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【社労士過去問】行政庁の命令と罰則(平成22年問7-E) _ pr
社労士試験対策

【社労士過去問】行政庁の命令と罰則(平成22年問7-E)

社会保険労務士試験・雇用保険法の過去問の解説です。テーマは「行政庁の命令と罰則」です。この分野からは過去に平成22年択一問7選択肢Eで出題されています。

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1.社労士過去問分析

当サイト内の解説記事

重要論点チェックテスト

行政庁の命令と罰則」については、次の論点を押さえておくとよいでしょう。それぞれの質問をクリック(タップ)すると回答を見ることができます。

Q
行政庁は、教育訓練給付対象者を雇用していた事業主に必要な報告を命ずることができますか?
A

はい。行政庁は、教育訓練給付対象者を雇用し、若しくは雇用していたと認められる事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体に対して必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができます。懲役刑と罰金刑あり。

Q
行政庁は、教育訓練給付対象者を雇用していた事業主の事務所に立入検査をすることができますか?
A

はい。行政庁はその職員に、教育訓練給付対象者を雇用していた事業主の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類の検査をさせることができます。懲役刑と罰金刑あり。

Q
行政庁は、雇用保険事業にかかわる犯罪の捜査のため立入検査を実施することができますか?
A

いいえ。立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはいけません。

Q
行政庁は、指定教育訓練実施者に必要な報告を命ずることができますか?
A

はい。行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、指定教育訓練実施者に対して必要な報告又は文書の提出を命ずることができます。罰則はありませんが、違反すると指定取り消しになります。

Q
行政庁は、教育訓練給付対象者に必要な報告を命ずることができますか?
A

はい。行政庁は、教育訓練給付対象者又は未支給の失業等給付等の支給を請求する者に対して必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができます。懲役刑と罰金刑あり。

Q
行政庁は、失業の認定を受ける者に医師の診断を受けることを命ずることができますか?
A

はい。行政庁は、失業の認定を受け、若しくは受けようとする者に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができます。診断は罰則なし。

Q
法人の従業者がその法人の業務に関して違反行為をしたときは、法人も処罰されますか?
A

はい。法人(法人でない労働保険事務組合を含む)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても罰金刑を科する。懲役刑はなし。

社労士試験について

社会保険労務士試験について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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2.平成22年択一問7選択肢E

平成22年(2010年実施、第42回)社労士試験、択一式試験・雇用保険法問7の選択肢Eです。

問題

択一式試験・雇用保険法(選択肢Eのみ抜粋)  〔問 7〕雇用保険制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。   雇用保険法では、教育訓練給付対象者や、未支給の失業等給付の支給を請求する者に関しても、一定の行為について懲役刑又は罰金刑による罰則を設けている。

正解

選択肢Eの記述は正しいです。

解説

教育訓練給付対象者

教育訓練給付対象者とは、雇用保険法第60条の2第1項に規定する教育訓練給付金の対象者のことで、一般被保険者または高年齢被保険者(在職者)または、一般被保険者または高年齢被保険者でなくなって1年以内の者(離職後1年以内)のことです。

教育訓練給付の受給資格があるかどうか、支給要件期間等を満たしているかどうかを問いません。

未支給失業等給付請求者

失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、本人の死亡当時生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹)は、まだ支給されていない失業等給付の支給を請求することができます(雇用保険法第10条の3)。

罰則

教育訓練給付対象者または未支給の失業等給付等の支給を請求する者が次のいずれかに該当するときは、6か月以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられることがあります。

  • 報告等命令違反
    雇用保険法第77条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出し、又は出頭しなかつた場合
  • 立入検査妨害
    雇用保険法第79条第1項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

雇用保険法第85条に懲役刑または罰金刑による罰則が設けられており、選択肢Eの記述は正しいと言えます。

参考法令
雇用保険法 第85条  被保険者、受給資格者等、教育訓練給付対象者又は未支給の失業等給付等の支給を請求する者その他の関係者が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。 一 第四十四条の規定に違反して偽りその他不正の行為によつて日雇労働被保険者手帳の交付を受けた場合 二 第七十七条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出し、又は出頭しなかつた場合 三 第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
雇用保険法 第77条  行政庁は、被保険者、受給資格者等、教育訓練給付対象者又は未支給の失業等給付等の支給を請求する者に対して、この法律の施行に関して必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
雇用保険法 第79条第1項  行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、当該職員に、被保険者、受給資格者等若しくは教育訓練給付対象者を雇用し、若しくは雇用していたと認められる事業主の事業所又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)の検査をさせることができる。