給付金の受給資格

「同一の事業主」「引き続いて雇用」の解釈、雇用関係に中断がある例(雇用保険法第60条の2第2項)

被保険者であった期間が複数ある場合は通算することができますが、同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用されたと認められる場合は1つの期間であり、通算の問題は発生しません。

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1.支給要件期間について

教育訓練給付を受けるためには支給要件期間が原則として3年以上であることが必要です。

支給要件期間について、雇用保険法第60条の2第2項には「同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間」と定められています。この「同一の事業主」には、完全に同一の事業主である場合のほか、形式的に変更されたに過ぎない場合も含まれます。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第2項

前項の支給要件期間は、教育訓練給付対象者が基準日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当する全ての期間を除いて算定した期間とする。
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2.同一の事業主と認められる例

名称、組織等の形式的変更

事業主の名称や組織等の変更があったとしても、実質的な事業主が同じで、変更が形式的がなされたにとどまる場合は、「同一の事業主」と認められます。

  • 法人の名称に変更があった場合
  • 会社の組織変更があった場合(有限会社を株式会社とする等)
  • 法人が清算手続に入り、清算法人となった場合
  • 個人又は法人が破産の宣告を受けたが、なお業務を続行している場合
  • 株式会社が会社更生法による更生手続開始決定を受けた場合

事業の包括承継

事業主が変わったとしても、新事業主が旧事業主の権利義務を法令上包括承継する場合は、「同一の事業主」と認められます。

  • 会社が合併した場合(合併は、吸収合併でも新設合併でもよい)
  • 個人事業主に相続があった場合

新旧両事業に実質的な同一性が認められる場合

新旧両事業の資本金、資金、人事、事業の内容等に密接な関係があり、新旧両事業に実質的な同一性が認められる場合は、「同一の事業主」と認められます。なお、退職金の支給の基礎となる在職期間の通算が行われないような場合であっても同一の事業主と認められます。

  • 事業の全部譲渡、事業の一部譲渡、事業の賃貸借、事業の分割等によって被保険者が異動する場合
  • 個人事業主が法人組織になった場合
  • 法人組織(実質的には個人事業と同様と認められる場合)が個人事業になった場合
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3.引き続いて雇用された

雇用保険法第60条の2第2項の「引き続いて被保険者として雇用された」とは、雇用関係に中断が無いことを表します。また、被保険者資格の取得や喪失の手続も不要です。

参考法令
雇用保険法 第60条の2第2項

前項の支給要件期間は、教育訓練給付対象者が基準日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当する全ての期間を除いて算定した期間とする。

次の場合は、雇用関係に中断が無いと認められますので、「引き続いて」同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用されたものとみなされます。

単なる休業の場合

離職、再雇用を行うことなく、事業主が単なる休業をする場合は雇用関係が継続しています。

休業中に休業手当を支給するかどうかは関係ありません。休業手当の支給の有無にかかわらず雇用関係は存続します。

再雇用の場合

退職後1日の空白もなく、再採用された場合は雇用関係が継続しています。

退職金の支払の有無にかかわらず雇用関係は存続します。また、労働条件、勤務先等の変更があったとしても雇用関係は存続します。

一時的に雇用保険の対象外となるだけの場合

1週間の所定労働時間が20時間未満となる場合、雇用保険適用除外となります。

しかし、雇用保険の被保険者が、1週間の所定労働時間が20時間以上となる労働条件に復帰することを前提として、臨時的・一時的に1週間の所定労働時間が20時間未満となる場合は、引き続いて被保険者として雇用されているものとして扱います。

日雇労働者

日々雇用される日雇労働者が一般被保険者、高年齢被保険者または短期雇用特例被保険者となった場合、就労しない日があっても雇用関係は存続しているものとして扱います。ただし、解雇予告を受け、または解雇予告手当を支給される場合のように明らかに継続雇用を停止された場合を除きます。

4.雇用関係に中断がある例

次の場合は、雇用関係に中断があるので、引き続き(継続して)雇用されているものとはみなされません。

雇用関係に中断がある例

  • 離職、再雇用を伴う一時解雇が行われた場合
  • 同一の事業主の取締役等の役員となり被保険者となる資格を失った場合
    • 役員に就任した後も従業員としての地位を有し、継続して被保険者資格を有するときは継続雇用しているものと扱う

雇用関係の中断が1年を超える場合、すなわち被保険者資格を失っている期間が1年を超えている場合、中断する前の期間は支給要件期間に含まれません。

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教育訓練給付金.JP