専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金が80%となる条件、賃金上昇の計算方法、手続き【追加給付】

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専門実践教育訓練給付金は教育訓練経費の50%ですが、専門実践教育訓練を修了し、資格を取得するとともに一般被保険者等として就職することができた場合、給付率が70%になります。さらに、賃金が5%上昇したことを証明すれば給付率が80%になります。

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1.専門実践教育訓練給付金の「追加給付」とは

専門実践教育訓練給付金は通常、教育訓練経費の50%が支給されます。

さらに、専門実践教育訓練給付金(50%)を受給していた人が専門実践教育訓練を修了し、資格取得等し、修了後1年以内に一般被保険者等として雇用された場合、専門実践教育訓練給付金は教育訓練経費の70%となります。

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さらに、雇用または資格取得によって賃金が5%上昇したことを証明すれば80%になります。

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なお、80%のうち70%相当額は専門実践教育訓練受講中とその後の資格取得時に支給しているため、賃金が5%以上上昇した際に、10%相当額(70%相当額としてすでに支給している額との差額)を支給します。これを、「専門実践教育訓練給付金の追加給付(追加支給)」といいます。

2.法令改正について

2024年10月以降に限られる

専門実践教育訓練給付金の給付率が80%になる制度は、2024年(令和6年)10月1日に新設されたため、対象者は2024年(令和6年)10月1日以降に専門実践教育訓練を開始した場合に限られます。

2024年(令和6年)9月30日までに専門実践教育訓練を開始した場合は対象外です。

3.追加給付80%(賃金上昇)の条件

70%の条件をクリアすること

給付率を80%にするには、まず、給付率70%の条件(修了+雇用+資格取得等)をクリアしてその追加給付70%を受ける必要があります。なお、年齢制限はありませんが、適用対象期間が2年を超える場合は対象外です(後述)。

  • 追加給付70%(修了+雇用+資格取得等)の条件を満たして給付を受けること
  • 適用対象期間の延長措置によって、適用対象期間が2年を超えていないこと(通常1年+延長1年超)
  • 当該専門実践教育訓練受講開始前と比較して賃金が5%以上上昇したこと

注:給付率70%の条件をクリアせずに、給付率を80%にすることはできません。

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無収入の人は対象外

この制度の目的を簡単に言えば、労働者が現状の賃金を上げるために自分の仕事にかかわる教育訓練を受けることを推奨することであり、追加給付は賃金上昇に対するインセンティブです。そのため、最近働いて賃金をもらった人、具体的には当該専門実践教育訓練の受講開始日までに少なくとも6か月以上賃金をもらっていた人(賃金支払基礎日数11日以上の月が6か月あった人)が対象となります。

無職・無収入だった人が雇用されて収入を得られるようになった場合(上昇率を計算すると分母がゼロなのでエラーになります)は、追加給付70%(修了+雇用+資格取得等)の対象とはなりますが、追加給付80%(賃金上昇)は対象外です。

4.賃金上昇の計算方法

上昇する前の賃金(訓練開始前の賃金)

追加給付80%(賃金上昇)の比較対象である、上昇する前の賃金(訓練開始前の賃金)とは、当該専門実践教育訓練受講開始日前の直近の離職または当該専門実践教育訓練受講開始日における「賃金日額」に相当する金額(賃金支払月6か月間の合計金額÷180、上限・下限なし)のことです。

注:計算方法は、失業したときの雇用保険基本手当の賃金日額の算定方法と同様です。ただし、賃金の比較に用いるため、賃金日額の上限と下限は適用されません。

離職者の場合

一般被保険者等として雇用されていた者であって当該専門実践教育訓練受講開始日時点で離職していた者(離職者)の場合、離職日時点の賃金日額相当額を計算します。

つまり、離職日の直前の賃金締切日の翌日(被保険者となった日の属する月の場合は、被保険者となった日)から離職日までの期間を1か月として、前月の賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間を順次遡って、賃金支払月(賃金支払基礎日数が原則11日以上ある月)の6か月間の賃金を180で除して計算します。

在職者の場合

訓練受講開始日時点で一般被保険者として雇用されている者(在職者)の場合、訓練受講開始日の直前の賃金締切日の翌日から訓練受講開始日の前日までの期間を1月として、前月の賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間を順次遡って、賃金支払月の6か月間の賃金を180で除して計算します。賃金支払月は賃金支払基礎日数が原則11日以上ある月のことです。

上昇した後の賃金(訓練修了後の賃金)

追加給付80%(賃金上昇)の上昇後の賃金とは、当該専門実践教育訓練修了後、雇用された日または当該専門実践教育訓練に係る資格取得した日(遅いほうの日)から1年を経過するまでの期間における連続する6か月間の賃金額の合計を180で除した額です。

上昇後の賃金については「賃金支払基礎日数11日以上」を考慮する必要はなく、「連続する6か月間」は、受給資格者が任意に選択した連続6か月間でよいです。

注:賃金の比較に用いるため、賃金日額の上限と下限は適用されません。また、賃金額については1社のみにより算定します。

ただし、1社だけでは連続する6か月間が確保できない場合または本人の意思により6か月未満の任意の月数を選択することも可能ですが、6か月未満の期間であってもその合計を180で割ることに注意します

注:6か月未満の期間であってもその合計を180で割って計算することに注意します。180で割って、受講前賃金日額の105%以上になっていればOKです。

修了後に就職した場合

訓練受講修了日より後に一般被保険者等として雇用された者の場合、雇用された日と資格取得等をした日を比較して遅いほうの日から起算して1年を経過する日までの間における各賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間を1月として、連続する6か月間の賃金から賃金日額相当額を算定します。

修了日時点で雇用されている在職者

訓練受講修了日時点で一般被保険者として雇用されている者の場合、資格取得等をした日から起算して1年を経過する日までの間における各賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間を1月として、連続する6か月間の賃金から賃金日額相当額を算定します。

5.追加給付の支給申請手続

追加支給の申請期間

追加給付80%(賃金上昇)の申請期間は、当該専門実践教育訓練を修了の上、当該専門実践教育訓練に係る資格等を取得し、かつ、一般被保険者等として雇用された日から1年以内です。

なお、訓練修了時点で在職者である場合や資格取得等より先に雇用された場合は、資格取得等をした日から1年以内です。

支給申請期限の日が行政機関の休日(土曜日、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日並びに12月29日から翌年1月3日までの日)に当たる場合には、その行政機関の休日の翌日が申請期間の末日とみなされます。

申請方法

専門実践教育訓練給付金の追加給付の支給を受けるには住居所管轄ハローワークに、追加給付用の「教育訓練給付金支給申請書」と証明書類を提出します。

なお、ハローワークに出頭する必要はなく、郵送や電子申請によって行うことも可能です。郵送の場合は発信日(消印)を申請日とします。

支給決定の通知、給付金の振込

ハローワークが給付金の支給決定または不支給決定を行ったときは、申請のときに提出した教育訓練給付金受給資格者証の裏面にその決定内容を印字出力し、返却します。郵送及び電子申請の場合は、後日郵送によって返却されます。

支給決定を行ったときは10%相当額が一括で支給されます。支給決定日の7日以内に指定の口座に振り込まれます。教育訓練給付金の口座振込の手続については、専門実践教育訓練給付金(50%)と同じです。

6.賃金上昇に関する注意点

上昇前と上昇後の違い(比較)

上昇前の賃金は必ず賃金支払い月6か月分の賃金を証明する必要があるため、複数の事業主の証明を要することがあります。これに対し、上昇後の賃金は1社のみを選択しなければなりません。原則として連続した6か月間を任意に選択しますが、6か月未満であってもかまいません(6か月未満の期間であってもその合計を180で割って計算することに注意)。

上昇前の賃金の基準日(起算日)は受講開始日または受講開始前の離職日です。上昇後の賃金は訓練修了日または訓練修了後の再就職日です。

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上昇前の賃金

賃金支払月が6か月未満の場合

上昇の賃金の計算について、1社のみでは11日以上の賃金支払基礎日数が6か月に満たない場合は、受講開始日直前の離職日から遡って複数の事業主から賃金の証明をしてもらう必要があります。

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訓練中または修了後に離職した場合

受講開始日時点で在職者である人は前述のとおり、受講開始日の前日を基準として賃金日額を算定し、受講開始日に雇用されていたときの事業主が証明します。

これは教育訓練の受講期間中や修了後に離職または別の会社に再就職した場合も同じです。

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上昇後の賃金

訓練中に離職した場合

受講開始日において在職者が、訓練修了前に離職した場合、上昇の賃金については訓練修了時点または修了後の再就職先の賃金が対象となります。訓練修了日の翌日から1年以内に再就職した日(資格取得等より先に雇用された場合は、資格取得等をした日)の翌日から6か月を経過した日から起算して6か月以内に申請を行います。

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資格取得後に転職した場合

訓練修了時点で在職者であった者が、資格取得後に離職し、再就職(転職)した場合は2つの事業主のうち1つだけ任意に選択します(上昇後の賃金は1社のみ)。

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6か月未満で離職した場合など、連続する6か月の賃金を算出することが困難な場合、6か月未満の賃金の証明で差し支えありませんが、6か月未満の期間であってもその合計を180で割って計算することに注意します。

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7.補足

適用対象期間が2年を超える場合は対象外

給付対象者が教育訓練開始日時点で離職者の場合、適用対象期間を延長することができます。

しかし、専門実践教育訓練給付金の給付率80%の追加給付について、適用対象期間が2年を超える場合は対象外です(雇用保険法施行規則第101条の2の7第6号)。つまり、本来の適用対象期間は1年間なので、延長措置によって1年を超える延長をした場合は、給付率80%の対象外となります。

注:専門実践教育訓練給付金の給付率「80%」が対象外となるのであって、「50%」「70%」の対象であることに注意します。

適用対象期間が2年を超えると、直近の離職日が教育訓練受講開始日の2年以上も前になる(適用対象期間は最大20年まで延長できるので20年前の賃金と比較することもありえる)ため、資格取得等が賃金上昇の直接の原因とは言えないからです。資格取得等と賃金上昇の直接的因果関係を証明できないだけで、教育訓練によって就職できたことは証明可能であるため「70%」の対象となります。