の証明及び添付書類の提出は不要です。
- 賃金台帳または給与明細(写し)
- 出勤簿またはタイムカード(写し)
教育訓練給付金受給資格者証またはマイナンバーカード
本人確認は、教育訓練給付金受給資格者証または個人番号カード(マイナンバーカード)に添付されている写真で確認します。マイナンバーカードを利用しない場合は受給資格確認の際に、「教育訓練給付金受給資格者証」が交付されますからこれを支給申請書に添付します。
なお、受給資格確認の際に、個人番号カード(マイナンバーカード)による本人確認を希望し、顔写真の添付を省略した場合は「受給資格者証」が交付されません。この場合は、個人番号カード(マイナンバーカード)を提示して認証を受けるだけでよいです。
4.その他の添付書類
支給申請の手続において、次に該当する場合はそれぞれ証明書類が必要です。
返還金明細書
領収書またはクレジット契約証明書(または必要事項が付記されたクレジット伝票)を発行した後、その金額が少なくなったとしても金額や日付を訂正することは禁止されています。
受講料の値引き等により、教育訓練経費の一部が教育訓練施設から本人に還付された場合または還付される予定の場合は、教育訓練施設が「返還金明細書」を受講者本人に発行しますので、それを提出する必要があります。
教育訓練経費に係る領収書
領収書は、未納としていた入学金または受講料について追納があった場合等、教育訓練経費に変更があった場合について、その分について提出します。変更がない場合は提出不要です。領収書の原本をハローワークに提出しますが、ハローワークで確認後、原則として本人に返却されます。
クレジットカード払いの場合は、クレジット契約証明書(または必要事項が付記されたクレジット伝票)を提出します。
委任状
本人住居所、本人氏名・印、代理人氏名、代理人住所、本人と代理人の間柄、代理人の所属、代理申請の理由及び本人の個人番号の提供について代理人に対して権限を付与する旨を明記した「委任状」が必要です。
5.申請者本人の記載事項(記入例)
1欄:被保険者番号
教育訓練給付金受給資格者証に記載されている被保険者番号を記入します。右詰めで記入し、マスが余る場合は空欄にしてください。

2欄:受講開始年月日
年月日は和暦で、年月日が1桁の場合は、それぞれ10の位の部分に「0」を付加して2桁で記入します。(例:令和4年3月31日→040331)

3欄:指定番号、教育訓練施設の名称、教育訓練講座名
指定番号、教育訓練施設の名称、教育訓練講座名は、教育訓練実施者の発行する「受講証明書」に記載された内容を記載します。

「※公共職業安定所記入欄」は記入してはいけません。
6~9欄(事業主の証明)
6~9欄は事業主が記入します。申請書をそれぞれの事業主に渡して記入してもらいます(後述)。

署名
最後に申請年月日と署名をします。捺印は不要です。

なお、裏面(第2面)は記入してはいけません。

6.受講開始前(賃金上昇前)の事業主の証明
6欄 就職先の事業所
事業所の名称、所在地、雇用保険事業所番号、電話番号を記入します。
賃金支払月(賃金支払基礎日数が原則11日以上ある月)の6か月分の証明が必要です。なお、1社だけでは賃金支払月が6か月未満となる場合は、さかのぼって複数の事業主の証明が必要となります。事業主が複数存在する場合は、離職証明書の用紙を続紙として用いても差し支えありません。

7欄 雇用期間中の賃金支払い状況
受講開始日の時点で在職者の場合
受講開始日の時点で在職者の場合(受講開始後に離職したか否かは無関係です)、受講開始日の直前の賃金締切日の翌日から受講開始日の前日までの期間を1行目に記入し、前月の賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間を順次さかのぼって、賃金支払月(賃金支払基礎日数が原則11日以上ある月)が6か月に達するまで記入します。

受講開始日の前日と賃金締切日が同日の場合(賃金締切日の翌日に受講を開始した場合)は受講開始日の前日からさかのぼります。

受講開始日の時点で離職者の場合
受講開始日の時点で離職者の場合(受講開始後に再就職したか否かは無関係です)、離職日の直前の賃金締切日の翌日から離職日までの期間を1行目に記入し、前月の賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間を順次さかのぼって、賃金支払月(賃金支払基礎日数が原則11日以上ある月)が6か月に達するまで記入します。

離職日と賃金締切日が同日の場合は当該離職日からさかのぼります。

賃金支払月が6か月連続している必要はありませんが、賃金支払月ではない月も省略せずに記入し、賃金支払月が6か月になるまでさかのぼります。

7.雇用または資格取得後(賃金上昇後)の事業主の証明
8欄 就職先の事業所
事業所の名称、所在地、雇用保険事業所番号、電話番号を記入します。
雇用+資格取得の条件を満たして1年以内に複数の事業主に雇用された場合は、申請者本人が1社のみ選択します。転職等によって連続する6か月間が確保することが困難であっても、賃金が5%以上上昇している場合は6か月未満でもかまいません(6か月未満であっても合計額を180で割ることに注意)。本人の意思により6か月未満の任意の月数を選択することも可能です。
9欄 雇用期間中の賃金支払い状況
賃金支払対象期間は、各賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間を1月として、連続する6か月間です。「賃金支払基礎日数11日以上」を考慮する必要はなく、「連続する6か月間」は、受給資格者が任意に選択した連続6か月間でよいです。

8.事業主の証明に関する補足
賃金支払対象期間
賃金締切日が1暦月中に2回以上ある場合は、各暦月の末日に最も近い賃金締切日を1か月の区切りとし、日々賃金が支払われる者等定められた賃金締切日のない者については暦月の末日を賃金締切日とみなします。
賃金支払基礎日数
賃金締切日で区切った1か月間のうち、賃金の支払いの基礎となった日数を記入します。
賃金支払基礎日数は、賃金の支払の基礎となった日数で、現実に労働した日数ではありません。例えば、休業手当が支給された場合にはその休業手当の支給の対象となった日数、有給休暇がある場合にはその有給休暇の日数等は、賃金支払の基礎となった日数に含まれます。
月給者についての「賃金支払の基礎となった日数」とは、月間全部を拘束する意味の月給制であれば月の暦日数(28日、29日、30日、31日)であり、休日を除いた期間に対する給与であればその期間の日数となります。月給者が欠勤して給与を差し引かれた場合は、その控除後の賃金に対応する日数が、「賃金支払の基礎となった日数」となります。
日給者についても「賃金支払の基礎となった日数」には、現実に労働した日でなくても、例えば、休業手当支払の対象となった日、有給休暇日等が含まれます。
深夜労働を行った場合の賃金支払の基礎となった日数の計算は、深夜労働に従事して翌日にわたり、かつ、その労働時間が8時間を超える場合には、これを2日として計算し、たとえ深夜労働を行って翌日にわたっても、労働時間が8時間を超えない場合は、これを1日として計算します。また、宿直については、宿直に従事して翌日にわたり、その時間が8時間を超えても2日としては計算しません。なお、この場合の賃金支払基礎日数は、各月の暦日数を上限とします。
賃金額
A欄は、賃金が月、週その他一定の期間によって定められている場合(労働日数によって賃金が変わらない月給制など)の賃金額です。B欄は、労働した日もしくは時間等によって算定されている場合(日給または時給制など)の賃金額です。無ければ空欄とします。
賃金締切日から離職日までの賃金(離職していない場合は受講開始日前日に離職したと仮定した場合の賃金)を日割りで算出した場合は、その額をB欄に記入し、備考欄に「締日から離職日までは日割で計算」などと記入します。
在職中に労働協約等の改訂に伴い賃金がさかのぼって引き上げられ、過去の月分に係る差額が支給された場合には、それぞれの該当月に支給された賃金額に当該差額を加えた額を記載します。
「計」はA欄とB欄の合計金額ですが、A欄またはB欄が空欄の場合には記載不要です。

3か月以内の期間ごとに支払われる賃金が支払事務の便宜等のために、年1回一括して支払われた場合には、当該賃金が本来支払われるべき日に支払われたものとして賃金日額の計算を行うこととし、本来支払われるべき金額が判明しているときはその金額が、本来支払われるべき金額が不明のときは、支払われた額を本来支払われるべき回数で除した金額が、本来支払われることとなる日に支払われたものとして記載します。
備考欄
備考欄には、欠勤があった場合の日付、日数、賃金締切日の変更、賃金形態の変更、特殊の賃金形態等賃金日額計算上参考となる事項を記載します。

未払い賃金
既に支払日が過ぎていながら、離職時までになお支払われていないもの(未払い賃金)があれば、備考欄に記載します。賃金締切日とその賃金の支払日との間に離職した場合は、支払日に支払われることが確実であれば未払賃金とせず、備考欄に記載します。
また、支払日に支払われなかった賃金が、離職前に支払われた場合には、当該支払われるべきであった賃金月の分に充当して支払われた賃金とします(この場合は未払賃金ではないので備考欄に記載しない)。
休業手当
事業主の責めに帰すべき理由による休業が実施され、休業手当が支払われた日がある場合には、備考欄に「休業」と表示の上、当該休業日数及び支払われた休業手当の額を記載します。
各期間に対応する賃金月の全期間にわたり休業が行われ、休業手当が支払われた場合は、「全休業」と表示の上、休業手当の額を記載します。
なお、「全休業」と表示する場合以外の場合には、休業手当が支払われた日が連続する場合であって、その連続する休業手当が支払われた期間中に就業規則等に規定された所定休日のみがある場合には、支払われた休業手当の額の記載の下に「休業期間中の所定休日」と表示の上、当該所定休日数を記載します。なお、この取扱いにおいて、休業期間中の所定休日のうち休業手当が支払われた日については、休業日数として記載します。







