専門実践教育訓練給付金受講証明書は、正式には「教育訓練給付金(第101条の2の7第4号関係)受講証明書」といい、教育訓練修了証明書に準じる書類です。6か月ごとの支給を受けるときの添付書類としてハローワークに提出します。
1.専門実践教育訓練給付金受講証明書の概要
受講証明書の種類
教育訓練給付制度において「受講証明書」は3種類あります。専門実践教育訓練給付金用の受講証明書(教育訓練給付金(第101条の2の7第4号関係)受講証明書)は他の受講証明書とは異なります。
- 専門実践教育訓練給付金受講証明書(教育訓練給付金(第101条の2の7第4号関係)受講証明書)
- 教育訓練支援給付金受講証明書
- 教育訓練受講証明書(離職者が基本手当受給中に受講する場合にハローワークに提出する)

専門実践教育訓練給付金受講証明書とは何か
教育訓練給付金は本来、当該教育訓練を修了した時に支給されるものですが、専門実践教育訓練については修了していなくても、「当該専門実践教育訓練の受講状況が適切」であれば、6か月ごとに支給されます。支給申請の時点では修了していないので「修了証明書」も発行されません。
雇用保険法施行規則 第101条の2の3
法第六十条の二第一項の厚生労働省令で定める場合は、第百一条の二の七第四号に規定する専門実践教育訓練を受けている場合であつて、当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められるときとする。
そこで、修了証明書の代わりに発行されるのが、受講証明書(専門実践教育訓練給付金受講証明書)です。
専門実践教育訓練給付金受講証明書は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を実施した教育訓練実施者(専門学校、スクール、通信教育事業者、企業等)が、「当該専門実践教育訓練の受講状況が適切であると認められる」受講者に対して発行する証明文書です。
受講者は、支給単位期間の末日の翌日から起算して1か月以内に、住居所を管轄するハローワークに支給申請を行う必要があり、その添付書類として受講証明書を提出します。
受講証明書の提出
受講証明書は、いったん教育訓練実施者から受講者本人に交付されますが、受講者本人がその証明書原本をハローワークに提出します。

ハローワークに提出する受講証明書には「公共職業安定所長 殿」と書いてあります。この受講証明書は、あくまで「教育訓練実施者がハローワークに対して適切に受講していることを報告する書類」であり、本人が持っていても何の効力もありません。

2.受講証明書の発行義務
教育訓練実施者は受講証明書の発行について、適正に処理することが求められます。
受講認定基準の周知
受講認定基準については、受講者との間でその判断に関するトラブルが生じないよう、出席率や受講試験の合格点など客観的な指標によって定めておきます。
教育訓練実施者は、適切な受講状況を認定する際の基準となる受講認定基準を学則や教育規程等に明記し、これに基づいて受講の事実を適正に判断したうえで受講確認を行う義務があります。
受講希望者が受講を申し込む際には、受講認定基準の内容及びその受講認定基準を満たさなければ受講証明書が発行されないことについて、文書によって明示しあらかじめ周知する必要があります。
受講証明書の発行事務
教育訓練実施者は受講の認定の可否を判断し、受講証明書を無料で発行する義務があります。受講証明書を交付する際に、事務手数料を徴収してはいけません。
受講証明書については、教育訓練実施者名を記入の上、教育訓練施設の長が受講したことを証明します。教育訓練実施者は、当然その発行について責任を負います。
なお、認定されなかった者に対しては、その事実と理由を文書により通知する義務があります。
修了する見込み
教育訓練施設は、受講者ごとに受講状況を的確に把握した上で、受講認定基準を適用して受講の認定の可否を判断し、認定された者に限って受講証明書を発行しなければなりません。
受講証明書において「講座を修了する見込みがない」とされている場合、当該支給単位期間以降の全期間について不支給となります。講座を修了する見込みがないとは、当初講座を修了することが予定されていた期間内に修了できないことを指し、成績不十分である場合のほか、休学等のため受講開始当初に予定された受講期間内に修了できない場合を含みます。
ハローワークでは、専門実践教育訓練を受講している実態があるか、支給申請者から講座の内容、受講状況の聞き取り等により確認することがあります。
虚偽の受講証明書により支給申請を行った場合には不正受給となります。万が一、出席率や成績を満たしていない受講者に対して偽りの受講証明書を発行した場合、教育機関名が公表され指定取り消し処分を受けることになります。
受講証明書の発行時期
受講証明書は、受講認定基準を満たした場合に、が支給申請書用紙、領収書(クレジット契約証明書)、教育訓練給付金支給申請書記載に当たっての注意事項(専門実践教育訓練版)とともに発行します。
教育訓練施設は、支給単位期間に係る受講後速やかに(1週間程度以内に受講者に届くことを目途に)受講証明書を、本人に対して郵送、メールまたは手交によって交付しなければなりません。
発行管理台帳の整備
教育訓練実施者は、受講証明書の発行管理台帳(受講証明書のコピー等の控えを検索が可能となるよう体系的に整理したファイルでも可能)を整備し、受講証明書の発行から最低2年間は保管する義務があります。
3.受講証明書の用紙
ハローワーク提出用の受講証明書の様式は、厚生労働省「教育訓練施設用教育訓練給付制度関係手引」によって定められているため、教育訓練施設で勝手に書式を作成することはできません。
受講証明書の用紙については、教育訓練施設は、教育訓練給付制度関係書類請求書によって必要枚数(1年分)を、教育訓練施設の所在地を管轄する公共職業安定所長あて請求し、交付を受けます。
残枚数が少なくなった場合についても、教育訓練給付制度関係書類請求書に、所要事項を記入して、教育訓練施設の所在地を管轄する公共職業安定所長あて請求します。
4.受講証明書の記載事項
通番
通番は、受講証明書を特定するために、照会があった時にすぐに探せるように教育訓練施設が管理するために任意に付けた連番であり、この番号は特に意味はないです。
住所
住所欄には、教育訓練施設が受講証明書の発行時点において把握している受講者本人の住所を記入します。
このため、受講者が受講申込後に転居した場合は、教育訓練施設に新住所の届出がなければ旧住所の受講証明書を発行することになるため、転居後すみやかに教育訓練施設に転居の届出をしておく必要があります。
また、通信制講座の受講申込みの際、教材等の受取りの便宜のために勤務先等の住所を教育訓練施設に届け出てもかまいませんが、その場合は、あわせて本人の住所を届け出ておく必要があります。
氏名
改姓等により領収書に記載された受講者氏名と異なる場合は、その事実は受講証明書の備考欄に記載します。
教育訓練講座名、指定番号、実施方法、訓練期間
訓練期間は、所定の訓練期間(これまでの訓練期間ではなく開始から修了までの全期間のこと)を月単位(端数は切り上げ)で記入します。
受講認定基準を満たさない等、教育訓練の延長により所定の訓練期間より本人の受講期間が延びた場合であっても、「訓練期間」の欄には所定の訓練期間を記載します。なお、教育訓練実施者は、本来の所定訓練期間を大幅に超過しないように努めなければなりません。
受講開始日
受講開始日は、受講者の受給資格の可否を決定する重要な日付となります。
通学制の場合は対象教育訓練の所定の開講日のことです。受講申込みの時点で開講日を教育訓練実施者が証明する受講開始日として、受講者に対して文書により明示します。
通信制の場合は受講申込み後に教材等をはじめて発送した日のことです。受講申込又は入金確認次第、速やかに教材を発送し、教材等をはじめて発送した日を教育訓練実施者が証明する受講開始日として、受講者に対して文書により通知します。
なお、「厚生労働大臣指定教育訓練講座一覧」に記載された「開講月」は、指定時における講座の開講予定時期に過ぎないものであるので、受講証明書の「受講開始日」は、これと異なっていても差し支えありません。
教育訓練経費
教育訓練経費は、通常の支払手段による場合は教育訓練実施者が領収した額、クレジット契約による場合はクレジット契約額(クレジット会社に対する手数料(金利)を除いた正味の額)、通常の支払手段とクレジット契約が併用されている場合はそれらの合計額となります。
支給申請書に記載された教育訓練経費が、受講証明書、領収書(クレジット契約証明書を含む。複数枚の場合はその合計額)に記載された教育訓練経費と同一額であることを確認します。
入学料または受講料が未納となっている場合
受講証明書の発行日の時点で、教育訓練実施者に対して未納としている入学料または受講料がある場合は、クレジット会社を介して支払う契約が成立している場合を除き、この額を教育訓練経費としてはいけません。その額を「未納額」と明記して備考欄に記入します。
受講証明書が発行された後、支給申請までに支払った場合は教育訓練経費に含めることができます。受講証明書発行時点から支給申請が行われるまでの間に支払われた額については、その事情を明記した上で「領収書」を発行します。
返還した場合
所定の入学金または受講料を受け取った後で、教育訓練受講日までに、受講者に対して入学料または受講料の全部または一部を返還した場合は、その額を「返還額」と明記して備考欄に記入するとともに、教育訓練経費の額から控除します(控除した額の領収書を発行する)。
また、領収書交付後の返還である場合は返還金明細書の発行を行います。支給申請書には返還金明細書の金額を控除した額を記入します。
教育訓練経費を本人が負担していない場合
事業主等が対象教育訓練の受講に要した経費の全部または一部を支払った場合、教育訓練経費に該当しないので、その額を控除したうえで「事業主等支払額」と明記として備考欄に記入します。
奨学金が支給されている場合、返済義務のない奨学金及び返済義務のある奨学金であって、支給申請までに返済を受けていない金額については教育訓練経費に該当しないので、その額を控除したうえで備考欄に記入します。
指定教育訓練の受講に係る受講生紹介制度により紹介を受けたことにより現金、金券又は商品等の贈与及び受講料の割引があった場合、当該謝礼の金額は教育訓練経費に該当しないので、その額を控除したうえで備考欄に記入します。
変更承認を受けた場合
教育訓練経費について変更承認を受けた場合は、備考欄に「変更有効日○月○日以降の変更承認額該当」と明記します。
また、教育訓練経費の変更承認を受けながら受講開始時期の違い等により、支給申請者に対して、変更前の金額の支払いを求めた場合は、備考欄に「変更有効日○月○日以降の変更承認額不該当」と明記します。
支払方法、支払手段、割増・割引
支払方法は、一括払・分割払(教育訓練実施者に対する分割払を意味し、クレジット会社に対する分割払ではない)のいずれかであるかを記入します。
支払手段は、支払手段が通常のものかクレジット契約によるものかを記入し、クレジット契約の場合はクレジット会社名を記入します。
また、教育訓練経費がその教育訓練における標準額であるか、割増・割引の適用の有無とその理由を簡単に記入します。
教育訓練の実績等の確認方法
「教育訓練の実績等の確認方法」は、受講認定基準に照らして修了の見込みがあることを確認した方法について記入します。受講認定基準に照らして、出席日数や定期テストによる得点、実習等における評価等について出席簿、成績簿等により確認するなど具体的な方法を記載します。
教育訓練実施者名、教育訓練施設の名称、所在地、電話番号、長の職名・氏名
不正受給を防止するために、手書きではなく、スタンプや印字装置によって記入します。
5.受講証明書の記載事項の訂正、再発行
教育訓練実施者は、発行した受講証明書に不備があり、申請者本人より修正・再交付・付記等の要求があった場合、速やかに対応する必要があります。
受講証明書の記載事項について訂正する場合、教育訓練実施者の署名のないものは無効である。特に、氏名、指定番号、受講開始日及び教育訓練経費については、教育訓練給付金の支給決定の基礎となる重要な項目であり、訂正のない証明書を発行します。
やむを得ない理由により受講証明書を再交付することとなった場合は、再交付であることを備考欄に明記します。
6.指定取消があった場合
専門実践教育訓練が、受講開始後に指定取消となった場合、当初の指定内容に沿った教育訓練が実施され、それを修了する見込みがある場合又は修了した場合には、専門実践教育訓練を修了する見込みがある又は修了したものとみなします。
7.教室における受講証明書の発行
教室で実施された対象教育訓練については、受講証明書の下段の証明欄において、「教育訓練実施者名」「教育訓練施設」の名称、所在地、電話番号、長の職・氏名の他、「教室」の名称、所在地、電話番号を併記します。受講証明書の証明欄の印については、証明書の発行実務を教室が行う場合であっても、教育訓練施設の長の印が必要です。
| 用語 | 受講証明書 |
| 読み | じゅこうしょうめいしょ |
| 正式名称 | 受講証明書(雇用保険法施行規則第101条の2の7) |
| 英語 | Certificate of Course Completion |
| 関連用語 | 教育訓練給付金 |








