教育訓練給付金を口座振り込みで受け取る(振込先を変更する)には、通帳またはキャッシュカードを提示し、払渡希望金融機関指定届に本人名義の普通預(貯)金口座を記入します。
1.口座振り込みについて
教育訓練給付は、原則として本人名義の普通預(貯)金口座への口座振込みによって支給されます。ハローワークで支給決定を受けた後、支給決定の7日以内に振り込まれます。振り込みの名義は「厚生労働省職業安定局」です。
ただし、記入漏れや書類不備があると支給が遅くなります。また、金融機関によって振り込みまでの期間が異なります。土、日、祝日等による金融機関の休日等がある場合には、その日数分だけ入金が遅れます。
2.払渡希望金融機関指定届の欄
口座振り込みによって支給するため、あらかじめ本人名義の普通預(貯)金口座を届け出なければなりません。
口座の届け出
- 一般教育訓練給付金・・・修了後の支給申請時
- 一般教育訓練給付金以外・・・受講前の受給資格確認時
一般教育訓練給付金の場合は、支給申請書の下部にある「払渡希望金融機関指定届」の欄に、一般教育訓練給付金の払渡しを希望する金融機関の本人名義の普通預(貯)金口座を記入するとともに、当該普通預(貯)金口座の通帳またはキャッシュカードを提示します。
また、一般教育訓練給付金以外の場合は、受給資格確認票の下部にある「払渡希望金融機関指定届」の欄に、教育訓練給付の払渡しを希望する金融機関の本人名義の普通預(貯)金口座を記入するとともに、当該普通預(貯)金口座の通帳またはキャッシュカードを提示します。
ただし、後述の「払渡希望金融機関指定届が不要な場合」に該当する場合は届け出る必要はありません。
3.払渡希望金融機関指定届の記入方法
「名称」欄
「名称」欄には、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金の払渡しを希望する金融機関の名称及び店舗名(例:○○銀行○○支店)を記入します。なお、ゆうちょ銀行の場合は「ゆうちょ銀行」だけ記入し、店舗名は記入しません。
口座番号、記号番号
ゆうちょ銀行以外の場合は「銀行等(ゆうちょ銀行以外)」の「口座番号」欄に、申請者本人名義の普通口座の通帳の口座番号を記入します。
ゆうちょ銀行の場合は「ゆうちょ銀行」の「記号番号」欄に、申請者本人名義の総合口座の通帳の記号番号(5桁-8桁)を記入します。
4.払渡希望金融機関指定届が不要な場合
受給資格確認済の場合
一般教育訓練給付金以外の場合は受給資格確認票の払渡希望金融機関指定届の欄に記入します。
支給申請書にも払渡希望金融機関指定届の欄はありますが、受給資格確認において届け出ているので、変更が生じていない場合は支給申請書の払渡希望金融機関指定届の欄は記入しなくてもよいです。
他の雇用保険給付で届け出ている場合
雇用保険法の規定に基づく求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付はすべて同じ口座に振り込まれます。一部の給付だけ別の口座に振り込むようにすることができません。
これらの給付の受給資格者が申請時にすでに払渡希望金融機関指定届を提出している場合で、変更が生じていない場合は、教育訓練給付の支給申請書または受給資格確認票の中の払渡希望金融機関指定届の欄を記入する必要はありません。
5.振込先口座の変更(払渡希望金融機関の変更)
振込先口座を変更するときは、「払渡希望金融機関指定・変更届」(様式第18号)に教育訓練受給資格者証またはマイナンバーカード(個人番号カード)を添えて管轄ハローワークに提出します。この際、変更する普通預(貯)金口座の通帳またはキャッシュカードを提示します。
ダウンロード
「払渡希望金融機関指定・変更届」(様式第18号)の用紙はハローワークの窓口で受け取ることができますが、こちらでダウンロードすることもできます。
払渡希望金融機関指定・変更届の、点線で囲まれた「1.被保険者番号」「2.支給番号」「3.支払区分」「4.金融機関・店舗コード、口座番号」「5.公金受取口座利用希望」の欄は記入せず、空欄にします。
記入方法、間違えた場合の訂正
払渡希望金融機関指定・変更届は、全国のハローワークをオンラインで結ぶ「ハローワークシステム」により、その内容をそのまま光学式文字読み取り装置(OCR)で直接読取を行います。用紙を汚したり、折り曲げたり、ホチキスでとめたり、とじ穴をあけたりしてはいけません。用紙の角を折り曲げるのも禁止です。
払渡希望金融機関指定・変更届は、すべて黒のボールペンまたは万年筆で記入します。
訂正する場合は、二重線により抹消し、余白に正しく記入します。訂正した箇所には自筆による署名(手書きで訂正箇所の近くにフルネームを書く)をすることによって、訂正の意思を明示します。
届出者(氏名、フリガナ、住所又は居所)
「届出者」の欄に氏名、フリガナ、住所又は居所、郵便番号、電話番号を明瞭に記入します。「フリガナ」は、カタカナで正確に記入します。押印は不要です(後述)。
「名称」欄
「名称」欄には、教育訓練給付金の払渡しを希望する金融機関の名称及び店舗名を記入します。なお、ゆうちょ銀行の場合は「ゆうちょ銀行」だけ記入し、店舗名は記入しません。
口座番号、記号番号
ゆうちょ銀行以外の場合は「銀行等(ゆうちょ銀行以外)」の「口座番号」欄に、申請者本人名義の普通口座の通帳の口座番号を記入します。
ゆうちょ銀行の場合は「ゆうちょ銀行」の「記号番号」欄に、申請者本人名義の総合口座の通帳の記号番号(5桁-8桁)を記入します。
署名、支給番号
届出年月日と届出者氏名、支給番号を記入します。届出年月日はハローワークに出頭する日です。支給番号は、教育訓練給付金受給資格者証や基本手当の受給資格者証などに記載されている支給番号です。
なお、押印は不要です。
「備考」「※決裁」欄には記入してはいけません。
公金受取口座を利用する場合
2022年(令和4年)10月1日から、ハローワークにマイナンバー(個人番号)を届け出ている場合、マイナポータルに登録されている公金受取口座への振り込みをすることができるようになりました。この改正に伴い様式も変更されました。
マイナポータルに登録されている公金受取口座への振込を新たに希望する場合、またはマイナポータルに登録されている公金受取口座を変更した場合は、該当欄にチェックを入れます。
この場合は、通帳やキャッシュカードの提示は不要です。また、チェックを入れた場合は、3欄~5欄の金融機関と口座番号の記入は不要です。3欄~5欄の記載があった場合には、3欄~5欄の金融機関情報への振込が優先となります。
なお、マイナポータルに登録されている公金受取口座を変更したとしても、ハローワークに登録された口座は自動的に変更されません。マイナポータルに登録されている公金受取口座を変更した場合、速やかに「払渡希望金融機関変更届」をハローワークに提出します。払渡希望金融機関変更届を提出しないと変更前の口座へ振り込まれることとなります。
6.現金支払い
受給資格者の申出により下記のやむを得ないと認められる事由がある場合に限り、現金による支給を行うことができます。ただし、給付金の一部を口座振り込み、一部を現金支払いとすることはできません。
現金による支給が認められる事由
- 普通預(貯)金口座での支払いが停止されている場合
- 普通預(貯)金口座が開設できない場合
現金による支給を希望する場合は、次の事項を記載した文書を提出します。
現金支給の希望文書の記載内容
- 受給資格者の氏名及び支給番号
- 口座振込みの方法によることができない理由
なお、現金支払いの場合であって、教育訓練給付金受給資格者が疾病、負傷、就職その他やむを得ない理由によって、支給日にハローワークに出頭することができないときは、その代理人が教育訓練給付金の支給を受けることができます。代理で受け取る場合は委任状が必要です。
7.同一の方法によること
口座振込みの方法で専門実践教育訓練給付金、教育訓練支援給付金を支給することとなる場合は、その者に支給すべき専門実践教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金のすべてについてこの方法により支給するものであり、当該教育訓練給付のいずれかについてまたその一部について現金で受け取ることはできません。
口座振込みの方法で給付を支給することとなる場合は、その者に支給すべき給付のすべてについてこの方法により支給するものであり、雇用保険法の規定に基づく求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付のいずれかについてその一部を現金で受け取ることはできません。
振込先を変更する場合も、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付の振込先がすべて変更されます。
8.補足説明
押印、確認印廃止
押印を求める手続の見直し等のための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第208号)が、2020年(令和2年)12月25日に施行されたのに伴い、払渡希望金融機関指定・変更届の押印が廃止されました。押印廃止について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、ハローワークで通帳又はキャッシュカードの提示ができないときに金融機関の窓口に行って確認印を押してもらう制度も廃止されました。
氏名を変更する場合も届け出が必要
氏名を変更した場合は、振込先金融機関の普通預(貯)金口座の名義を変更してから、ハローワークに「教育訓練給付金受給者氏名変更届」と「払渡希望金融機関指定・変更届」を提出します。金融機関で口座の名義を変えただけでは振込みができません。