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教育訓練給付金の計算で端数が生じたときは小数点以下切り捨てとする理由 _ pr
給付金額の計算方法

教育訓練給付金の計算で端数が生じたときは小数点以下切り捨てとする理由

教育訓練給付金の金額が小数になることがありますが雇用保険法には端数の処理に関する規定はありません。端数の処理についての規定がない場合、国の給付金は小数点以下を切り捨てるのが原則です。

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1.端数の発生

教育訓練給付金の金額は一定の割合をかけて求めるため、1円未満の端数が生じることがあります。

また、教育訓練支援給付金は基本手当日額を基礎として計算するため、1円未満の端数が生じることがあります。

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2.小数点以下切り捨て

雇用保険法で端数処理が定められていない場合、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(昭和25年法律第61号)が適用されます。

同法第2条第1項によると、「国及び公庫等の債務で金銭の給付を目的とするものの確定金額に一円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。」と定められています。教育訓練給付は、国の「債務で金銭の給付を目的とするもの」にあたります。

したがって、教育訓練給付の金額が小数の場合は小数点以下を切り捨てます。

参考法令
国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(昭和25年法律第61号)第2条第1項  国及び公庫等の債権で金銭の給付を目的とするもの(以下「債権」という。)又は国及び公庫等の債務で金銭の給付を目的とするもの(以下「債務」という。)の確定金額に一円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。
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3.確定金額と算定された額の違い

教育訓練給付金は、その額として算定された額が4,000円を超えないときは支給されません(雇用保険法第60条の2第5項、雇用保険法施行規則第101条の2の9)。

「算定された額」とは、一般教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金の場合は一時金として支給されるので、支給申請時に算定した金額のことです。また、専門実践教育訓練給付金は支給単位期間である6か月ごとに計算するので、6か月ごとに算定した金額のことです(全期間の合計ではありません)。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第5項  第一項及び前項の規定にかかわらず、同項の規定により教育訓練給付金の額として算定された額が厚生労働省令で定める額を超えないとき、又は教育訓練給付対象者が基準日前厚生労働省令で定める期間内に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、教育訓練給付金は、支給しない。
雇用保険法施行規則 第101条の2の9  法第六十条の二第五項の厚生労働省令で定める額は、四千円とする。

上記の、国の債務の「確定金額」とは、小数点以下を切り捨てる前の金額のことです。例えば、教育訓練経費が20,004円の一般教育訓練の場合、確定金額は4,000.8円です。この時点では4,000円を超えています。

「確定金額」=20,004円×20%=4,000.8

そして、雇用保険法第60条の2第5項の「算定された額」とは、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律の規定によって、小数点以下を切り捨てた金額のことです。この場合は4,000円となります。4,000円を超えていません。

「算定された額」=4,000円

「確定金額」は4,000円を超えていますが、「算定された額」は4,000円を超えていません。この場合、算定された額が4,000円を超えていないので、一般教育訓練給付金が支給されないことになります。

このように、確定金額が4,000円を超えても給付金が支給されないことがあります。