専門実践教育訓練給付金の追加給付を申請するときは、ハローワークに教育訓練給付金支給申請書と教育訓練受給資格者証その他の添付書類を提出します。
1.追加給付について
専門実践教育訓練給付金(教育訓練経費の50%)の受給資格者が専門実践教育訓練を修了し、当該専門実践教育訓練が定める資格の取得等をし、かつ、当該専門実践教育訓練を受け修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者等として雇用された場合は、専門実践教育訓練給付金の追加給付の支給を受けることができます。
追加給付の条件を満たした場合の給付率は70%となります。すでに50%分は支給済みのため、残りの20%分が一括で支給されます。
2.追加給付の支給申請期間「1か月以内」
専門実践教育訓練給付金の追加給付については、追加給付の条件(訓練の修了+資格取得等+就職)をすべて満たした日の翌日から起算して1か月以内に申請をしなければなりません(支給申請期間)。
3つの条件を満たした日の翌日から1か月以内
- 専門実践教育訓練を修了したこと
- 当該専門実践教育訓練修了前または修了から1年以内にあらかじめ当該専門実践教育訓練で定められた資格の取得等をしたこと
- 当該専門実践教育訓練を修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者等として雇用された、または雇用されていること
ただし、支給申請期限の日が行政機関の休日(土曜日、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日並びに12月29日から翌年1月3日までの日)に当たる場合には、その行政機関の休日の翌日が申請期間の末日とみなされます。
訓練修了後に、資格取得等と就職を満たした場合
当該専門実践教育訓練を修了のうえ、当該専門実践教育訓練において予定されていた資格取得等をした後で、雇用保険の一般被保険者等として雇用された場合、その就職した日が訓練修了日の翌日から1年以内であれば追加給付の条件を満たします。
この場合の支給申請期間は、雇用された日の翌日から起算して1か月以内です。
当該専門実践教育訓練を修了のうえ、雇用保険の一般被保険者等として雇用された後で、当該専門実践教育訓練において予定されていた資格取得等をした場合、その資格取得等をした日が訓練修了日の翌日から1年以内であれば追加給付の条件を満たします。
この場合の支給申請期間は、資格取得等をした日の翌日から起算して1か月以内です。
なお、もともと受講開始時に受験が予定された最初の試験が訓練修了日の翌日から1年以内に無い場合はハローワークに相談してください(後述)。
訓練修了より前に資格取得等と就職を満たしている場合
当該専門実践教育訓練を修了する前に雇用保険の一般被保険者等として雇用されていた人が、訓練修了の前に当該専門実践教育訓練において予定されていた資格取得等をした場合、訓練修了をもって追加給付の条件を満たします。
また、当該専門実践教育訓練を修了する前に、当該専門実践教育訓練において予定されていた資格取得等をしていた人が、訓練修了の前に雇用保険の一般被保険者等として雇用された場合も、訓練修了をもって追加給付の条件を満たします。
この場合の支給申請期間は、当該専門実践教育訓練を修了した日の翌日から起算して1か月以内です。
訓練修了後に条件を満たした場合
当該専門実践教育訓練の修了の前に、当該専門実践教育訓練において予定されていた資格取得等をした場合、訓練修了日の翌日から1年以内に一般被保険者等として雇用されれば、追加給付の条件を満たします。
この場合の支給申請期間は、雇用された日の翌日から起算して1か月以内です。
当該専門実践教育訓練を修了した時点で雇用保険の一般被保険者等として雇用されている場合、訓練修了日の翌日から1年以内に、当該専門実践教育訓練において予定されていた資格取得等をすれば、追加給付の条件を満たします。
この場合の支給申請期間は、資格取得等をした日の翌日から起算して1か月以内です。
3.修了後1年以内の就職が困難な場合の申請期間
専門実践教育訓練を受け、修了した日の翌日から起算して1年以内に雇用されることが困難な場合、やむを得ない事情があれば1年以内でなくても、追加給付の支給を受けられる場合があります。
この場合は雇用された日の翌日から起算して1か月以内が申請期間となります(教育訓練の修了から1年以上経過していてもかまいません)。
感染症で資格取得等ができなかった場合
本人がインフルエンザ等の感染症に感染し、当該専門実践教育訓練の修了年度に実施される資格の取得等に必要な試験を受けることが出来なかった場合は、受講修了年度の次年度の資格試験等を受けて資格取得等し、受講修了年度の翌々年度当初までに一般被保険者等として就職すれば支給申請が可能です。
支給申請期間は、一般被保険者等として就職した日の翌日から起算して1か月以内です。
法科大学院を修了し、法曹資格を得る場合
受講修了年度の翌年度の司法試験後に司法修習を開始した後、受講修了年度の翌々年度の司法修習生の考試を修了し、翌翌々年度当初までに一般被保険者等として就職した場合も支給申請が可能です。
支給申請期間は、一般被保険者等として就職した日の翌日から起算して1か月以内です。
4.提出する書類
教育訓練給付金支給申請書
専門実践教育訓練給付金の支給を申請するには、各支給単位期間の末日の翌日から起算して1か月以内に、住居所管轄のハローワークに「教育訓練給付金支給申請書」(追加給付用)を提出します。
教育訓練給付金支給申請書の提出に際しては、次の確認書類を添付します。ただし、提示するだけの場合もあります。
支給申請の際に提出する書類・添付書類
- 教育訓練給付金支給申請書(記入して提出)
- 教育訓練給付金受給資格者証またはマイナンバーカード
- 資格取得等したことを証明する書類(合格証など)
- 教育訓練経費に係る領収書
- 教育訓練経費等確認書
- 専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告
教育訓練給付金受給資格者証またはマイナンバーカード
本人確認は、教育訓練給付金受給資格者証または個人番号カード(マイナンバーカード)に添付されている写真で確認します。
マイナンバーカードを利用しない場合は受給資格確認の際に、「教育訓練給付金受給資格者証」が交付されますからこれを支給申請書に添付します。「教育訓練給付金受給資格者証」はこの時に提出しますので、追加給付の条件を満たす(修了後1年間)まで保管しておかなければなりません。
なお、受給資格確認の際に、個人番号カード(マイナンバーカード)による本人確認を希望し、顔写真の添付を省略した場合は「受給資格者証」が交付されません。この場合は、個人番号カード(マイナンバーカード)を提示して認証を受けるだけでよいです。
教育訓練経費に係る領収書
領収書は、未納としていた入学金又は受講料について追納があった場合等、教育訓練経費に変更があった場合について、その分について提出します。変更がない場合は提出不要です。領収書の原本をハローワークに提出しますが、ハローワークで確認後、原則として本人に返却されます。
クレジットカード払いの場合は、クレジット契約証明書(または必要事項が付記されたクレジット伝票)を提出します。
教育訓練経費等確認書
支給申請者本人が教育訓練経費等確認書を記入して提出します。在職中の支給対象者の代理人または郵送による支給申請の場合も本人が記入します。教育訓練経費等確認書の用紙はハローワークでもらうことができます。
なお、支給申請書が支給申請の期限内に提出されれば、専門実践教育訓練経費等確認書が当該期限の後に提出されても、支給申請が期限内になされたものとして取り扱われます。
専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告
追加給付の支給を受けようとする場合に、「専門実践教育訓練給付追加給付受給時報告」が必要です。専門実践教育訓練によるキャリア形成等の効果等を把握することを目的とした書類であり、アンケートのようなものです。
5.その他の添付書類
支給申請の手続において、次に該当する場合はそれぞれ証明書類が必要です。
専門実践教育訓練修了証明書
専門実践教育訓練修了証明書は通常、最後の支給単位期間(修了時)について給付金の支給申請をするときに提出しています。この時に修了したことを確認していますので、追加給付の時の添付書類として提出することはありません。
ただし、最後の支給単位期間について支給申請をしていない場合など、修了の確認がとれていない場合のみ、講座を修了したことを確認するために提出します。
委任状
本人住居所、本人氏名・印、代理人氏名、代理人住所、本人と代理人の間柄、代理人の所属、代理申請の理由及び本人の個人番号の提供について代理人に対して権限を付与する旨を明記した「委任状」が必要です。
やむを得ない理由を記載した証明書
代理人または郵送により申請を行う場合には、疾病又は負傷、1か月を超える長期の海外出張その他やむを得ない理由を記載した証明書が必要です。なお、在職者の支給対象者はハローワークへの出頭が困難であることの理由説明書を提出します。
返還金明細書
領収書またはクレジット契約証明書(または必要事項が付記されたクレジット伝票)を発行した後、その金額が少なくなったとしても金額や日付を訂正することは禁止されています。
受講料の値引き等により、教育訓練経費の一部が教育訓練施設から本人に還付された場合または還付される予定の場合は、教育訓練施設が「返還金明細書」を受講者本人に発行しますので、それを提出する必要があります。
6.支給決定の通知
ハローワークが給付金の支給決定または不支給決定を行ったときは、申請のときに提出した教育訓練給付金受給資格者証の裏面にその決定内容を印字出力し、返却します。郵送及び電子申請の場合は、後日郵送によって返却されます。
支給決定を行ったときは、支給の決定があった7日以内に指定の口座に振り込まれます。