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学校の学生と雇用保険、昼間学生と夜間学生の違いと教育訓練給付 _ pr
雇用保険の被保険者

学校の学生と雇用保険、昼間学生と夜間学生の違いと教育訓練給付

昼間に学校に通う学生は就業よりも学業が本業なので雇用保険の対象とはなりません。ただし、就業しながら仕事をすることが可能な場合は雇用保険の対象となることもあります。

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1.学校の学生、生徒と雇用保険

原則として適用除外

学校の学生または生徒は、原則として雇用保険法の適用を受けません。したがって、適用事業に雇用される者であっても被保険者とはなりません。

参考法令
雇用保険法 第6条第4号  次に掲げる者については、この法律は、適用しない。   学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条、第百二十四条又は第百三十四条第一項の学校の学生又は生徒であつて、前三号に掲げる者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者

学校教育法の学校

雇用保険法の「学校」とは、学校教育法第1条、第124条、第134条第1項に規定する学校のことです。国公立か私立かを問わず、また学校法人である必要もありません。

雇用保険法上の学校

  • 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校(学校教育法第1条)
  • 専修学校(学校教育法第124条)
  • 各種学校(学校教育法第134条第1項)

学校教育法の用語については次の点に注意します。

  • 「大学」は、通常の4年制または6年制の大学のほか、大学院短期大学、専門職大学、専門職短期大学、専門職大学院、大学の専攻科、別科を含みます。しかし、文部科学省所管でない「大学校」は、学位を授与される施設であっても含まれません。
  • 「専修学校」は、高等専修学校、専門学校を含みます。「各種学校」は学校教育に類する教育を行う施設として都道府県教育委員会または都道府県知事の認可を受けた学校です。
  • 「学生」は正規の課程、専攻科、別科に在籍している者のことをいいます。科目等履修生、聴講生、研究生、授業科目の一部の受講生、公開講座、各種講習や履修証明プログラムの受講生は含まれません。
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2.昼間学生とは

前三号に掲げる者

雇用保険法第6条第4号によると、雇用保険法の適用除外となる学生または生徒とは、学校教育法の学校の学生または生徒のうち「前三号に掲げる者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者」と規定しています。「前三号に掲げる者」とは短時間・短期間雇用の労働者です。

参考法令
雇用保険法 第6条第4号  次に掲げる者については、この法律は、適用しない。   学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条、第百二十四条又は第百三十四条第一項の学校の学生又は生徒であつて、前三号に掲げる者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者

実際に適用除外となるのは昼間学生だけ

学校教育法の学校の学生または生徒であっても、短時間・短期間雇用の労働者に「準ずるもの」として短時間しか就労できない学生、つまり、昼間に学校に通っているために就労することが難しい学生(昼間学生)に限って適用除外となります。

なお、昼間学生が夜間等において就労しても、労働時間にかかわらず被保険者とはなりません。

  • 昼間学生=昼間に学校に通う学生=短時間しか就労できない=適用除外
  • 昼間学生以外=昼間に就労可能=被保険者となる

なお、学校教育法の学校ではない教育訓練施設の場合は適用除外とはなりません(昼間学生であっても被保険者となる)。

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3.夜間学生、通信制

学校教育法の学校の学生または生徒であっても、大学の夜間学部や、高等学校の夜間等の定時制の課程に在学する等、夜間に学校に通いながら昼間に勤務することが可能な場合(夜間学生)は被保険者となります。

また、通信制課程、通信教育の学生も被保険者となります。

4.昼間学生の例外

昼間学生は原則として被保険者とはなりませんが、昼間学生であっても次のように他の労働者と同様に勤務しうると認められる場合は被保険者となります。

昼間学生のうち被保険者となる者(例外)

  • 卒業見込の学生を引き続き雇用する場合
  • 休学中の学生
  • 社会人大学院生など
  • その他就業可能な学生
参考法令
雇用保険法施行規則 第3条の2  法第六条第四号に規定する厚生労働省令で定める者は、次の各号に掲げる者以外の者とする。 一 卒業を予定している者であつて、適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業に雇用されることとなつているもの 二 休学中の者 三 定時制の課程に在学する者 四 前三号に準ずる者として職業安定局長が定めるもの

卒業見込の学生を引き続き雇用する場合

卒業を予定している者、具体的には卒業見込証明書を有する昼間学生であって、卒業前に適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業に雇用される予定となっている場合は被保険者となります。

休学中の学生

休学中の昼間学生は被保険者となります。この場合は、休学を証明する文書の提出が必要です。

社会人大学院生など

社会人大学院生など、事業主との雇用関係を存続した上で、事業主の命によりまたは事業主の承認を受け、大学院等に在学する昼間学生は被保険者となります。

その他就業可能な学生

その他一定の出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する昼間学生であって、当該事業において同種の業務に従事する他の労働者と同様に勤務し得ると認められる場合は被保険者となります。この場合は、その事実を証明する文書の提出が必要です。

5.教育訓練給付について

教育訓練給付対象者

教育訓練給付を受けられるのは雇用保険に加入している労働者(被保険者)もしくは加入したことがある人だけです。雇用保険法の適用除外の学生は、被保険者とはならないので教育訓練給付金を受けることができません。

ただし、現在被保険者でない場合であっても、過去1年以内に被保険者であった人は教育訓練給付を受けられる場合があります。

働きながら教育訓練を受けることは可能

教育訓練給付対象講座を実施する教育訓練施設のなかには、学校教育法で定める学校もあります。学校に在籍すると雇用保険の適用除外となります。

しかし、教育訓練給付対象講座には、夜間に学校に通いながら昼間に勤務することが可能な講座もあります。また、通信教育の講座もあります。上記のとおり、夜間学生や通信制課程の学生は雇用保険の適用除外とはなりませんから、被保険者でありながら教育訓練を受け、給付金の支給を受けることも可能です。また、社会人対象の大学院など、事業主との雇用関係を存続しながら在籍することを前提とした教育訓練もあります。この場合も被保険者資格は継続します。

このように、雇用保険の被保険者である在職者が就労しながら教育訓練給付対象講座を受講することによって被保険者でなくなることはありません。

6.補足説明

社労士過去問

適用除外の学生・船員に関する社労士試験の過去問について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。