求職者支援制度

【新型コロナ対策】求職者支援制度と職業訓練受講給付金の特例措置・令和5年3月末まで

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で雇用情勢の悪化するなかで、求職者支援制度を利用しやすくなる特例措置が設けられました。特例措置の期間は2023年(令和5年)3月31日までです。

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1.特例措置について

求職者支援制度と職業訓練受講給付金の概要についてはこちらの記事をご覧ください。

2023年(令和5年)3月31日までの暫定措置が有効である期間を「特例期間」といい、特例期間の間に訓練を開始した場合(詳しくは後述)に、職業訓練受講給付金と訓練対象者の要件が緩和されます。

特例措置(令和5年3月末まで)

  • 本人収入要件:月8万円以下→月12万円以下(固定収入8万円以下)
  • 世帯収入要件:月25万円以下→月40万円以下
  • 出席要件:やむを得ない場合以外欠席不可→理由によらず出席率8割以上
  • 訓練対象者:転職を目指す者のみ→転職しない者も含む
  • 訓練時間:2か月以上月100時間以上→2週間以上月60時間以上
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2.職業訓練受講給付金の特例措置

本人収入要件

本来は、給付金の本人収入の上限は月8万円ですが、シフト制で働く人など一定の場合は月12万以下となります。

シフト制で働く人などが働きながら今の職場で正社員転換を目指すために訓練を受講しやすくするための緩和措置であり、シフト制で働く人のほか、自営業・フリーランス、副業・兼業を行う方などで、固定収入が8万円以下の人が対象です。

雇用されている労働者の場合

雇用されている労働者の「固定収入」とは、1か月の固定的な収入のことで、1か月の定額の給与のことです。

毎月固定で支払われる残業代などは含まれますが、毎月変動する給与(勤務時間に応じて支払われる残業代など)や実費弁償的な給与(通勤手当など)は固定収入ではありません。シフト制などで定額の給与がない場合や雇用契約期間が1か月未満の場合は、固定収入が無いものとみなします。

自営業・フリーランス、副業・兼業を行う場合

自営業・フリーランス、副業・兼業を行う場合の「固定収入」は、1か月以上の契約に基づく収入(業務委託契約、不動産賃貸契約など)から1か月の経費を差し引いた額となります。

複数月にわたる契約に基づく収入の場合は、収入額を契約期間で除して1か月あたりの収入を算出します。例えば、1年間で60万円の業務委託契約の場合、年間収入60万円÷1年(12月)=1か月あたり固定収入5万円となります。

1か月以上の契約に基づく収入がない場合は、固定収入が無いものとみなします。

地方公共団体などで臨時的に雇用されている場合

地方公共団体などで臨時的に雇用されている(期間の定めのある労働契約を締結している)場合は、本人収入の要件が月12万円以下となります。

都道府県、市町村に雇用されている人のほか、都道府県、市町村から事業を委託されている事業主に雇用されている人で、従事する仕事の内容は限りません。コロナ対策業務に従事する方だけでなく、臨時的に地方公共団体などで従事する全ての方が対象になります。

世帯収入要件

本来は、給付金の世帯収入の上限は月25万円ですが、月40万円以下に緩和されています。

配偶者や父母と同居している非正規雇用労働者などが給付金を受給しながら訓練を受講しやすくするための緩和措置です。「世帯」とは、本人のほか、同居または生計を一つにする配偶者、子、父母をいいます。配偶者には婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含まれます。

出席要件

訓練の「欠席」は次の3種類に分けられます。

欠席理由による分類

  • やむを得ない理由による欠席(証明できる欠席)
  • やむを得ない理由以外の理由による欠席
  • 出席すべき日数から除外すべき欠席(出席停止など)

本来は、病気などのやむを得ない理由による欠席については後日証明すれば認められますが、それ以外の理由による欠席が1回でもあると職業訓練受講給付金は支給停止となります。

しかし、子供のぐずりなどの証明できない理由で訓練を欠席せざるを得ない育児中の女性などが、訓練を受講しやすくするため、理由によらず欠席を訓練実施日の2割まで認め、出席率が8割以上であれば、職業訓練受講給付金が支給されるようになりました。急な自己都合で欠席しても給付金を受給できるようになります。

また、今までは仕事を理由とする欠席は認められませんでしたが、特例措置により、仕事で訓練を欠席せざるを得ない日についても、「やむを得ない理由による欠席」と認められるようになりました。

出席要件の特例措置

  • やむを得ない場合以外欠席不可→理由によらず出席率8割以上
  • 仕事で欠席の場合も「やむを得ない欠席」として給付金を支給する

病気や仕事などのやむを得ない理由による欠席は給付金を減額せずに支給されますが、それ以外の理由による欠席の場合は給付金を日割りで減額します。

ただし、感染症、大規模災害など「出席すべき日数から除外すべき欠席」に該当する場合は出席率の計算から除外されるので、職業訓練受講手当は支給されます(教育訓練支援給付金と同じ)。

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3.職業訓練受講手当の計算例

特例措置により、特例期間の間、職業訓練受講手当は出席率が8割以上であれば支給されます。やむを得ない理由の欠席であれば減額されず10万円の満額支給となりますが、やむを得ない理由以外で欠席した場合はその日数分の減額となります。

職業訓練受講手当の計算式は次の通りです。

職業訓練受講手当の計算

  • 出席率=出席日数÷訓練実施日
  • 減額する金額=10万円×やむを得ない理由以外の欠席日数÷支給単位期間の日数
支給単位期間の日数30日、訓練実施日20日の場合、やむを得ない欠席4日の場合

訓練実施日20日のうち16日出席なので、16日÷20日=80%です。
出席率が8割以上で、やむを得ない理由以外の欠席が無いので、10万円満額支給となります。

支給単位期間の日数30日、訓練実施日20日の場合、やむを得ない理由以外の欠席4日の場合

訓練実施日20日のうち16日出席なので、16日÷20日=80%です。
出席率が8割以上なので職業訓練受講手当は支給されます。ただし、やむを得ない理由以外の欠席4日なので、10万円×4日÷30日=13,333.333円減額となり、86,666円(小数点以下切り捨て)の支給となります。

支給単位期間の日数30日、訓練実施日20日の場合、やむを得ない欠席2日、やむを得ない理由以外の欠席2日の場合

訓練実施日20日のうち16日出席なので、16日÷20日=80%です。
出席率が8割以上なので職業訓練受講手当は支給されます。ただし、やむを得ない理由以外の欠席2日なので、10万円×2日÷30日=6,666.666円減額となり、93,333円(小数点以下切り捨て)の支給となります。

支給単位期間の日数30日、訓練実施日20日の場合、やむを得ない欠席2日、やむを得ない理由以外の欠席4日の場合

訓練実施日20日のうち14日出席なので、14日÷20日=70%となり、職業訓練受講手当は支給されません。

4.求職者支援訓練の特例措置

訓練対象者

現在の訓練対象者は、再就職や転職を目指して訓練を受講する人だけで、就職活動をしない人は対象外でした。

特例措置により、転職に向けた就職活動をせず、現在の職場で働きながら訓練を受けて社内での正社員転換などを目指す人や、今の仕事に役立つ能力を身に付けようとする人も訓練の対象となります。今の仕事を続けながらスキルアップを目指す在職者が、訓練を受講できるようになります。

ただし、雇用保険被保険者の在職者は対象となりません。

訓練期間の下限

求職者支援訓練は、訓練期間2か月から6か月、1か月あたりの訓練時間100時間以上の訓練が実施されていました。特例措置により、働きながら受講しやすい短い時間・期間の訓練コース(訓練期間2週間から6か月、1か月あたりの訓練時間60時間以上)が設定されました。

訓練期間の特例措置

  • 訓練期間2か月から6か月→2週間から6か月
  • 訓練時間月100時間以上→月60時間以上

5.特例期間(特例措置の適用期間)

2023年(令和5年)3月31日までの期間を「特例期間」といい、特例期間内に訓練を開始した場合に特例措置が適用されます。

本人収入要件の特例期間

本人収入要件の特例措置は、2021年(令和3年)2月25日から2023年(令和5年)3月31日までの間に訓練を開始した場合、または支給単位期間の初日が特例期間内にある場合に適用されます。

2021年(令和3年)2月25日より前に訓練を開始した場合であっても、支給単位期間の初日が2021年(令和3年)2月25日以降であればその支給単位期間以降は特例措置の対象となります。

また、訓練の終了が2023年(令和5年)4月1日以降になっても、訓練終了まで適用されます。

世帯収入要件の特例措置

世帯収入要件の特例措置は、2021年(令和3年)12月21日から2023年(令和5年)3月31日までの間訓練を開始した場合、または支給単位期間の初日が特例期間内にある場合に適用されます。

2021年(令和3年)12月21日より前に訓練を開始した場合であっても、支給単位期間の初日が2021年(令和3年)12月21日以降であればその支給単位期間以降は特例措置の対象となります。

また、訓練の終了が2023年(令和5年)4月1日以降になっても、訓練終了まで適用されます。

出席要件の特例措置

出席要件の特例措置は、2023年(令和5年)3月31日までに訓練を開始した場合に、訓練終了日まで適用となります。

このうち、仕事で訓練を欠席する場合にやむを得ない欠席とみなされる特例については2021年(令和3年)2月25日の訓練の欠席から適用となります。また、訓練の8割以上の出席で給付金を支給する特例とやむを得ない理由以外の欠席日の給付金を日割りで減額する特例については2021年(令和3年)12月21日の訓練の欠席から適用となります。

訓練対象者の特例措置

訓練対象者の特例措置は、2021年(令和3年)12月21日から2023年(令和5年)3月31日までの間に訓練受講申込みをした場合に適用されます。

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教育訓練給付金.JP