求職者支援制度

リ・スキリング等教育訓練支援融資事業の概要と返済免除の条件【2025年10月改正】

PR
リ・スキリング等教育訓練支援融資事業の概要と返済免除の条件【2025年10月改正】 10973

2025年(令和7年)10月から本格的に運用が開始されたリ・スキリング等教育訓練支援融資事業は、非正規雇用やフリーランス等の方が教育訓練を受講するための教育訓練費用(年額最大120万円)と教育訓練期間中の生活費(月額最大10万円)を融資するものです。訓練修了後に正社員就職し、賃金上昇等の条件を満たせば、最大50%が返済免除となります。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

1.リ・スキリング等教育訓練支援融資事業の概要

リ・スキリング等教育訓練支援融資事業は、雇用保険被保険者および雇用保険受給資格者でない特定求職者(フリーランス、個人事業主、離職者等)が労働金庫(ろうきん)から融資を受けて教育訓練を受けられるようにした制度です。一定の要件を満たした場合、融資額の返済が一部免除されます。

参考リンク

リ・スキリング等教育訓練支援融資(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/reskillingtou_shienyushi.html

ご存知ですか? リ・スキリング等教育訓練支援融資事業(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/web_magazine/closeup/28.html

参考法令
職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則 第16条の2

前条に規定するもののほか、特定求職者の職業に関する教育訓練その他の訓練であって職業安定局長が定めるものの受講を容易にするための資金の貸付けに係る事業又は当該貸付けに係る保証を行う法人に対して、当該事業又は保証に要する経費の一部補助を行うものとする。

2.対象者

本制度の利用には、以下の全ての要件を満たす必要があります。

  • ハローワークに求職の申し込みをしていること(特定求職者であること)
  • 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと(在職中の会社員や、失業保険受給中は対象外)
  • 労働の意思と能力があること
  • 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
  • 貸付を希望する理由が本制度の目的に照らして適当で、貸付金の返済意思があること
  • 訓練開始時点において過去に3年以上就業した経験があり、雇用契約書等の書類によって証明できること(昼間学生であった期間の就業経験は計上できません。)
  • 訓練開始前にキャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作成していること
  • 融資申込時に18歳以上、融資開始時に66歳未満であること
  • 融資実施機関である労働金庫(ろうきん)の事業エリア内に居住していること
  • 融資を受けようとする費用に対して、給付または融資を受ける制度を利用していないこと
  • 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員でないこと

3.融資の対象となる教育訓練

融資の対象となる教育訓練は、教育訓練給付金対象講座のほか、次の講座で、訓練期間が1か月以上4年以内のものです。

ただし、融資期間は、訓練期間のうち訓練開始から最大2年間であり、年収200万円未満の者や離職者に対しては最大1年分となります。

  • 学校教育法に基づく大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専門学校または各種学校が提供する教育訓練
  • 厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を実施している法人等が提供する教育訓練
  • 求職者支援訓練または公共職業訓練等

4.融資内容と方法

融資内容

教育訓練費用

教育訓練費用についての融資は、年間最大120万円で最大2年分。ただし、年収200万円未満、離職者、収入証明のない人は1年分となります。なお、受講する訓練が求職者支援訓練、公共職業訓練等の場合は教科書等の実費を除いて訓練費用は無料なので、教育訓練費用は貸付対象にはなりません(生活費のみ)。

  • 年収200万円以上:年額最大120万円×最長2年分
  • 年収200万円未満、離職者、収入証明のない人:年額最大120万円×最長1年分

教育訓練費用は、入学金、授業料の他、教科書代、実習費、受験費用(受験料、旅費・宿泊費等)、学用品代(パソコン、タブレット等)で、入学案内、振込依頼書、パンフレット等によって必要な金額と用途が確認できる額です。

融資申込み時点で支払済のものは、受験費用以外貸付対象となりません。融資申込時点で支払済の費用は、領収書等で支払いが確認できる受験費用のみが融資対象となります。

注:教育訓練給付金の対象となる教育訓練経費は入学金、授業料のみですが、融資の対象となる教育訓練費用は教科書代、受験費用なども含まれます。

生活費

生活費についての融資は、月額10万円を限度として、生活に必要な額として申請された額で最大2年間。ただし、年収200万円未満、離職者、収入証明のない人は1年間となります。

  • 年収200万円以上:月額最大10万円×受講予定訓練月数(最長24か月)
  • 年収200万円未満、離職者、収入証明のない人:月額最大10万円×受講予定訓練月数(最長12か月)

利息(利率)

この制度は利息を含めて返済が必要になります。融資を受ける額は、将来返済が可能であり、真に必要な額としてください。利息の返済は教育訓練受講中に必要になる場合があります。

利息:年2.0%の固定金利(信用保証料0.5%を含む)。

担保および保証人

担保および保証人は不要です。ただし、労働金庫が指定する信用保証機関(一般社団法人日本労働者信用基金協会)の利用が条件となります。

融資の方法

教育訓練費用のうち、入学金、授業料等の教育訓練機関に支払いが必要な費用は、労働金庫より教育訓練機関に直接振り込みます。

学用品等その他の費用は本人の口座(労働金庫の口座に限ります。生活費においても同じ。)へ振り込みます。入金後は速やかに使途に基づいて使用し、その使用証明として原則として入金後7日~10日以内に労働金庫に領収書等を提出します。

労働金庫に口座がない場合は、手続きの際に口座を開設する必要があります。

生活費は、3か月毎に、3か月分を上限に本人の口座に振り込みます。

返済の方法

貸付日の属する月の翌月末以降、毎月末日を約定返済日とします。

そのため、返済は原則として教育訓練開始の翌月から始まります。ただし、訓練終了月の1年後の末日までは元金据置期間として、利息のみの返済となります。

元金据置期間終了後から10年以内に元利均等払いにより返済します(最終弁済時の年齢は76歳未満)。

貸付金の返済は、本人の労働金庫の口座から自動引き落としとなります。

5.債務残高の一部返済免除

返済免除の条件

訓練修了後、以下の条件を満たすと、ハローワークへの申請により債務残高の一部が免除されます(返済の一部免除)。

  • 求職者支援訓練、公共職業訓練又は厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を修了したこと(大学等が提供する教育訓練は含まないことに注意)。
  • 訓練終了日の翌日から1年以内に雇用保険被保険者として就職し、1年以上継続雇用されたこと。
  • 訓練修了後の賃金が、訓練開始前の賃金と比較して、5%以上上昇したこと。
  • 融資申込時点の年収が500万円未満であること。
  • 返済免除の時点で、リ・スキリング等教育訓練支援融資の返済に遅れが無いこと
  • ハローワークの就職支援を拒否したことが無いこと
  • 訓練開始前の就業状況が離職者の場合、当該離職日から訓練開始日までの期間が2年以内であること

免除の割合と上限

賃金上昇率が5%以上であれば残債の30%、賃金上昇率が10%以上であれば残債の50%が免除となります。

  • 賃金が5%上昇:残債務の30%(上限額は100万円)
  • 賃金が10%上昇:残債務の50%(上限額は150万円)

ハローワークにおいて債務残高の返済免除の要件を見たいしていることを確認した場合、確認後の翌々月25日を目安に、債務残高の一部免除が行われます。返済免除の対象となる債務残高は、返済免除申請の審査に一定の時間を要することから、申請時と承認時の債務残高が異なる場合があります。

課税対象

返済の免除が認められた場合、生活費にかかる返済免除額は一時所得として所得税の課税対象となるため、一定金額以上の生活費用の返済の免除を受けた場合、確定申告の手続きが必要となります。

6.融資の手続き

審査には通常2週間〜1か月程度を要するため、受講開始の1か月以上前には着手する必要があります。訓練開始直前に手続きを始めた場合、教育訓練費用に対する融資が受けられないこともあります。

求職申込み

住居所管轄のハローワークの受付で、「リ・スキリング等教育訓練支援融資を受けたい」と伝えます。初回職業相談として、制度説明、特定求職者の確認、キャリアコンサルティングの案内を受けます。

キャリアコンサルティング

受講する訓練を決定し、ハローワークでキャリアコンサルティングを受けます。このとき、ジョブ・カードを作成し、学習の目的が「キャリア形成および再就職」に適うものであることを確認します。

ジョブ・カードを作成したら、ハローワークへ「リ・スキリング等教育訓練支援融資確認申請書」を提出します。要件を満たすと「確認書」が交付されます。

労働金庫での融資申込み

ハローワークが指定する労働金庫ろうきん)の窓口で融資審査の手続きを行います。教育訓練費用の振込期限の2週間以上前の日付で、来店日の前日までに来店予約を取ります。

ハローワークから交付された確認書を持参し、融資の手続きを行います。ただし、ハローワークでの審査を通過しても、労働金庫で行う金融機関としての審査の結果、融資を受けられないもしくは融資額が減額となる場合があります。

労働金庫の審査を通過すると、労働金庫との間で金銭消費貸借契約を締結します。

受講中の確認

生活費分の融資を受ける場合は、3か月ごとにハローワークで職業相談(訓練状況等の報告と融資申込)を受ける必要があります。

修了の届出

修了後、訓練を最後まで修了したことをハローワークに届け出ます。返済免除を希望する場合は、申請を行います。

7.融資に関する注意事項

他の給付または融資との併用

リ・スキリング等教育訓練支援融資による融資を受けようとする費用に対して、給付または融資を受ける他の制度との併用はできません。

  • 職業訓練受講給付金
  • 教育訓練支援給付金
  • 求職者支援資金融資
  • 技能者育成資金融資制度
  • 就職安定資金融資
  • 訓練・生活支援資金融資
  • 教育訓練実施機関、国、地方自治体が実施する奨学金

教育訓練を途中でやめた場合

教育訓練を途中で辞めた場合や訓練途中で雇用保険被保険者として就職する場合等によって、融資の要件を満たさなくなった場合は、速やかにハローワークに届け出て、労働金庫で契約変更の手続きを行います。

この場合、融資が終了するとともに、元利均等方式による返済が開始されます。

返済の遅延があった場合

元金と利息の返済が遅れたら、遅延している元金に対し年14.5%の遅延損害金(遅延利息)の支払い義務が発生します。

約定どおりに返済がなされない場合には、個人信用情報機関に遅滞状態にある旨が登録され、他の金融機関を利用する際に不利益を受ける可能性がありますので、ご注意ください。

債務の一括返済

申請書類の虚偽記載による貸し付けの不正利用が発覚等した場合、直ちに債務残高の全額を一括返済しなければなりません。

また、詐欺罪などで処罰されることもありますのでご注意ください。