雇用保険の被保険者

旅館、料理店、飲食店、接客業、娯楽場の人は雇用保険の被保険者になることができるのか?

接客業または娯楽場の事業は、自分の店舗を運営する立場であれば雇用保険の対象とはなりません。また、客室や客席を借りて接客の請負をしているだけの接客員も労働者ではありません。

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1.雇用保険の被保険者

教育訓練給付を受けられるのは雇用保険に加入している労働者(被保険者)もしくは加入したことがある人だけです。雇用保険に加入できるのは雇用されている労働者だけです。

参考法令
雇用保険法 第4条第1項

この法律において「被保険者」とは、適用事業に雇用される労働者であつて、第六条各号に掲げる者以外のものをいう。

ただし、1年以内に労働者だった人は雇用保険に加入した可能性があるので教育訓練給付を受けられることがあります。

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2.接客業または娯楽場の事業に雇用される者

旅館、料理店、飲食店、その他接客業または娯楽場の事業に雇用される者は、雇用関係の存在する限り、被保険者となります。

この場合、固定給はもちろん、チップ、チケット代等の名目であっても一度事業主の手を通して再分配されるものは、すべて賃金とみなされます。

雇用か業務請負か

キャバクラやパブのような接客サービスの場合、接客員が、雇用されている労働者か、それとも業務請負の個人事業主かが問題となります。

労働基準監督署のホステスやキャストに関する事例では、おおむね、支配人から出勤の指示があったり、出勤がほぼ強制されている状況であれば雇用とされているようです。逆に、支配人からの出勤の指示を自由に断ることができれば業務請負とされるケースが多いようです。

書面による雇用契約書が無くても、出勤義務があり、事業主の支配と指揮監督を受けて、その規律のもとに労働を提供し、それに基づいて報酬が算出され、欠勤や損害について何らかの制裁を受ける場合は、雇用関係があると判断されます。

セラピスト

エステティック業やリラクゼーション業のセラピストも会社員と同様の扱いであれば雇用保険法は適用されます。しかし、出勤日や出勤時間に拘束が無いこと、出勤指示を断ることができること、完全出来高払いであること、消耗品の費用が自己負担であることなど、時間的に拘束していないと認められる場合は業務請負とされます。

料理の修行中の者

修行中や見習い期間中、試用期間中など名称のいかんを問わず、一人前の労働者でなくても雇用保険法は適用されます。見習いのバイトであっても、出勤して賃金を得て生活をしている場合は雇用関係があると言えます。

舞妓、芸妓は労働者ではない

京都の舞妓さんは「芸妓」になる前の修行中の人ですが、接客よりも踊りや芸の教育訓練がメインなので派遣労働者とは異なります。さらに、所属する施設(置屋と呼ばれる)が家賃や食費などの生活費や教育訓練にかかる費用を全額負担して、本人は無収入です。そのため、全寮制の学校で無償教育を受けながら資格を取ろうとしている昼間学生と同じ扱いであり「労働者ではない」とされています(接客に関しては児童福祉法等が適用される可能性がある)。

ちなみに、教育訓練を修了した芸妓は個人事業主なので、雇用保険の被保険者とはなりません。

また、舞妓の修行はその教育訓練経費を本人が負担していないので教育訓練の指定基準を満たさず、教育訓練給付金は支給されません。

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3.接客業または娯楽場の事業を営む者

事業主との間に雇用関係のない者は被保険者となりません。例えば、事業主に店舗の家賃を支払って、その店舗で飲食店を営む場合は雇用関係ではなく賃貸借契約を結んでいるだけなので、被保険者とはなりません。

また、場所または衣類の賃借の料金、食費等、その者の稼働に関係のない一定額を事業主に支払い、自営業若しくは自前で営業しているものと認められる者は被保険者となりません。

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教育訓練給付金.JP