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競馬、競輪、ボートレース、オートレースの競走事業従事者に係る雇用保険の取扱い _ pr
雇用保険の被保険者

競馬、競輪、ボートレース、オートレースの競走事業従事者に係る雇用保険の取扱い

公営競技の競走事業に雇用される労働者については以前は日雇労働者と扱われていましたが、現在は、雇用保険の適用除外に該当しない限り、原則として一般被保険者として取り扱うこととなっています。

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1.競走事業従事者

競走事業とは

競走事業とは、公営競技(地方⾃治体や特定の公営団体が開催し、投票券を販売する競技)が開催される競走場または場外投票券発売場の事業のことです。賭けを前提として行われる競技に限られ、結果を予想するだけのスポーツ振興くじなどは含まれません。

現在、公営競技は、競馬、競輪、ボートレース(競艇)、オートレースの4つです。

公営競技

  • 競馬:競馬法(昭和23年法律第158号)に基づく競馬
    • 中央競馬:日本中央競馬会が行う競馬
    • 地方競馬:都道府県または指定市町村が行う競馬
  • 競輪:自転車競技法(昭和23年法律第209号)に基づく自転車競走
  • ボートレース:モーターボート競走法(昭和26年法律第242号)に基づくモーターボート競走
  • オートレース:小型自動車競走法(昭和25年法律第208号)に基づく小型自動車競走

競走事業従事者とは

競走事業従事者とは、競走事業に雇用される従業員で、公営競技の開催日等に投票券の発売、払戻金の支払等の業務に従事し、常用労働者的諸措置が実施されている者のことであり、選手のことではありません。

競馬の騎手、競輪選手、モーターボート選手、オートレース選手はいずれも個人事業主であり、雇用保険の対象外です。

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2.競走事業従事者と雇用保険

競走事業従事者のうち常用労働者と同様の労働者については、雇用保険の適用除外の規定に該当しない限り、一般被保険者(65歳以上の場合は高年齢被保険者)となります。

雇用契約上、日々または1開催期間ごとの雇用となっている場合であっても、雇用保険法第42条の日雇労働者に該当せず、日雇労働被保険者としては取り扱いません。

また、通常は、複数の事業に雇用される者(2つ以上の仕事を掛け持ちする人)は就労日数や所定労働時間を合算しませんが、例外として、競走事業を実施する複数の施行者に雇用される者については、その就労日数を合算して一般被保険者または高年齢被保険者の資格要件の有無を判断します。

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3.日雇労働者に該当しないことについて

現在、競走事業従事者は日雇労働者または日雇労働被保険者とはなりません。

1990年3月までは日雇労働者とされていた

競走事業は常に開催されているのではなく、法令等で開催回数が制限されており、「開催期間」と呼ばれる期間にのみ開催されています。開催期間は1か月あたりおおむね6日から12日程度で、夏季や冬季には開催されない月もあります。

競走事業従事者は開催される日だけ就労するため、施行者との間で、開催される日ごとまたは1開催期間ごとの雇用契約を締結していることなどを理由に、1990年(平成2年)3月までは日雇労働被保険者としての取り扱いをしていました。そして、競走事業が開催されない日については「失業している」として日雇労働求職者給付金を支給していました。

競走事業の開始当初は競走事業従事者の雇用が不安定で、日々雇用の実態にあったため、このような取り扱いをしていたようです。

会計検査院による指摘

会計検査院は、1987年度(昭和62年度)の労働保険特別会計について、競走事業従事者に対する失業給付にあてる雇用保険料収入が約8億円であるのに対し、実際に支給した日雇労働求職者給付金は約94億円で、「毎年度支出が収入を大幅に上回っている状況」は改善を要すると指摘しました。

もともと日雇労働被保険者の制度は、日雇労働者が異なる事業主に日々雇用され、その労働条件及び就労場所も常に変動し、社会的にも不安定な立場にあることから、その雇用形態、賃金の支払方法等の特殊性に対処するため、一般被保険者等とは異なる制度として設けられています。

ところが、競走事業従事者の雇用の実態は以前より改善され、契約上日々または1開催期間ごとの雇用としているものの、就業規則等に賃金のほかに、賞与、通勤手当、定期昇給、永年勤続表彰、退職金制度などが明文化され、安定した雇用関係と処遇が保障されていました。また、競走事業従事者のなかには常用雇用者と同等の賃金を得ているにもかかわらず、年間70万円以上の日雇労働求職者給付金を毎年受給していた事例もありました。

これは、社会的に不安定な立場にある日雇労働者とは明らかに異なる実態であり、非開催日の不就労日ごとに日雇労働求職者給付金を支給しているのは日雇労働被保険者制度の趣旨からみて適切ではないとして、会計検査院は、1989年(平成元年)12月5日付で、会計検査院法第36条の規定に基づく改善意見の表示を行いました。

参考リンク

競走事業従事者に係る雇用保険の取扱いの適正化を図るよう意見を表示したもの(会計検査院・昭和63年度決算検査報告)
https://report.jbaudit.go.jp/org/s63/1988-s63-0188-0.htm

1990年4月に取り扱いを変更した

当時の労働省は、会計検査院の指摘を受けて、1990年(平成2年)4月以降は競走事業に従事する者を日雇労働被保険者として取り扱わない旨の通達を発しました。

また、1990年(平成2年)3月以前からすでに日雇労働被保険者として取り扱われている競走事業従事者については、1993年(平成5年)4月までに一般被保険者に移行させることとしました。

参考リンク

競走事業従事者に係る雇用保険の取扱いについて(会計検査院・平成元年度決算検査報告)
https://report.jbaudit.go.jp/org/h01/1989-h01-0281-0.htm

4.教育訓練給付について

教育訓練給付を受けられるのは雇用保険に加入している労働者(被保険者)もしくは加入したことがある人だけです。労働者性が認められれば教育訓練給付対象者となります。

ただし、現在労働者でない場合であっても過去1年以内に労働者だった人は雇用保険に加入した可能性があるので教育訓練給付を受けられることがあります。