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一般教育訓練給付金を利用して行政書士試験対策講座を受講する条件、支給申請手続き _ pr
資格・講座

一般教育訓練給付金を利用して行政書士試験対策講座を受講する条件、支給申請手続き

行政書士の試験対策講座を受講して、修了認定を受けると、ハローワークで一般教育訓練給付金の支給申請手続きをすることができます。本来、行政書士試験対策講座は一般と特定一般の対象ですが、現在、特定一般教育訓練の指定を受けた教育訓練講座は実施されていません。

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1.行政書士試験対策講座と一般教育訓練給付金

教育訓練給付金の種類

行政書士は、行政書士法で定められた国家資格であり、業務独占資格かつ名称独占資格に該当するため、教育訓練給付金の対象となります。

行政書士試験の受験対策を目的とする講座は一般教育訓練給付金または特定一般教育訓練給付金の対象となります。ただし、すべての教育訓練施設で給付金が支給されるのではなく、厚生労働大臣の「教育訓練給付対象講座」の指定を受けたコースのみが対象となります。指定を受けるには各教育訓練施設が厚生労働省に対して事前に申請をしなければなりませんが、すべてのコースがその申請を行っているとは限りません。

現在、行政書士試験対策講座については一般教育訓練の講座のみ実施されており、特定一般教育訓練の指定を受けた講座は実施されていません。

ハローワークで申請すること

教育訓練給付金は講座の割引特典ではありません。また、教育訓練施設から返金されるものではありません。

まず、教育訓練施設で受講申し込みをする際にはその料金を全額(100%)支払います。このとき教育訓練給付金に相当する額を差し引いて支払ってはいけません。全額支払わなければ受講することができません。

そして、受講したコースを修了した後で、ハローワークに行って支給申請するとその20%が給付されます(ハローワークで給付金の振込先口座を届け出る)。

注:授業料は教育訓練施設に全額支払いますが、教育訓練給付金はハローワークから振り込まれます。

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2.教育訓練給付金の対象となる範囲

本人が負担した場合に限る

教育訓練給付金の対象となる教育訓練経費は、本人が教育訓練施設に対して直接支払った入学料、受講料、講座を受講するのに必須となるテキストの代金のみです。勤務先の会社が補助した場合は対象外です。また、修了試験に合格できなかった場合に受ける補講の費用は対象外です。

会社名義の領収書は不可です。受講者本人と会社が分担して支払った場合は本人が負担した額のみが経費とみなされます。会社から資格取得補助または合格奨励金などの名目で現金等の還付を受ける予定の場合は、その金額を差し引いて申請しなければなりません。キャンペーン等の特典を利用して割引を受けた場合は割引後の価格が教育訓練経費となります。

教育訓練給付金の下限

一般教育訓練給付金は、教育訓練経費の20%として計算した金額(小数点以下切り捨て)が4,000円に満たない場合は支給されません。4,001円以上になったら支給されます。そのため、一般教育訓練給付金の対象となるのは教育訓練経費が20,005円以上の講座のみとなります。20,004円以下の場合は対象外となります。

割引制度の適用を受けた結果、実質の負担額が20,004円以下となった場合も給付されなくなります。

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3.教育訓練給付金の受給条件

教育訓練給付金は雇用保険給付なので、雇用保険に一定期間加入していた被保険者または離職者だけが受給することができます。まったく働いたことが無く雇用保険に加入したことが無ければ対象外です。

教育訓練給付対象者

教育訓練給付対象者とは、受講開始日の時点で、職場で勤務していて雇用保険に加入している人(在職者)または会社を1年以内に離職した離職者のことをいいます(雇用保険法第60条の2第1項)。離職後、1年超経過している場合は対象外です。

教育訓練給付対象者

  • 在職者:雇用保険に加入している一般被保険者または高年齢被保険者
  • 離職者:一般被保険者または高年齢被保険者でなくなってから1年以内

この場合の「在職」「離職」は、雇用契約の有無ではなく、雇用保険の加入で判断します。アルバイト、パート、契約社員等であっても雇用保険の被保険者であれば受給することができます。逆に、正社員であっても雇用保険に加入していなければ対象外です。

なお、離職後1年以内の「1年」は延長することができます(適用対象期間の延長)。適用対象期間の延長について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

支給要件期間と受給制限

前述の教育訓練給付対象者が支給要件期間1年以上を満たしたときに教育訓練給付金が支給されます。この「支給要件期間」とは受講開始日までに雇用保険に加入していた期間のことです。要するに雇用保険に1年間加入していればよいです。転職した場合は転職前の期間も通算することができます。

なお、過去に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は、その教育訓練の受講開始日以降の支給要件期間が3年以上で、かつ支給決定日から3年経過している必要があります。なお、雇用保険の基本手当や傷病手当の支給を受けていても無関係です。

受講開始日

教育訓練給付対象者と支給要件期間の基準日はいずれも「受講開始日」です。

受講開始日は、教育訓練の所定の開講日(必ずしも本人の出席1日目とならないことがあります。)です。教育訓練施設によって異なりますから、申し込みをする前に確認しておいたほうが良いです。

通信制の場合、受講希望者が受講を申し込んだ後、教育訓練施設が受講者宛てに教材等を初めて発送した日です。e-ラーニングであればIDやパスワードなどを初めて発送した日または動画配信開始日となります。なお、受講開始日のギリギリに申し込んだ場合、開講日より後に発送されることがありますので、正式な受講開始日は教材到着後に確定します。

教育訓練施設には分からない

教育訓練給付対象者で支給要件期間を満たしている人でなければ、教育訓練を申し込んではいけません。

ところで、雇用保険の加入手続きは事業主がハローワークで行うため、雇用保険の加入実績はハローワークしか把握していません。教育訓練施設側では申し込みをしようとしている人が本当に受給資格者かどうかを判断することができません。また、個人情報であるため教育訓練施設からハローワークに問い合わせすることもできません。

そのため、実際には、受給資格が無いにもかかわらず、教育訓練給付対象コースを申し込むことは可能です。しかし、それを受講しても教育訓練給付金の支給を受けることができません。この場合、受講料は全額自己負担になります。

注:教育訓練の受講申し込みができたとしても、教育訓練施設が教育訓練給付の受給を保証したことにはなりません(保証するのは不可能)。

4.修了認定を受けること

教育訓練の修了について

教育訓練給付金は「厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合」に支給されます。「修了」と認定されなければ給付金は支給されません。修了とは、教育訓練(試験対策講座)を適切に受講したことを意味し、本試験に合格するか否かは関係ありません。

この点について、厚生労働省は「当該基準については、その修了に関して受講者との間で理解の齟齬が生じないよう、受講修了等に当たり施設が行う修了試験等の合否等、客観的な材料に基づいた基準とすることが必要です。加えて、当該基準は、社会通念上の常識的範囲を逸脱しないものであることが必要」としています。つまり、本試験に合格しなくても、教育訓練施設が独自に行う修了試験等による修了認定でよいということです。

具体的には、教育訓練施設が独自に行う修了試験等を受け、あらかじめ設定された「修了認定基準」を満たし、教育訓練施設が修了証明書を発行することによって修了を証明した場合に支給されます。

修了の条件

教育訓練施設が教育訓練の修了を認定するのに「出席率」と「修了試験の点数」を用いることがあります。

修了条件:出席率~%以上 かつ 最終修了試験~点以上

教育訓練施設によって修了に必要な出席率が異なりますので、申し込みをする前に確認しておいたほうが良いです(80%以上が多い)。教育訓練施設によっては欠席した時間の補講または振り替え授業を認める場合があります(必ず認められるわけではない)。また、通信教育の場合、「添削課題全部に80%以上の正解率」など添削課題の合格をもって出席とみなす場合もあります。

修了試験は教育訓練施設が独自に実施し、難易度も異なるため、修了に必要な得点率も異なります。通常は行政書士本試験より簡単な試験となっています。また、不合格だった場合の補講や追試を認めるかどうかについても教育訓練施設によって異なります。

修了認定基準の例

  • 講義と模擬試験の出席率80%以上、修了試験50%以上
  • 全講義回数の80%以上出席、確認テストの得点率70%以上
  • 確認テスト全部提出、全回80点以上

受講修了(予定)日

受講修了(予定)日は教育訓練施設によって定められた受講期限です。受講修了(予定)日までに修了認定基準をすべて満たして教育訓練を修了しなければなりません。

出席率が定められている場合は期限までに出席し、提出課題があればすべて提出して合格の評価を受け(提出するだけではダメ)、確認テストや最終試験があればすべて受験して合格の評価を受け(受験するだけではダメ)、追試験や補講がある場合はそれをすべて終えなければなりません。

受講修了(予定)日までに修了の認定を受けなければ、教育訓練給付金の対象外となります。

授業料の割引ではない

教育訓練給付金は「当該教育訓練を修了した場合」に支給されるもので、受講の申し込みをしただけで返金されるものではありません。修了条件をクリアできなかった場合の授業料は全額自己負担となります。

5.受講から給付金申請までの流れ

教育訓練施設の指定講座を探す

厚生労働大臣の指定を受けたコースを検索するには、厚生労働省の指定教育訓練講座検索システムを使います。支給申請には各講座の「指定番号」が必要です。

2023年(令和5年)4月1日現在で、行政書士の試験対策を訓練目標とする教育訓練を実施している教育訓練施設は次のとおりです。通学制の場合、教育訓練施設が複数の教室で講義を行うことがありますが、すべての教室で教育訓練給付制度が適用されるとは限りません。なお、この一覧表は当サイトが研究および分析のために独自に取得したデータであり、内容は一切保証しません。

支給要件照会

教育訓練給付金が支給されるかどうかはハローワークにしか分からないのですから、念のためハローワークに行ってその確認(支給要件照会)をしておきましょう。

ハローワークに「教育訓練給付金支給要件照会票」を提出すると、すぐに調べて回答してくれます。このとき、受講する予定のコースが厚生労働大臣の有効な指定を受けた講座かどうかも調べてくれますから、検索システムでそのコースの「指定番号」も調べておくとよいでしょう。

支給要件照会で回答してくれること

  • 自分が受講開始日の時点で受給資格者かどうか
  • 申し込み予定の教習が厚生労働大臣指定講座かどうか

受講申し込みと講習費用の支払い

「教育訓練給付金の制度を利用する」ことを伝えて申し込みをします。Webで申し込む場合は教育訓練給付制度を利用する意思表示をする画面でチェックを入れます。ただし、行政書士試験に合格するために必要となる勉強時間は600~1000時間程度とされ、申し込みの時点で本試験の日までに明らかに間に合わないと思われる場合、受講を拒否されることがあります。十分な学習期間を確保したうえで申し込みをしてください。

申し込み時には講習費用を全額(100%)支払います。教育訓練給付金は修了を認定された場合に、ハローワークから支給されるものですから給付金相当額を差し引いて申し込んではいけません。

申し込みは本人名義で申し込みをし、教育訓練経費については全額本人名義で支払いをしなければなりません。本人名義でない申し込みや、本人名義でない支払いは不可です。家族や勤務先の名義は不可です。クレジットカード払いの場合は本人名義のカード、銀行振り込みの場合は本人名義の振り込み、ローンを組む場合も本人がローン契約をしなければなりません。

受講、修了認定

所定の出席率を満たすとともに、授業中または訓練期間終了後に行われる修了試験等に合格して、教育訓練施設に「修了」を認定されると「教育訓練修了証明書」と「領収書」が交付されます(これらはハローワークに提出する書類です)。修了できなかった場合は給付金が支給されません。また、支払った授業料は返還されません。

修了後に「教育訓練給付指定講座修了者アンケート」へ回答します。このアンケートは集計して教育訓練施設が厚生労働省へ報告することが義務付けられています。

給付金の支給申請

教育訓練給付金の支給申請手続きは、修了後1か月以内に本人の住所を管轄するハローワークに「支給申請書」を提出することによって行います。支給申請書には教育訓練施設が発行した「教育訓練修了証明書」「領収書」を添付します。

支給申請の際、給付金の振込先口座を届け出ます。支給決定後7日以内に指定口座に振り込まれます。