教育訓練休暇給付金教育訓練給付金制度まとめ基本手当(失業手当)との関係

教育訓練休暇給付金と教育訓練給付金の違い、他の教育訓練給付との併用【比較】

PR

教育訓練休暇給付金と教育訓練給付金は目的と支給内容が異なります。教育訓練休暇給付金は、教育訓練休暇期間中の生活を支えるために支給される給付です。教育訓練給付金は、教育訓練を受講・修了した場合に、受講料など教育訓練にかかった費用の一部を補助する制度です。教育訓練休暇給付金は「休むこと」への生活費の支援、教育訓練給付金は「学ぶ費用」への支援という点が大きな違いです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

1.教育訓練給付金と教育訓練支援給付金

教育訓練給付金とは

教育訓練給付金が支給される教育訓練には一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の3種類があります。

ハローワークに申請することによってそれぞれ一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金が支給されます(雇用保険法施行規則第101条の2の7)。

単に「教育訓練給付金」と言えば、これら3種類の給付金を指します。

教育訓練「休暇」給付金

教育訓練休暇給付金とは、労働者が在職中に、スキル向上や資格取得などを目的とした教育訓練のために無給の休暇(教育訓練休暇)を取得した場合に、生活費の一部を補填するため雇用保険から支給される給付金です。離職せずに学び直しや能力開発に取り組める環境を整えることを目的としており、一定の雇用保険の被保険者期間などの要件を満たす必要があります。

2.給付の目的の違い

3種類の教育訓練給付金(一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金)は、在職者または離職者が主体的に教育訓練を受講し、能力開発やキャリア形成を支援することで雇用の安定と就職の促進を図ることを目的としています。雇用の安定と再就職の促進が第一の目的です。

これに対して、教育訓練支援給付金は、失業者が専門実践教育訓練を受講するときの生活を支援するための給付です。その意味で基本手当(求職者給付)とほぼ同じ目的です。

3.制度の違い

対象となる教育訓練

教育訓練給付金の対象となる教育訓練は、厚生労働大臣指定の教育訓練給付金対象講座(教育訓練給付金の講座指定を受けた教育訓練実施者が行う教育訓練)のみです。

教育訓練休暇給付金の対象となる教育訓練は、厚生労働大臣指定の教育訓練給付金対象講座に限られません。次のような教育訓練も対象となります。

  • 学校教育法に基づく大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校又は各種学校が提供する教育訓練
  • 教育訓練休暇給付金の支給を受けようとする一般被保険者の疎明をもとに、住居所管轄安定所の長が制度趣旨に合致することを確認したもの(司法修習、語学留学、海外大学院での修士号等の取得など)

給付金額の計算方法の違い

3種類の教育訓練給付金(一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金)は、教育訓練経費に対する給付率で計算します。教育訓練経費は入学金と受講費の合計であり、教育訓練経費に給付率をかけて求めます。

これに対して、教育訓練休暇給付金は教育訓練経費とは関係なく、基本手当と同額とされています。

  • 教育訓練休暇給付金=基本手当日額×給付日数

給付条件と証明書類の違い

教育訓練給付金は教育訓練の修了(専門実践教育訓練の場合は修了の見込みをもって受講すること)が条件となります。そのため、教育訓練給付金の申請には修了証明書(受講証明書)の提出が必須です。修了しなければ支給されません。

教育訓練休暇給付金は教育訓練休暇の取得が条件となります。そのため、教育訓練の修了を証明する必要はなく、受講したことを証明すれば足ります。事業主が休暇の取得を証明すればよく、修了または目標資格の取得をしなくても給付されます。そのため、教育訓練休暇給付金の申請には受講を証明する書類(領収書等)と事業主が承認したことを示す書類を提出します。

4.教育訓練休暇給付金と教育訓練給付金の併用

教育訓練休暇給付金と教育訓練給付金の受給は互いに影響せず、両方受給することが可能です。その意味ではこれらは独立した給付金と言えます。

休暇中の教育訓練給付金

教育訓練休暇中の教育訓練が厚生労働大臣指定の教育訓練給付金対象講座であれば、教育訓練給付金(一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金)を受給できます。
つまり、教育訓練休暇中の30日ごとに1回、教育訓練休暇給付金が支給され、教育訓練修了時に教育訓練給付金が支給されます。両方とも申請すれば受給できます。

教育訓練休暇給付金が支給されるのは休暇開始日から起算して原則として1年以内(受給期間)ですが、教育訓練自体は1年で終わる必要はありません。

教育訓練休暇給付金の支給が1年間で終わっても、そのあと、教育訓練を修了すれば教育訓練給付金が支給されます。専門実践教育訓練給付金の場合は6か月に1回支給され、教育訓練が終わるまで給付が止まることはありません。

なお、教育訓練支援給付金は離職者のみなので、在職者を対象とする教育訓練休暇給付金と併用できません。

過去に支給を受けたことがある場合

過去に教育訓練休暇給付金の支給を受けたことがあったとしても、教育訓練給付金、教育訓練支援給付金の受給にはまったく影響はありません。

教育訓練休暇給付金は教育訓練給付金の支給要件期間に影響しません。教育訓練休暇開始日前の被保険者であった期間は教育訓練給付金の支給要件期間に含まれます。教育訓練休暇期間も休暇であっても「在職中」であることに変わりはないので含まれます。

過去に教育訓練給付金または教育訓練支援給付金の支給を受けたことがあったとしても、教育訓練休暇給付金の受給にはまったく影響はありません。

5.不正受給の関係

偽りその他不正の行為により教育訓練給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付を支給しません(雇用保険法第60条の5)。この不正受給処分の規定は教育訓練休暇給付金も含まれます。

しかし、不正受給処分によって「支給されたものとみなす」ことになったとしても、上記と同じように影響はありません。

  • 教育訓練給付金、教育訓練支援給付金の不正受給処分があっても、教育訓練休暇給付金の受給に影響はありません。
  • 教育訓練休暇給付金の不正受給処分があっても、教育訓練給付金、教育訓練支援給付金の受給に影響はありません。
  • 教育訓練休暇給付金の不正受給処分があっても、教育訓練給付金の支給要件期間に影響はありません。

6.補足説明

教育訓練給付金の違い

一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金の違いについてはこちらの記事をご覧ください。

給付金の併用について

教育訓練給付(一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、教育訓練支援給付金)の併用についてはこちらの記事をご覧ください。